All Chapters of 始まりは婚約破棄~王弟殿下の溺愛~: Chapter 31 - Chapter 40

58 Chapters

侍女サリーの執着は…

ノリスから連絡が入る。殿下の部屋に侵入した者を捕らえたと。急いで奥様に報告し、その場に駆け付ける。ノリスが捕らえていたのは、奥様付きの侍女、サリーだった。「サリー、あなただったのね」奥様が言う。サリーは青い顔をして俯いている。「事情があるなら話してちょうだい」奥様が毅然と言う。サリーが言う。「確かにロザリー様からタイとカフスボタンを持って来るように言われました」そう言うサリーの手元には殿下の着古しのシャツが握られていた。「ではそれは?」私が聞くとサリーが俯いて震えながら言う。「昔から殿下の事をお慕いしておりました……だから殿下のお部屋に入れる事が嬉しくて……殿下が身に付けていた物に触れる事が出来て嬉しくて……少しでも殿下を近くに感じたくて……」サリーが床に伏す。「申し訳ございませんでした……」由々しき事態だ。「残念だけど、あなたの部屋も調べさせます」奥様が毅然と言い、ノリスに頷いて見せる。ノリスがすぐに部屋を出て行く。サリーは顔を上げて言う。「あの、それは……」その反応を見るに恐らくは他にも殿下の物を自分の部屋に持ち込んでいるのだろうと察する事が出来た。「奥様、どうなさいますか?」聞くと奥様は少し考えて言う。「このままサリーをここに置いておく訳にはいかないでしょうね。テオの私物を部屋に持ち込む事も許されない事なのに、それを屋敷の外の人間に渡したとなると、それはもう窃盗になるから」サリーが顔を青くする。「この事はテオに報告をして、指示を扇ぎましょう。私が無闇に侍女を罰する訳にはいかないでしょうから」サリーが奥様に縋り付く。「殿下には!……殿下には言わないでください……」奥様はしゃがみ込んでサリーを見る。「あのねサリー、そういう訳にはいかないのよ。想いを寄せる事は別に良いの。テオがそれだけ魅力的だという事だもの。問題なのはあなたが外部の人間にテオの私物を渡した、という事なの。もっと言ってしまえば、あなたがテオの私物を自分の部屋に持ち込んだとしても、私はあなたを罰するつもりは無いわ。テオは魅力的な人だからそれは仕方ない事だもの。私にも分かるわ、想いを寄せる人の使ったもの、触れたもの、身に付けたものに触れたい気持ち。だからこの屋敷の侍女の誰かがテオの私物を部屋に持ち込んでいたとしても、咎めたりはしない。でもそれはテオが一番
last updateLast Updated : 2025-08-14
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媚薬に蝕まれた夜

仮面舞踏会の会場は妖しい雰囲気だった。ムスクの噎せ返るような香りが充満している。わざと照明を暗くして雰囲気を出している。その場に居る男は皆、正装をしているけれど、女は皆、娼婦のような格好だ。不意に腕を掴まれる。見ればそこには赤髪の女。瞳は燃えるような赤。すぐにマクミラン嬢だと分かる。「何だ」言うとマクミラン嬢は微笑んで言う。「主催者としてきちんとおもてなししますわ」そう言うとマクミラン嬢は俺を奥へ誘う。溜息をついて付いて行く。通されたのは豪奢な一室。この為に用意でもしたんだろう。「まずは乾杯しましょう」マクミラン嬢がグラスにワインを注ぐ。グラスを渡されてグラスを合わせる。「乾杯」マクミラン嬢が一気に飲み干す。飲むか飲まないか迷った。「怖気付いているのですか?」そう言われて俺は笑ってそれを飲み干す。飲んだ瞬間に分かった。これは、媚薬入りだと。「媚薬か」マクミラン嬢は既に頬を染めている。「下らん」そう言ってグラスを投げ捨てる。グラスが音を立てて割れる。マクミラン嬢が俺に身体を擦り付けて来る。「この媚薬は強力なんです。テオ様だって……」俺はマクミラン嬢を振り払う。「俺に媚薬は効かん」マクミラン嬢が叫ぶように言う。「そんな筈ないわ!」俺はマクミラン嬢を見下ろして言う。「どんな媚薬を持って来ても無駄だ。それよりも。この俺に媚薬と言えど薬を盛ったんだ。この意味が分かるな?」マクミラン嬢は息を切らしている。媚薬が効いているのだろう。「今日のところは失礼する。が。自分がした事を努努忘れるなよ」◇◇◇部屋を出てしばらくして、息を切らして倒れかかる。媚薬が体中を巡っている。今この状態で誰かに出くわすのはマズい。理性が働いているうちに、最低でも馬車までは戻らないと。体中が熱くなる。息を切らして、とにかく馬車まで、そう思った時だった。「テオ!」背後から呼ばれて俺の体が反応する。息を切らして振り向くとそこにはジルが居た。ジルが俺に駆け寄って来て壁に寄りかかっている俺を支える。「ジル、何でここに……」ジルは俺を支え言う。「マドラス卿にお願いしました。何とか潜り込めるように取り計らってもらったのです」俺を支えるジルを良く見れば、あられも無い格好をしている。「何て格好を……」息を切らしてそう言う俺にジルは顔を赤くして言う。「目立
last updateLast Updated : 2025-08-15
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最後の言葉

