All Chapters of 魔道AI〈ゼロ〉と落第生: Chapter 71 - Chapter 80

110 Chapters

絆の奇跡

政府軍の破壊光線が、10人の防御壁に激突した。地鳴りのような爆音が響き渡り、基地全体が激しく揺れる。巨大なエネルギーのぶつかり合いに、空間そのものが歪んでいた。「うおおおおお!」クロが必死に雷の壁を維持する。しかし、政府軍の攻撃は想像以上の威力だった。虹色の防御壁が、少しずつひび割れていく。「やばい……持ちこたえられない……」カイが歯を食いしばる。異常演算が弱体化している今、10人の力を合わせても限界がある。《防御壁強度、65%まで低下》ゼロの警告が響く。《このままでは、あと30秒で突破される》「くそっ……」ジンも額に汗を流している。完璧な制御を誇る彼でも、この状況では苦戦していた。「もっと力を……」サクラが必死に魔力を送り込もうとする。しかし、すでに限界に近い。「無理しちゃダメ」ミナが止めようとするが、サクラは諦めない。「でも……基地の人たちが……」地下シェルターには、まだ多くの職員が避難している。この防御が破られれば、全員が危険にさらされる。「俺が……俺がもっと頑張れば……」クロが自分を責める。力不足で仲間を、基地の人たちを守れない。その悔しさが、胸を締め付けた。《防御壁強度、50%まで低下》《突破まで、あと20秒》絶望的な状況。しかし、その時――「クロ」リアが静かに声をかけた。「一人で背負わないで」「リア……」「私たちは家族でしょう?」少女の言葉に、クロの心が少し軽くなった。「そうだよ」マ
last updateLast Updated : 2025-09-25
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束の間の平和

政府軍を撃退してから三日が経った。オブシディアン基地は、戦闘の傷跡を残しながらも、穏やかな日常を取り戻しつつあった。「はぁ……」クロは基地の屋上で、青空を見上げていた。戦いが終わって、やっと一息つける。そう思っていたのだが——「クロ、ここにいたのか」背後から声がした。振り返ると、ジンが立っていた。「ジン。お前も息抜きか?」「まあな」ジンがクロの隣に座る。二人は並んで、しばらく無言で空を見上げていた。「……変わったな、お前」クロが唐突に言う。「何が?」「最初に会った時は、もっと冷たかった」クロが苦笑いする。「今じゃ、普通に会話できるようになった」ジンも小さく笑った。「君のせいだ」「俺の?」「君が、僕に人間らしさを思い出させた」ジンが遠くを見つめる。「以前の僕なら、感情を排除して戦っていた」「でも、今は違う」「仲間のために戦うことの意味を知った」その言葉に、クロは少し照れくさくなった。「俺は何もしてないけどな」「いや、君の存在自体が影響を与えた」ジンが真剣な表情で言う。「完璧じゃない君が、必死に努力して強くなっていく姿」「それを見て、僕も変わりたいと思った」二人は再び沈黙した。しかし、それは気まずい沈黙ではなく、心地よい静けさだった。「なあ、ジン」「何だ?」「これからどうなると思う?」クロが不安そうに聞く。「政府は必ず、また来るよな」「ああ」ジンが頷
last updateLast Updated : 2025-10-01
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新たなる脅威

アビス機関の男が手を上げた瞬間、基地全体が異様な圧力に包まれた。「ぐ……」クロが膝をつきそうになる。これまで経験したことのない、重圧。まるで、空間そのものが押し潰そうとしているかのようだった。《警告:未知の異常演算パターン検出》ゼロの声にも緊張がある。《データベースに該当なし。危険度、測定不能》「測定不能って……」クロが歯を食いしばる。政府軍との戦いでは、ゼロは常に的確な分析を提供してくれた。しかし、今回は違う。完全に未知の領域だった。「これが真の異常演算か……」ジンも額に汗を流している。完璧な制御を誇る彼でも、この圧力には抗えない。「君たちの力、確かに興味深い」アビス機関の男が冷静に分析する。「10人の共鳴による出力増幅……理論上は可能だが、実現例は稀だ」「でも、所詮は表層的な技術」男が指を鳴らすと、圧力がさらに強くなった。「うあああ!」サクラが倒れそうになる。「サクラ!」クロが支えようとするが、自分も立つのがやっとだった。「これが……アビス機関の力……」カイも膝をついている。「強すぎる……」ミナも必死に抵抗するが、体が言うことを聞かない。新加入の3人は、さらに深刻だった。「僕……もう……」レオが完全に倒れ込む。リアとマルクも、立っていられない。「くそっ……」クロが拳を握りしめる。「こんなところで……」その時、基地から新たな人影が現れた。ルーク司令官とエリス・ノヴァ、そして他の異常演算者たち。「子供たち
last updateLast Updated : 2025-10-02
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深淵との戦い

