Semua Bab 私のおさげをほどかないで!: Bab 141 - Bab 150

158 Bab

32.恥じなくて…いいの?

どのくらいベッドにだらしなく埋もれたままでいただろう。 「凜子……」 労るような声音とともに、そっと肩に触れられて、ぼんやりとしていた視界が少しずつ像を結び始める。 「大丈夫か?」 そっと前髪をかき上げられて、まだはっきりしない頭で「奏芽……さん?」と半ば無意識のままつぶやく。 全身がものすごく気だるくて、身体に力が入らない。 なのにほんのちょっと触れられるだけで、未だに先刻体験したばかりの痺れるような感覚の余波が押し寄せてきて、その刺激にピクピクと身体がはねた。 「――まだ……しんどそうだな?」 聞かれて、素直に小さくうなずくと、「わかった」って頭を撫でられて、 「少し落ち着いたら一緒に風呂行こうな?」 って言われた。 私はそんな奏芽さんの言葉に、よく考えないままに首肯する。 そうしながら、さっきのあのジェットコースターの降下の際に感じるような……キュッとお腹の奥がくすぐったくなる……それでいて頭が真っ白になって何も考えられなくなってしまった……あの感覚はなんだったのかなって考えてしまう。 そうして、いま手足を動かすのもしんどいくらい身体が重くて自由がきかないのは、全部その果ての結果なんだと思い至った。 四季ちゃんの話では、彼を初めて受け入れたあとは下に違和感があって、歩くのが少ししんどかったみたい。 でも、こんな風に局部以外のところにまで影響が出たなんて……聞いていない。 そのことがなんだか普通ではない気がして、ソワソワしてしまった。 一刻も早く起き上がってしゃんとしないと、奏芽さんにおかしくなっ|て《・
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-10-21
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33.あなたで2人目です①

結局しばらく休んでもなかなか動けるように――というか歩けるようになれなくて……。 脚の間にいつまでも奏芽さんを受け入れたままのような感覚が残っています、だなんて……恥ずかしくて言えないっ。 そうこうしているうちに、 「そろそろ、頃合いかな。行こうか」 って奏芽さんが言う。 こ、頃合いって何がだろう? それに。 「……い、行くって……どこへです、か?」 げ、現状で歩くのはすっごく難しいです、と思ってオロオロしたら、「風呂」とか。 え!? 「あ、あのっ。いつの間にそんな話になってしまったのでしょう?」 どうしよう!?って布団を引き上げるようにして潜り込んだら、そのまま布団で包まれて抱き上げられてしまう。 「さっき。――落ち着いたら一緒に風呂入ろうな?って誘ったら、凜子、うなずいたぞ? そろそろ湯も溜まった頃だと思うし……入ろうぜ?」 ミノムシ状態の私をお姫様抱っこしたまま奏芽さんがニヤリと笑って、私は布団をギュッと握り締めて真っ赤になる。 「そっ、そんなことっ」 「ありましたよ、凜子さん」 記憶にないですと言おうとしたら、まるでそれは許さないと言う風に即座に言葉を半ばでさらわれた。 「うーーー」 うなってみたけれど、ククッと喉の奥で楽しそうに笑われただけで、流されてしまう。 あーん、奏芽さん、手強い! 脱衣所に入るなり、そっと床に降ろされた私は思いのほか足に力が入らなくてふらついてしまう。 「ひゃっ」 小さく悲鳴をあげてよろめいた私を、奏芽さんがギュッと支えてくださって……その弾みに包まっていた布団がはらりと身体からほどけてしまった。 「あ……っ」 小さくつぶやいて布団に手を伸ばそうとしたら、役立たずの足が私を支えきれずにその場に崩折れそうになる。 「危ねっ」 奏芽さんがギュッと力を込めて私の身体を抱きしめてくださって転倒はしなかったものの、肌が密着しまくって照れてしまう。 「どうせ風呂には持って入れねぇんだし、もうこのままでいいだろ?」 奏芽さんが私のおさげをくるくると指先に絡めながら喉の奥で楽しそうに笑っていらして、行儀悪くも布団を巻きつけたまま浴槽まで入りたいぐらいの勢いだっ
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-10-21
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33.あなたで2人目です②