「あぁ、熱い……」押し込んで押し付けて言う。ジルはガクガクと身体を震わせて俺にしがみつく。「もう、ダメ……イッ……」途端にジルの身体がガクンと跳ねて脱力する。達したのだ。挿れられただけで。ビクビクと身体を震わせているジルを見ると止められない。「すまん、ジル、もう無理だ……」そう言ってガンガン突き上げる。強烈な快感に蝕まれていく。「あぁ、ジル、愛してる、愛してる……俺の、ジル……」ガンガン突き上げながら熱に浮かされたように呟く。媚薬に飲まれていく。貪るように口付けて昇り詰めて行く。唇を離してジルを抱き締め、突き上げながらジルの耳元に顔を埋める。「あぁ、ジル、出すぞ……ジルの中に……!」ジルは俺にしがみついて言う。「あっ、出して、テオ、テオの、欲しいの……熱いの、出して……!」ジルの言う卑猥な言葉を聞いて、背筋がゾクゾクする。「あぁっ!イクッ……!」ジルの一番奥にそれを押し付ける。熱い飛沫が噴き出す。「あぁっ……熱い、テオの……」ジルは呟くようにそう言うと身体を仰け反らせる。ビクンと身体が跳ねてビクビクと甘く痙攣する。キュウキュウと俺を締め付けて、まるでおねだりをするように中が甘く痙攣している。息を切らしてジルに口付ける。舌が絡み合い、頭の芯が痺れる。媚薬の効果が切れていてもおかしくないのに、俺のそれは萎える事は無い。◇◇◇何度、身体を重ねただろうか。何度達しただろうか。どれくらいの時間が経っただろうか。強力な媚薬とは言っていたが、これ程とは。峠を越えたのか、やっと身体の熱さから解放される。辺りを見回す。良かった、水がある。俺は立ち上がり水を飲む。グラスに注いでジルの元へ持って行く。「ジル、水だ」言うとジルがヨロヨロと体を起こす。グラスを渡しジルを支える。グラスの水を飲み干すとジルが俺に寄り掛かる。「大丈夫かい?」聞きながらジルの肩を撫でる。「帰りたいです……」そう言われて俺は頷く。「そうだな、帰ろう」◇◇◇身支度を整える。ジルのあられもない格好を改めて見る。何て破廉恥な…そう思うと共にどこかでまた見たいと思ってしまっている自分が居た。マントでジルを覆い、抱き上げる。ジルは俺の首に手を回して俺に寄り掛かる。部屋を出て歩き出す。どうやらまだ仮面舞踏会は続いているようだった。長い廊下を歩く。「テオ様!」呼び止められて
last updateLast Updated : 2025-08-16
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媚薬の余韻はお風呂の中で