12色の虹色の光と、アビス機関の暗黒のオーラが激突した。空間が歪み、地面が割れ、基地全体が激しく揺れる。「うおおおお!」クロが必死に雷の壁を維持する。しかし、アビス機関の攻撃は容赦なかった。20人の術師が一斉に攻撃を仕掛けてくる。「《深淵演算・虚無の矢》!」無数の黒い矢が12人に向かって飛んでくる。「防げ!」ルークが叫ぶ。12人が防御壁を展開するが、矢の威力は想像以上だった。バリバリと防御壁にひびが入っていく。「このままじゃ持たない……」エリスが焦る。「みんな、もっと魔力を!」しかし、12人の魔力にも限界がある。先ほどの政府軍との戦いで、かなり消耗していた。「くそっ……」ジンが歯を食いしばる。完璧な制御を誇る彼でも、この状況では苦戦していた。「ジン、無理するな」クロが声をかける。「俺が前に出る」「待て」ジンが止める。「君一人では無理だ」「でも……」その時、防御壁が完全に破られた。虚無の矢が、12人に襲いかかる。「危ない!」カイが咄嗟に炎の壁を展開する。しかし、矢は炎を貫通して彼の肩に刺さった。「ぐああ!」「カイ!」ミナが駆け寄る。「大丈夫?」「大丈夫じゃねぇ……痛ぇ……」カイの傷口から、黒い霧のようなものが漏れている。「これは……呪詛か」エリスが顔色を変える。「深淵演算の特性……傷つけた相手の魔力を蝕む」「魔力を……」実際、カイの魔力が急速に減少している。《警告:カイの魔力残量、危険域》ゼロの声が響く。《このままでは、異常演算が使用不能に》「カイを下がらせろ」ルークが指示を出す。「治療が必要だ」「でも……」「今は戦力を温存するのが先決だ」ルークの判断は正しかった。カイが戦闘不能になれば、残りの11人の負担が増える。「わかった」クロが決断する。「カイ、下がってくれ」「でも……」「お前がいなくても、俺たちは大丈夫だ」クロが無理に笑う。「だから、回復に専念してくれ」カイは悔しそうに拳を握ったが、最終的に頷いた。「……わかった」「でも、すぐに戻ってくるからな」カイが基地の方に下がっていく。残された11人が、改めて陣形を組んだ。「一人減ったな」アビス機関の指揮官が冷笑する。「このペースなら、あと1時間で全滅だ」「そうはさせない」ジンが前に
last updateLast Updated : 2025-10-03
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絆の逆襲

アビス機関の20人が一斉に攻撃を仕掛けてきた。無数の黒い魔術が、11人に向かって襲いかかる。「来る!」クロが叫ぶ。11人が円陣を組み、虹色の防御壁を展開した。しかし、敵の数が多すぎる。防御壁が激しく揺れ、今にも崩れそうだった。「持ちこたえろ!」ルークが魔力を送り込む。「まだ諦めるな!」エリスも必死に防御を維持する。しかし、二人とも限界に近かった。先ほどの戦いで、かなりの魔力を消耗している。「このままじゃ……」ミナが焦る。「防御が破られる」その時、基地の方から声が聞こえた。「みんな!」振り返ると、カイが戻ってきていた。肩の傷は応急処置されているが、まだ完治していない。「カイ!まだ無理よ!」サクラが止めようとする。「無理じゃねぇ」カイが拳を握る。「仲間が戦ってるのに、寝てられるか」カイが円陣に加わった。12人に戻った瞬間、防御壁の強度が急激に増した。「おお……」ジンが驚く。「一人加わっただけで、これほど変わるのか」「それだけカイの存在が大きいってことだ」クロが微笑む。「おかえり、カイ」「ただいま」カイも笑い返す。12人の絆が再び完全になった。虹色の光が、さらに強く輝く。「まだ諦めないか……」アビス機関の指揮官が舌打ちする。「厄介な連中だ」「なら、こちらも本気を出す」指揮官が手を上げると、アビス機関の術師たちが特殊な陣形を組んだ。「
last updateLast Updated : 2025-10-04
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休息と決意