 私にとって、髪の毛を人前でほどくことは服を脱ぐのと同じぐらい恥ずかしいことで。  幼いころから見苦しい姿だから人に見せてはいけないと刷り込まれてきた、束ねていない下ろし髪を大好きな奏芽さんに見せてしまうことに抵抗がないと言ったら嘘になる。  でも……奏芽さんには裸だって見られているのだから、髪をほどいた姿を見られたって平気。  きっと奏芽さんならば、私のみっともない姿だって受け入れてくださる気がするから。 「はい……」  未だ少し湿り気を帯びているように感じられる髪。  ちゃんと乾かしてから結ばなかったから、ほどいてみたらいつもより乱れてしまっているかもしれない。  三つ編みをほぐしたら、みっともなく散らし髪になっている可能性だってある。 「あ、あの……もし……」  見た目が悪かったらすぐにでも結び直しますので……。  そう続けようとしたら、奏芽さんがチュッと私の髪の毛に口付けて、スッとゴムを取り去ってしまう。  そうして私の髪の毛を優しくほぐしてくださった。  恥ずかしくて思わず視線を伏せた私のあごをそっととらえて上向かせると、「おさげほどいた凜子、すげぇ可愛いんだけど」って頬をなでてくれるの。 「あ、あのっ、でもっ」  髪の毛、ぐしゃぐしゃで汚かったりしませんか?  思うけど口に出来なくて言葉が続かない。  そんな私の頭を撫でながら「ほどいたトコ、誰にも見せたことない?」って聞いて荒らした。  私はちょっぴり考えて……「物心ついてからだと……奏芽さんで……2人目です」と答える。  途端奏芽さんが瞳をスッと眇めて、空気が少しヒンヤリとした。  ――え? どうして?  ソワソワしながら奏芽さんを見上げたら、「なぁ、初っ端って……やっぱりあの幼なじみの男……?」って、どこか険の感じられる低い声音で告げてくるの。  私はその言葉にキョトンとしてしまう。  そこで初めて、奏芽さんが勘違いをなさっていることに気が付いた。 「あっ、ち、違いますっ。こんな恥ずかしい姿、のぶちゃんにも見せたことないですっ」  慌てて言ったら「え?」という顔をされて、 「だったら……」  誰?という表情をなさるのへ、私は思わず笑みが漏れて
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-10-21
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34.俺に診察させて?* ①

お風呂は私が酔っていても入りたいと切望した、あの底面が色んな色に光るジャグジー付き浴槽。 奏芽さんがちゃんとスイッチを入れてくださっていて、お湯の中がほんのりカラフルに色めいていている。 ついでに私の恥ずかしさを緩和するためか、備え付けの薔薇の香りの泡入浴剤も投入してくださっていたから、お湯に浸かってしまえばお互いの身体はほぼ見えなくなるのも有り難かった。 なのに。 「あ、あのっ、奏芽さんっ、やんっ――」 シャワーで身体を洗い流してから、いそいそと湯船に逃げ込んだ私を、まるで逃さないとでも言うみたいに奏芽さんが後ろからギュッと抱きかかえてきた。 泡で見えないのが逆に仇になって、奏芽さんが水中で私のどこに触れようとしているのか、実際に触られるまで分からない。 それが余計に感度を高めるみたいで、さっきから私、お湯の中でゾクゾクさせられっぱなしで。 ゆるゆると腰のラインを撫でていた奏芽さんの手が、不意に胸に伸びてきて、背後から大きな手のひらで包み込むように膨らみ全体が覆われる。 なのに巧みに1番敏感な先端はわざと避けるように指の間から逃されて、もどかしくさに身体が震えてしまう。 「凜子、気付いてる? さっきからずっと腰動いてる」 笑みを含んだ声音でそう背後から囁かれて、胸を離れた指先が、お湯に濡れた私の髪の毛を耳に掛けて首筋をあらわにする。 そのまま耳朶を食むように「ね、凜子。どこに触れられたいか、素直に言ってみ?」と、言葉とは裏腹にどこか強請るような甘えた声を落とすの。 「っ、――ぜっ、たい、無、理ですっ」 そんな恥ずかしいこと、自分から言えるわけない。 それが分かっているくせに、意地悪をしてくる|奏芽《か
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-10-22
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34.俺に診察させて?* ②