そう言われて笑う。「そうか」ジルを包んでいたマントの端がスルッと落ちる。ジルの破廉恥な格好が視界に入る。マントを戻す。「テオ」呼ばれてジルを見る。「ん?」聞くとジルは恥ずかしそうに聞く。「この格好、どうですか?」そんな事を聞かれるとは思っていなくて、ドキッとする。「すごく綺麗だよ、見た瞬間に襲いかからなかった俺を褒めて欲しいくらいだ」ジルが俺を見上げる。「好きですか?こういう格好……」頬を染めてそう聞くジルが堪らなく可愛い。「ジルはどんな格好をしていても可愛いよ、まぁでも普段とは違って、こんな格好をされると煽られるがな」ジルが俺の頬に口付けながら囁くように言う。「ならたくさん着ないと」顔をジルに向けて口付ける。マントの中へ手を入れ、乳房を揉む。「ん……」口付けながらジルが声を漏らす。「あまり煽るな、屋敷まで我慢出来なくなる」◇◇◇屋敷に戻って部屋に入る。ジルをベッドに寝かせる。人払いをし、マントを剥ぎ取る。ジルに覆い被さりその胸にしゃぶりつく。媚薬の効果は切れているのに身体がまた熱くなる。何度も達しているせいか、ジルの中はトロトロに溶けている。「まだこんなに濡れているのか」中を掻き混ぜながら言う。ジルは身体を仰け反らせ、言う。「テオ、お風呂に……」少し笑って言う。「そうだな、風呂に行こう」ジルを抱き上げて風呂に行く。「脱がないのですか?」ジルに聞かれて俺は言う。「脱がせるのはもったいないな」そう言って俺だけ裸になる。風呂の石畳の上に座り言う。「おいで」ジルが俺に跨り、立膝になろうとする。ジルの膝に傷が付かないように膝の下にタオルを入れる。ジルを見上げながら中に指を入れ愛撫する。ジルは俺の肩に手を置き顔を背けて愛撫に耐えている。「入れてごらん?」言うとジルが腰を落とす。ズブズブと中に入っていく。ジルの腰を掴んで引き寄せる。「あぁ、奥まで入ったよ……」ジルは身体を震わせながら俺にしがみつく。「腰を振って」言うとジルが腰を振る。キュウキュウと締め付けてくる快感に耐える。「こうすると、当たるの……一番気持ち良いとこが擦れてる……」ジルが言う。「あぁ、分かるよ、ジルが擦り付けてるの」ジルは腰を振りながらビクビクと身体を震わせる。「あぁ、漏れちゃう……」ジルが上擦った声で言う。「良いよ
last updateLast Updated : 2025-08-17
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おぞましい過去

「今日飲まされた媚薬は強力だった、もしあの場にジルが来なかったら、俺は傷だらけになっていたかもな」そう言って笑うとジルが俺を見上げて抗議するように言う。「笑い事ではありません」ジルが俺に寄り添う。「俺はジルに救われたんだ。ジルはいつも俺を救ってくれる」ジルの頬を撫でる。「俺が窮地に立つと俺の所へ来て救ってくれる女神だ。俺を暗く深い沼の底から救い出してくれたのも、媚薬の深海から救ってくれたのも君だ、ジル」ジルを抱き締める。「ジルはその存在だけで俺の救いなんだ。だから俺は全身全霊でジルを守るよ。全身全霊で君を愛す」その日の夜はジルを抱き締めて眠った。愛しい人、俺は果報者だ。◇◇◇翌朝、部屋に朝食を運ばせる。朝食を食べながらジルが言う。「テオに報告しておきたい事があります」ジルを見る。「ん?何だい?」聞くとジルが言う。「先日、マクミラン家のお茶会に行きました」そう聞いてあの話かと思う。「うん」コーヒーを飲む。「その時にマクミラン嬢にお話があると言われてお部屋に通されて。マクミラン嬢はテオと懇意にしていて、逢瀬の時に忘れて行ったものがあるから返しておいてくれと、タイとカフスボタンを見せられました」ジルを見る。ジルは微笑んでいる。「で、君は何て返したんだい?」聞くとジルは微笑んだまま言う。「忘れ物の回収は私の務めでは無いので、本人に直接返すように言いました」俺は笑う。きっとあの女狐の腸は煮えくり返っていただろう。「それで?」ジルは溜息をついて言う。「問題はこれからです。貴方はタイもカフスボタンも外では外さない。だとするならば、この屋敷から持ち出されたという事」パンを口に放り込む。「そうだな」言うとジルが続ける。「マクミラン家の間者が居る、という事になる。なので突き止めました。正確には突き止めて頂いた、と言うべきでしょうか」ジルが微笑んでいる。俺が手を貸した事に気付いているようだ。「昨日、その者の身柄を拘束しました」昨日は色々あって、その報告は受けていない。「誰だったんだ?」聞くとジルが溜息をつく。「サリーです、私付きの侍女の」サリー?サリーと言われてパッと浮かんで来ない。「それで……」ジルが言い淀む。「どうした?」聞くとジルが言う。「サリーなんですけど、ちょっと問題があって……」ジルが
last updateLast Updated : 2025-08-18
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収束……そして視察へ