アビス機関との激戦から一夜明けた。オブシディアン基地の医務室には、12人全員が集まっていた。「はい、これで最後」エリス・ノヴァが、レオの腕に包帯を巻き終える。「軽い打撲だけど、無理はしないでね」「ありがとうございます」レオが礼を言う。医務室のベッドには、カイが横になっていた。肩の傷はかなり深く、完治には時間がかかりそうだった。「くそ……情けねぇ」カイが悔しそうに呟く。「真っ先にやられるなんて」「仕方ないわよ」ミナが慰める。「相手が悪かった」「でも……」「それに、最後は戦ったじゃない」サクラも優しく言う。「カイくんが戻ってきてくれたから、勝てたんだよ」その言葉に、カイは少し表情を和らげた。「まあ、そう言われると悪い気はしねぇけど」クロがカイのベッドサイドに座る。「無理して戻ってきてくれて、ありがとな」「当たり前だろ」カイが笑う。「仲間が戦ってるのに、寝てられるか」その時、医務室の扉が開いた。ルーク司令官が現れた。「みんな、調子はどうだ?」「大丈夫です」クロが代表して答える。「カイ以外は、軽傷です」「そうか」ルークが安堵する。「それは良かった」「ルークさん」ジンが質問する。「アビス機関について、もっと教えてください」「あなたは元メンバーだったんですよね」ルークの表情が曇った。「……ああ」「恥ずかしい過去だが、隠しても仕方ない」ルークが椅子に座り、語り始めた。「アビス機関は、約20年前に設立された」「創設者は、《深淵の賢者》と呼ばれる謎の人物」「その目的は、異常演算の究極進化だった」「究極進化……」「そう。彼らは、異常演算には限界がないと信じている」ルークが続ける。「そして、その力を使って世界を支配しようとしている」「世界を支配……」フィアが眉をひそめる。「典型的な悪の組織ね」「しかし、彼らの力は本物だ」ルークが真剣な表情になる。「昨夜戦った術師たちは、まだ下位クラス」「上位クラス、そして《深淵の賢者》本人となると……」言葉を濁すルーク。それだけで、脅威の大きさがわかった。「なぜ、ルークさんは脱退したんですか?」サクラが聞く。「彼らの理念が、僕の信念と合わなかったからだ」ルークが遠くを見つめる。「力は、誰かを守るために使うもの」「支配するための
last updateLast Updated : 2025-10-05
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心の訓練

翌朝、12人は特別訓練場に集められた。しかし、そこには戦闘用の装置は一切なかった。代わりに、円形に並べられた椅子だけがある。「これが……訓練場?」カイが首を傾げる。「器具とかないんだけど」「今日の訓練は、肉体ではなく心だ」エリス・ノヴァが説明する。「異常演算の真髄は、心にある」「心を鍛えることで、力も強くなる」ルーク司令官も加わる。「特に、君たちの『真の共鳴』は心の状態に大きく依存する」「互いへの信頼、絆の深さ」「それが、力の強さを決める」12人が椅子に座る。「まず、瞑想から始めよう」エリスが静かに言う。「目を閉じて、自分の心を見つめる」12人が目を閉じた。最初は、雑念だらけだった。次の戦いへの不安、過去の記憶、様々な思いが頭を駆け巡る。しかし、徐々に心が落ち着いていく。呼吸を整え、心を静めていく。「良い感じだ」ルークが満足そうに呟く。「みんな、心を開いている」30分ほど瞑想した後、エリスが次の指示を出す。「では、隣の人と手を繋いでください」12人が互いに手を繋ぐ。「目を閉じたまま、相手の心を感じてください」「言葉ではなく、心で対話する」クロの右手は、ジンと繋がっている。左手は、サクラと。目を閉じたまま、二人の存在を感じる。ジンの冷静で理知的な心。サクラの優しく温かい心。どちらも、はっきりと感じられた。「すごい……」クロが小さく呟く。「みんなの心が、手のひらから伝わってくる」
last updateLast Updated : 2025-10-06
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影の密約