「そっか、じゃあ、湯から出てここに座って?」 シャワーを手にして壁に面した浴槽の縁を指さすと、壁面にお湯を掛けて冷たくないようにしてくださいながらそう言われて、私はさすがにお湯から出てしまうことに躊躇いを感じて戸惑ってしまう。 「あ、あのっ、でもっ」 「イヤは無し。さっき約束したよな?」 先刻奏芽さんがしたいようにしてもいいと言ってしまった時、そう釘を刺された。 でも、だからといってその言葉を受け入れるのは何だかやっぱり抵抗があって……オロオロと奏芽さんを見つめて困っていたら、「凜子はもう、全部俺のもの、だろ?」って、低めた声で甘えたように問いかけてくるとか……ずるい。 胸と下腹部が隠れるように手で覆いながら恐る恐る浴槽の縁に腰掛けたら、奏芽さんも浴槽内で立ち上がられて……お互い、所々にきめ細かな泡をまとわり付かせているのが、何だかやけにエッチに思えた。 いつものサラサラストレートのイメージと違って、濡れそぼった髪の毛をかき上げるように無造作に後ろへ撫で付けていらっしゃる奏芽さんのその頬が上気しているの、凄く色っぽい。 あの薄い唇で何度も口付けられたんだって思ったら、すごくドキドキしてしまった。 「凜子が今、何考えてるのか当ててやろうか?」 ソワソワと奏芽さんの顔から視線を外した私の頬にそっと手をかけると、奏芽さんが瞳を覗き込んでくる。 「――あ、あのっ」 それになんてお答えしたらいいのか分からなくて戸惑っていたら、頬に触れていた指先で唇を割り開かされて、 「キスしたい、だろ?」 つぶやくようにそう落とされてから唇を塞がれた。 クチュクチュと、艶かしい濡れた音とともに熱い舌を擦り合わせるようなキスをされて――。 「――俺も凜子の唇見てたらキスしたくなったから……お相子、な?」 口付けを解くと同時、口の端を濡らした唾液を親指の腹で軽く拭ってくださってから、奏芽さんがそう言ってニヤリと笑うの。 ずるいよ、奏芽さん。 そんな風に言われたら、否定できない。 *** 「なぁ凜子。凜子の身体中にさ、俺のだって印、残しても構わねぇ?」 ややして奏芽さんが、乳房を隠すように置いていた私の
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-10-22
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34.俺に診察させて?* ③

「わ、私だって……奏芽さんのお知り合いの方はちょっと」 診て頂くなら見知らぬ女医さんか、年配のおじいちゃん先生がいい。出来れば若い男性は知らない先生でも避けたいと思ってしまう。 思わず真面目にそう返してみたものの、よく考えてみたら、いま話してるのはそういうお話じゃないですよねっ!? 「も、痛、くないですし……その……しゅ、出血、も……ほとんど止まってますの、で……診て頂かなくても……だ、いじょう、ぶですっ」 見られたくない一心でそう言ってしまってから、自分で何て恥ずかしいことを暴露してしまったの!と気がついて恥ずかしくなる。 さすがに奏芽さんも驚かれたみたいで大きく瞳を見開かれるから……その反応に、私はますます居た堪れない気持ちになった。 「わっ……」 「わ?」 「……忘れてくださいっ」 言ったと同時、奏芽さんに両ひざに手を掛けられて、 「了解。――凜子の言葉、しっかり忘れたから。診せてもらうってことで……いいよな?」 って……それとこれとは話が別ですっ。 「ヤッ、……ダメっ、」 抗議の言葉を発した私を嘲笑うみたいにニヤリと笑った奏芽さんにゾクリとさせられてしまう。 手をかけられた脚にグッと力を入れてみたけれど、片ひざを離れた手が、脚の隙間を縫うように難なく秘部へ伸ばされた。 そろり、とソコを亀裂に沿って撫でられて、ついでのようにあの気持ちいいところに触れられた私は、思わず後ろにのけぞってしまった。 「ひゃっ」 途端、ずっと背中を預けていたわけではない壁面タイルの冷たさに、期せずして悲鳴を上げてしまう。 そちらに気を取られて油断した瞬間、待っていたみたいに奏芽さんが私のひざを割り開いてきた。 内腿の間に奏芽さんの吐息を感じた私は、脚を閉じたいのに奏芽さんを挟んでしまうことは出来ないと思って……戸惑いに泣きたくなる。 「お願っ、かな、めさっ、離れてくださ……っ」 慌てて手でそこを隠そうとしたのに、それすら奏芽さんに捕らえられて阻止されてしまう。 内壁をこじ開けられることを覚悟した私だったけれど、奏芽さん、どうやら中に指を入れるつもりはないみたい?で。 入り口を包む谷間にそっと指を這わせながら、「触ったら痛
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-10-23
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34.俺に診察させて?* ④

