向こうが一瞬黙り込んだ。「......申し訳ありません......その番号、澄依ちゃんのリュックの中から見つけたもので......本当にすみません。実はどうしようもなくて、澄依ちゃんの保護者が保育園に残している番号に何度もかけたんですが、まったく繋がらないんです。別の電話からも試しましたが同じで......澄依ちゃんに聞いても、『ここに残る』としか言わなくて......」先生は少し言葉を選びながら続けた。「澄依ちゃんはまだ子どもですから、保護者のご意向が一番大切です。もう大晦日も近いので、こちらとしては全員の行き先を把握しなければなりません。でも保護者の方と連絡が取れず、やむを得ずリュックを確認してしまい、それで、この番号を見つけました......保護者の方だと思ってお電話してしまい、失礼しました」と、声を少し和らげる。「ですが、澄依ちゃんがこの番号を持っていたということは、何かご関係があるのではと思います......もしご存じでしたら、保護者の方にご連絡を取っていただき、澄依ちゃんの今後について確認していただけないでしょうか」丁寧で低姿勢な頼み方だった。申し訳なさもはっきり伝わってくる。しかも澄依のこととなれば、蒼空は断れない。「連絡先なら知っています。こちらで確認して、後ほどご連絡します」先生はすぐに感謝を述べた。「ありがとうございます。差し支えなければ、お名前を伺ってもよろしいでしょうか。記録に残したいので......」蒼空は簡潔に答える。「関水です」通話はすぐに切れた。通話の間、小春は隣で頬杖をつきながら一部始終を聞いていた。何か言う前に、蒼空が車を路肩に停め、スマホを取り出して連絡先を探し始める。小春が覗き込む。「何探してるの?」「優奈」そう言って、表示された名前を迷いなくタップし、スマホを耳に当てる。呼び出し音が鳴っている間に、小春が小声で聞いた。「なんで彼女に電話?何かあった?」蒼空は横目で軽く答える。「あとで説明するよ」だが、その電話はすぐに切られた。蒼空は特に驚く様子もなく、もう一度かけ直す。――また切られた。内心ため息をつきながら、蒼空はスマホを下ろす。隣で小春が呆れたように舌を鳴らした。「あいつ、感じ悪いよね」電話がダメな
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