その夜、政府の極秘施設。ヴァイス局長代理は、薄暗い会議室で一人の男を待っていた。扉が開き、黒いローブの男が現れる。アビス機関の指揮官だった。「よく来てくれた」ヴァイスが冷たく言う。「まさか、政府と手を組む日が来るとはな」「同感だ」男も不快そうに答える。「本来なら、君たちのような無能とは関わりたくない」二人の間に、緊張した空気が流れる。しかし、共通の目的が彼らを結びつけていた。「オブシディアン基地の異常演算者たち」ヴァイスが資料を開く。「あの12人組は、我々にとって脅威だ」「君たちも、敗れたと聞いている」その言葉に、男の表情が険しくなる。「……一時的な後退に過ぎない」「次は必ず勝つ」「その『次』のために、協力しようというわけだ」ヴァイスが提案する。「我々は、君たちに協力する」「最新の兵器、情報、そして人員」「その代わり……」「異常演算者を引き渡せ、と言いたいのだろう」男が先回りする。「断る」「なぜだ?」「彼らは、我々の研究材料だ」男が冷酷に答える。「政府に渡すつもりはない」ヴァイスが舌打ちする。「では、この話は無かったことに」「待て」男が制止する。「取引を修正しよう」「修正?」「我々が異常演算者を制圧する」男が提案する。「政府は、オブシディアン基地の破壊と、他の異常演算者の確保」「12人組は、我々が回収する」ヴァイスは少し考えた後、頷いた。「……悪くない条件だ」「では、作戦の詳細を詰めよう」二人が地図を広げる。オブシディアン基地の詳細な配置図だった。「この基地には、約100名の異常演算者がいる」ヴァイスが説明する。「しかし、脅威なのは12人組だけ」「彼らを分離できれば、勝機はある」「分離……か」男が考え込む。「確かに、彼らの強さは連携にある」「バラバラにすれば、各個撃破できる」「我々には、切り札がある」ヴァイスが別の資料を取り出す。「新型アークキラー『ネメシス』」「異常演算を完全に無効化し、さらに空間も封鎖できる」「ほう……」男が興味を示す。「空間封鎖ができるなら、確かに分離は可能だ」「ただし、起動には時間がかかる」ヴァイスが警告する。「約30分の準備時間が必要だ」「その間、君たちが陽動してくれ」「了解した」男が頷く。「我々は正面から
last updateLast Updated : 2025-10-07
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総力戦の開始