許せと言われても……無理ですっ。 断固拒否しますっ。 そう言いたいのに。 奏芽さんはまるでそれを言わせたくないみたいに彼からの刺激でぷっくりと勃ち上がったソコをやんわり舌先で押しつぶすみたいに舐め転がしてくる。 「あ、ぁっん……、い、やぁっ」 その一際強い刺激に突き動かされたように、下腹部がキュンとして、谷間からトロリと蜜が流れ落ちたのが分かった。 どうせ離してもらえないのなら。 このままひとりで達かされてしまうのは嫌だ、と思った。 私をこんなに淫らにしてしまうのが奏芽さんなのだとしたら、私だって奏芽さんを同じようにグズグズに崩したい。 そんな無謀なことを思いはしたものの、恥ずかしくて言えない私は、「……奏芽さ、んも一緒、が……い、ですっ」と口走ってしまっていた。 「凜子っ」 途端、奏芽さんに名前を呼ばれて抱き上げられて、湯船の中、彼にお尻を向けるような格好で立たされる。 彼の唇が下肢から離れたことにホッとして油断している私に、奏芽さんが 「ゴム、風呂場に持ってきてねぇから……。凜子、協力してくれるか?」 背後から抱きしめるようにして、耳元でそうささやくの。 奏芽さんが何を求めていらっしゃるのか良く分からないままに、彼が私の両手を包み込むように浴槽の縁を持たせるのを成すがままに受け入れる。 予期せず背後の奏芽さんにお尻を突き出す形になったことが恥ずかしくてギュッと両足を閉じたら、何故か「上出来」って褒められた。 そのことに「え?」って思ったのと同時、 「ひゃ、ぁっ」 内腿の隙間に奏芽さんの猛々しい熱がねじ込まれてきてドキッとする。 その感触に慌てて脚を開きそうになったら、 「お願い、凜子。そのまま脚、閉じてて?」 奏芽さんから吐息交じりに切なく強請られて、私はゾクリと身体を震わせた。 奏芽さんの懇願するような甘く掠れた低音ボイス。すごく色っぽくて、大好きっ。 そう思った途端、ジュン……と下腹部が疼いて、トロリと溢れ出した蜜が内腿におられる奏芽さんにもねっとりと絡み付
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-10-23
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35.貴方のものだと思えるから①

「本当に大丈夫なのか?」 奏芽さんが心配そうな顔をして私を見つめてくる。 「だ、大丈夫ですっ」 ……多分。 確信はないですけど、そう思います。 *** あの、奏芽さんとの初体験を済ませた嬉し恥ずかしなお泊まりから帰ってきてすぐの登校日。 4月も折り返し地点を過ぎ、大分温かくなって来たとはいえ、朝晩はまだ少し肌寒かったり。 私は少し考えて、長袖のロング丈ワンピースの上にGジャンを重ねて温度調節ができる服装にした。 黒地に小花柄のワンピースに、深い藍色のGジャン。 そこへ歩きやすいように黒と白のツートンカラーのスニーカーを合わせて、薄アイボリーの帆布のショルダーバッグを手にする。 髪の毛は2つに分けていつも通り編み込みにした。でも、いつもと少しだけ違うのは、黒いシンプルな髪ゴムではなく、シフォン素材のスカートと似たシュシュで留めたこと。 奏芽さんが、その方が可愛いよって言ってくださったから。思い切ってほんのちょっとステップアップ。 それから……もっともっと大きな変化がもうひとつだけ。 *** そう言えば奏芽さんと初めて出会ったのも、このぐらいの時節のころだった。 今日みたいにショルダーバッグに荷物を入れていて、落とした拍子にノートに記名してたのを見られたんだっけ。 まだほんの1年しか経っていないのに、凄く懐かしい気がした。 「片山さんが無理だってんなら俺、何とか都合つけるぞ?」 玄関先で「行って来ます」をして振り返った私に、奏芽さんがそんなことを言って眉根を寄せる。 「お守りも持ってますし、スマホのGPSもオンです」 言って、奏芽さんが前に私のコートに忍ばせておいてくださった、例のBluetooth接続のタグと、スマホを見せる。 タグは、紐を通してカバンの持ち手につけてある。 「それに――」 鎖骨のあたりに服越しに触れてから、「これもあるので」と上目遣いに奏芽さんを見上げた。 「けど……」 それでも尚も言い募ろうとなさる奏芽さんに近づくと、私は彼の手を軽く引っ張って、ちょいちょいと手招きをする。 「?」 突然の、何の脈絡もな
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-10-24
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35.貴方のものだと思えるから②