「だからあの時、ジルが躓いて転んだ時、俺は手を差し伸べた。俺の手を取ってくれと願ったんだ。君を抱き寄せて口付けた時、全てが変わった。俺の世界はそれまで灰色だったんだ。君と口付けた時から俺の世界に色が宿った。口付けた瞬間にこれが運命だと、君が運命の人だと直感した」ジルに微笑む。もう吐き気は無い。「俺は君以外の女が嫌いだ。君以外の女が俺に触れる事すら嫌悪する。でもジル、君だけは違う。君だけは特別なんだ」俺はコーヒーを一口飲む。「だからサリーは粛清する。そしてマクミラン家も潰す」ジルが聞く。「潰すのですか?」俺は笑う。「あぁ、潰す。大きな家門だろうと関係ない。王族に薬を盛ったんだ。潰さなければいけない。これを許したら示しがつかない」ジルが複雑な顔をしている。「前にそうなった時に潰しておくべきだったんだ。あの時は俺に力が無かった。だが今は違う」俺は背伸びをして言う。「その旨の書簡は兄上に今朝一番で送ったよ」ジルは困ったように微笑んでいる。「ジル」呼びかける。「今日は二人でゆっくりしよう」微笑むとジルも微笑む。「そうですね」食事を片付けさせ、ベッドに寝転がる。ジルはベッドの上に足を投げ出して座る。ジルの膝の上に頭を乗せる。こんなにも心穏やかになれる、無防備になれるのはジルの前でだけだ。ジルは俺の頭を撫で、髪を梳く。◇◇◇テオの髪を梳きながら私は思っていた。テオにそんな過去があっただなんて、知らなかった。きっと揉み消されたに違いなかった。ロレッタという女性の事は初耳だ。マクミラン家にはそんな汚点があったなんて。テオが17歳の時だった、という事は今から18年も前の事になる。きっとものすごく怖かっただろう。女性が嫌いになるのも仕方ない事だ。テオが女性を寄せ付けないのにはそんな理由があったのだ。そして。私に自分の想いをぶつけるくらいなら死んでも良いとさえ思っていたという。そう思うと切なくて悲しくて、泣けてくる。ポロッと涙が落ちる。テオがそれに気付いて聞く。「何故、泣く?」テオの温かい手が私の頬に触れる。「私、何も知らなくて……」◇◇◇涙をポロポロと零すジルを見て身体を起こしてジルを抱き締める。「知らなくて当然だ」ジルの背中を撫でる。「良いんだ、過去の事はどうでも良い」ジルが俺の首に手を回して抱き着く。「テオが死ななくて良
last updateLast Updated : 2025-08-19
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テントの外で……

