政府軍の破壊光線が、10人の防御壁に激突した。地鳴りのような爆音が響き渡り、基地全体が激しく揺れる。巨大なエネルギーのぶつかり合いに、空間そのものが歪んでいた。「うおおおおお!」クロが必死に雷の壁を維持する。しかし、政府軍の攻撃は想像以上の威力だった。虹色の防御壁が、少しずつひび割れていく。「やばい……持ちこたえられない……」カイが歯を食いしばる。異常演算が弱体化している今、10人の力を合わせても限界がある。《防御壁強度、65%まで低下》ゼロの警告が響く。《このままでは、あと30秒で突破される》「くそっ……」ジンも額に汗を流している。完璧な制御を誇る彼でも、この状況では苦戦していた。「もっと力を……」サクラが必死に魔力を送り込もうとする。しかし、すでに限界に近い。「無理しちゃダメ」ミナが止めようとするが、サクラは諦めない。「でも……基地の人たちが……」地下シェルターには、まだ多くの職員が避難している。この防御が破られれば、全員が危険にさらされる。「俺が……俺がもっと頑張れば……」クロが自分を責める。力不足で仲間を、基地の人たちを守れない。その悔しさが、胸を締め付けた。《防御壁強度、50%まで低下》《突破まで、あと20秒》絶望的な状況。しかし、その時――「クロ」リアが静かに声をかけた。「一人で背負わないで」「リア……」「私たちは家族でしょう?」少女の言葉に、クロの心が少し軽くなった。「そうだよ」マ
Last Updated : 2025-09-25 Read more