奏芽さんには内緒にしていたけれど、私、実は昨夜のうちに四季ちゃんに、「明日はひとりで大学に行きたいと思ってるの」って連絡を入れていた。 当然のように四季ちゃんからも今朝の奏芽さん同様散々心配されたのだけれど、「いつまでもひとりで出歩けないのは困るし、頑張ってみたい」と真剣に胸のうちを説明して、何とか引き下がってもらった。 もちろん、あの事件以来初めて外をひとりで歩くことになるわけだし、何も不安がなかったかというとそんなことはない。 奏芽さんや四季ちゃんに大丈夫だと大口を叩いた手前、頑張らなきゃって気負いがあって、そのおかげで私、逃げ出さずに踏ん張れたと思う。 大学が近くなって、若い男女に出会う割合がぐんと高くなって……。 前に、見知らぬ男性とすれ違った途端、監禁された記憶がフラッシュバックして、座り込んで動けなくなってしまった辺りまで差し掛かった時には、さすがに心臓がバクバクして息が苦しくなった。 このままではまた前回の二の舞になってしまうと思った私は、奏芽さんにもらったお守りや、スマホのGPSのことを思い出して、深呼吸をした。 それでようやく少しずつ気持ちが落ち着いてくる。 加えて、私は心身ともに本当に奏芽さんと繋がれたんだからって思ったら、すごく励まされたの。 金里明真がこだわっていたように、望んでもいない相手に力づくで純潔を散らされる心配がなくなったと思えることが、驚くほど私を強くしてくれた。 初体験だったあの日、身体中に奏芽さんが刻みつけてくださったキスマークの数々も、私は奏芽さんのものになれたんだって思わせてくれて嬉しくて……。 昨夜お風呂に入った時、鏡に映った自分を見て、まだそれらが消えていないことも知っているから。 それも、私の大きな支え。 それに――。 「奏芽さん……」 さっき、奏芽さんの前でもしたように、服の上から胸前のものに触れて……。 私は、そこから沢山沢山勇気をもらうの。 *** 「凜子ちゃん! ひとりで大丈夫って……本当に何ともなかった⁉︎」 大学に着くと、門のところに四季ちゃんが立っていて、私を見つけるなり走り寄ってきた。 少しもしんどくなかったと言ったら嘘になる。
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-10-24
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35.貴方のものだと思えるから③

「鳥飼さんにはもう連絡した?」 無事に着いたことをちゃんと知らせておかないと、きっと今頃ヤキモキしてるよ?って四季ちゃんに手を握られて、私はハッとする。 「ま、まだっ。ごめん、四季ちゃん。ちょっとメールして……いい?」 人と一緒にいるのに鳴ってもいないスマホを取り出して操作することは失礼な気がして……申し訳なく思いながらそう問いかけたら、四季ちゃんは「もちろんだよ」ってにっこり笑ってくれた。 私は四季ちゃんにお礼を言うと、「無事大学につきました。私、ひとりでもちゃんと外、歩けました!」と、笑顔でガッツポーズをするうさぎのスタンプと一緒に、そんな文言をメッセージアプリで奏芽さんに送る。 今、四季ちゃんに会ったことで気が抜けてヘナヘナになっていることは、もちろん内緒。 変なことを言って、これ以上大好きな奏芽さんに心配かけたくないもの。 きっとGPSで確認すれば、私が大学の敷地内に入っていることは一目瞭然だと思う。 それでもこうやってメッセージを入れることは、きっと奏芽さんをより安心させることに繋がると思うの。 案の定、奏芽さんからすぐに既読がついて、『良かった。けど、無理はするな』って返信が。 奏芽さんは恐らく私が今、こんな風に立ち上がれなくなってるの、お見通しなんじゃないかな。 無理はするな、という文言に、それを感じながら。 あえてそこには触れず、私は務めて明るい雰囲気をかもし出す、「はーい!」というコミカルな文字付きの、諸手を上げたうさぎスタンプを送った。 お仕事中なのに返信させてすみません!って思いをこめたそれが既読になったのを確認した私は、スマホをカバンに仕舞った。 「鳥飼さん、なんて?」 私がスマホを手放したのを確認して、そう聞いてくる四季ちゃんに、「無理するなって言われちゃった」って淡く微笑んだら「同感」ってじっと顔を見つめられて、 「凜子ちゃん家に迎えに行くより、門前で凜子ちゃんを待ってた時の方が、ソワソワしてしんどかった!」 って眉根を寄せるの。 私はそんな四季ちゃんの存在が、心の底からありがたいって思った。 *** 「ね、そういえば誕生日はどうだったの?」
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-10-24
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