「全軍、突撃!」ルーク司令官の号令と共に、100人の異常演算者が一斉に動き出した。対する政府軍とアビス機関も、迎撃態勢を整える。500対100。圧倒的な数の差があったが、オブシディアン基地側の士気は高かった。「行くぞ、みんな!」クロが先頭に立って駆け出す。12人が楔形の陣形を組み、敵陣に突撃していく。「《雷帝召雷陣》!」クロの雷が敵の前衛を薙ぎ払う。「《雷閃式・迅雷斬》!」ジンの精密な雷撃が、敵の術式を妨害する。二人の雷属性が連携し、強力な電撃網を形成した。「通すか!」政府軍の兵士たちが魔術砲を発射する。しかし、サクラの風がそれを逸らした。「《暴風結界・極》!」「ナイス、サクラ!」クロが称賛する。「このまま一気に!」12人が敵陣深くに侵入していく。しかし、アビス機関が立ちはだかった。「やはり来たか」昨夜の指揮官が冷笑する。「今度は、逃がさない」「《深淵演算・暗黒領域》!」周囲が完全な闇に包まれる。「またこれか!」カイが舌打ちする。「前と同じ手は通用しないぜ!」「レオ、頼む!」「はい!」レオが光の魔術を発動する。「《光輝演算・極光爆発》!」しかし、今回は違った。レオの光が、闇に飲み込まれていく。「え……」「無駄だ」指揮官が不敵に笑う。「今回の暗黒領域は、前回の3倍の出力」「君たちの光では破れない」「くそ……」クロが歯を食いしばる。闇の中では、視界がきかない。仲間の位置も、敵の位置もわからない。《熱源探知、起動》ゼロの声が響く。《周囲の温度分布を表示》クロの視界に、熱源マップが現れた。仲間たちの位置が、赤い点として見える。「みんな、俺の声を聞け!」クロが大声で叫ぶ。「バラバラになるな!俺の雷を目印に集まれ!」クロが小さな雷を灯すと、その光が闇を照らした。「あそこだ!」仲間たちが次々と集まってくる。「でも、このままじゃ……」ミナが不安そうに言う。「敵に囲まれるわ」実際、熱源マップには敵の赤い点が無数に見える。完全に包囲されていた。「なら、こっちから仕掛ける」ジンが提案する。「12人で『真の共鳴』を発動する」「でも、闇の中で?」「できる」ジンが確信を持って言う。「昨日の訓練で、互いの心を感じられるようになった」「視界がなくても、心で繋がれ
last updateLast Updated : 2025-10-07
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逆転の狼煙

300人の異常演算者が一斉に魔術を発動した瞬間、戦場の空気が一変した。「うおおおお!」様々な属性の魔術が、政府軍とアビス機関を襲う。火、水、風、土、雷、氷、光、闇――あらゆる魔術が交錯し、戦場は混沌に包まれた。「馬鹿な……」ヴァイス局長代理が狼狽する。「こんなに異常演算者がいたなんて……」「情報が漏れていたのか!」Dr.ヴェルナーが測定器を見て青ざめる。「魔力反応、測定限界を超えています」「これでは、制御不能です」政府軍の兵士たちが次々と倒されていく。数の優位は、もはや意味をなさなかった。「クロ!」援軍の先頭に立っていた男が声をかける。「大丈夫か?」「はい、なんとか」クロが答える。「あなたは……?」「俺はアレックス」男が自己紹介する。「ヨーロッパの異常演算者組織のリーダーだ」「君たちの戦いを聞いて、仲間を連れてきた」「ありがとうございます」クロが深く頭を下げる。「本当に助かりました」「礼には及ばない」アレックスが微笑む。「異常演算者は、世界中で繋がっている」「困った時は、助け合うのが当然だ」その言葉に、クロは改めて感動した。自分たちは、一人じゃない。世界中に、仲間がいる。「さあ、反撃だ」アレックスが構えを取る。「俺たちの力を見せてやろう」300人の異常演算者が、組織的に動き始めた。アレックスの指揮の下、完璧な連携を見せる。「第一部隊、政府軍の右翼を叩け」「第二部隊、アビス機関の左翼を」「第三部隊、戦艦への対空攻撃」的確な指示が飛び交い、敵を圧倒していく。「すごい……」サクラが感嘆する。「あんなに完璧な指揮……」「経験の差だな」ジンが分析する。「彼らは、長年戦ってきた」「僕たちとは、実戦経験が違う」クロたち12人も、攻撃に参加した。「行くぞ、みんな」「ああ」12人が再び円陣を組む。「《究極共鳴・虹光極大爆発》!」虹色の巨大なビームが、敵陣に向かって放たれた。政府軍の装甲車が次々と破壊され、兵士たちが逃げ惑う。「うわああ!」「化け物だ!」「こんなの相手にできない!」士気が完全に崩壊していた。「撤退!撤退だ!」現場指揮官が叫ぶ。「全軍、撤退しろ!」政府軍が慌てて後退を始める。しかし、アビス機関は違った。「逃げるな、愚か者ども」指揮官が冷た
last updateLast Updated : 2025-10-08
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