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新たなる脅威

Author: 吟色
last update Last Updated: 2025-10-02 08:00:00

アビス機関の男が手を上げた瞬間、基地全体が異様な圧力に包まれた。

「ぐ……」

クロが膝をつきそうになる。

これまで経験したことのない、重圧。

まるで、空間そのものが押し潰そうとしているかのようだった。

《警告:未知の異常演算パターン検出》

ゼロの声にも緊張がある。

《データベースに該当なし。危険度、測定不能》

「測定不能って……」

クロが歯を食いしばる。

政府軍との戦いでは、ゼロは常に的確な分析を提供してくれた。

しかし、今回は違う。

完全に未知の領域だった。

「これが真の異常演算か……」

ジンも額に汗を流している。

完璧な制御を誇る彼でも、この圧力には抗えない。

「君たちの力、確かに興味深い」

アビス機関の男が冷静に分析する。

「10人の共鳴による出力増幅……理論上は可能だが、実現例は稀だ」

「でも、所詮は表層的な技術」

男が指を鳴らすと、圧力がさらに強くなった。

「うあああ!」

サクラが倒れそうになる。

「サクラ!」

クロが支えようとするが、自分も立つのがやっとだった。

「これが……アビス機関の力……」

カイも膝をついている。

「強すぎる……」

ミナも必死に抵抗するが、体が言うことを聞かない。

新加入の3人は、さらに深刻だった。

「僕……もう……」

レオが完全に倒れ込む。

リアとマルクも、立っていられない。

「くそっ……」

クロが拳を握りしめる。

「こんなところで……」

その時、基地から新たな人影が現れた。

ルーク司令官とエリス・ノヴァ、そして他の異常演算者たち。

「子供たち
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