結局コンビニのバイトは辞めて、私は正式に鳥飼小児科医院でアルバイトをすることになった。 春休み期間中の今は、奏芽さんと一緒に出勤して、奏芽さんと一緒に退勤する感じ。 休憩時間には奏芽さんと近場のお店にお食事に出かけたり、私が作ってきたお弁当を少し行った先の公園のベンチで一緒に食べたり。 そういう何気ない日々の積み重ねが、将来の2人の姿に重ねて行けたなら――どんなに幸せだろう。 奏芽さんと四六時中一緒にいられるからかな。 気が付けば私、どんどん奏芽さんに対して貪欲になっている気がするの。 奏芽さんは私とのこう言う毎日をどう思っていらっしゃるのかな。*** 半ばなぁなぁで始まってしまった奏芽さんとの同棲生活だけど、今のままじゃダメなことは、私が一番分かっている。 住んでいないのに家賃だけ支払い続けているアパートに、いい加減帰るべきなんだと思う。 電気やガスや水道は一時的に止めていただいているけれど、あれを再開して、――せめて新学期が始まるまでには元の生活に戻らないと。 でも。 大学行きのバス停までの道すがらにあの事件が起こった一軒家があると思うと、どうしても足がすくんでしまって動けなくなる。 奏芽さんのマンションはどちらかというと私の通う大学に近いところに位置しているから、ここからこのまま通えたらな……とか、甘えたことまで考えてしまう始末。 奏芽さんのマンションから大学までは、自転車で通えるんじゃないかな?というぐらいの距離――1キロちょっと。 徒歩圏内とも言えるかな。 私のアパート、実は不動産屋さんとの連携のミスで私が通う大学じゃなくて、別のマンモス大学――夏ヶ丘大――の学生さん向けの場所で。 最初は変えてもらおうかと思ったけれど、コンビニを始め、色んなお店が充実していたからそのままそこに住み始めてしまったの。 アパートの近場で見つけたコンビニの
Terakhir Diperbarui : 2025-09-28 Baca selengkapnya