一日目、王都の東端の宿に予定通りに到着する。「王都の東端に来るだけでも一日かかるのですね」簡素な宿で簡素な食事。それでもジルと居れば何でも良かった。小さなベッドに二人で入る。「おいで」ジルを抱き寄せる。ジルが俺の胸板に頬擦りする。ジルの身体を撫で、服の下に手を入れる。「ダメ、です、テオ……」ジルが言う。俺はジルに耳元で囁く。「壁が薄いから声を出すなよ?」そう言って俺はジルに覆い被さり、そこに指を入れる。「……!」ジルが身体を仰け反らせる。中は柔らかくヌルヌルと濡れている。俺は焦れて自分のものをその中に押し込む。「……あっ……!」ジルが小さく声を漏らす。「ダメだよ、ジル、声を出したら」ジルが俺にしがみついて甘く息を切らす。俺は息を切らし、息を詰まらせ、高みに昇っていく。「あぁっ……ジルっ……!」ジルを抱き締める。衣擦れの音とベッドの軋む音、甘い吐息で部屋が満たされる。頭の芯が痺れる。ジルの一番奥に押し込んで呻く。「あぁ……」ドクンと熱い飛沫が噴き出す。ジルはガクガクと身体を震わせる。中がキュウキュウと甘く痙攣する。◇◇◇二日目の日程も予定通りに進んだ。「二日目は夜営になる」俺が言うとジルが聞く。「夜営というのは?」そうか、と思う。「ジルは夜営の経験無いよな。夜営というのはテントを張ってそこに陣を張る事を言うんだ。まぁ今は軍隊を率いている訳では無いから野営と言うべきか」すると外で警護していた騎士が言う。「殿下、この辺りでいかがでしょうか」俺は馬車を停めさせ、馬車を降りて辺りを見回す。「あぁ、この辺りで良いだろう。首尾よく行動しろ」◇◇◇テントが張られる。ジルは目を白黒させている。初めての経験なのだ、それも仕方ない。俺はそんなジルを見て微笑む。可愛い事この上無い。「ここからまた一日かけて東端へ?」ジルに聞かれて頷く。「そうだよ」ジルは地べたに敷物の上に座ると言う。「そこからまた三日かけて戻るんですものね、視察と言えど大変だわ」俺はジルの隣に座り、ジルを持ち上げて俺の膝の上に座らせる。ジルが不思議そうに俺を見る。俺は笑って言う。「ジルを地べたに座らせるなんて、俺には無理だ」ジルは笑って聞く。「貴方は良いの?テオ」俺は膝の上に乗せたジルの腰を抱く。「俺は良いんだ。慣れている」ジルが聞く。
last updateLast Updated : 2025-08-20
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ルーシー・ステリアン

俺は自分のものをジルのそこに押し込む。「……!」尿意を我慢しているからなのか、中はキツキツでキュウキュウと俺を締め上げている。ジルは木に手を付いて体をビクビクと震わせている。優しく突きながらジルの突起を撫でる。「あぁ……ダメ……」ジルが力無く言う。ダメ押しに俺はジルの尿道を軽く刺激する。「あぁ……漏れ、ちゃう……」指先に温かい液体がじんわりと伝わる。あぁ、ジルが漏らしている…。俺の手にそれがかかっている……。一度漏れだしたそれは止まらず、少しずつその量が増える。俺は堪らずジルに腰を打ち付ける。ジルは漏らしながらガクガクと身体を震わせ既に達している。「あぁ……!出すよ……ジル、お漏らししてるジルに、出すっ……」腰を一番奥に押し込んで熱い飛沫をジルの中に浴びせる。その瞬間、ビシャッとそれが勢い良く噴き出してジョロジョロと地面に落ちていく。あぁ何ていやらしいんだ。俺に突かれながらお漏らしをし、中に出されてガクガクと身体を震わせながら垂れ流す様にゾクゾクした。◇◇◇身体を綺麗に拭き、着替える。ジルは恥ずかしそうにしている。そんなジルを抱き寄せる。「恥ずかしかったかい?」聞くとジルは俺の胸板に頬擦りして頷く。「はい……」俺は微笑んでジルの頭を撫でる。「全部見たいんだ。ジルの全部。だから恥ずかしがらないで良いよ」ジルが俺の胸に顔を埋めたまま言う。「私も全部見たいです……」そう言われてドキッとする。「俺のしてるとこが見たいのか……?」ジルは顔を埋めたまま頷く。そう言われるとは思っていなくて、動揺する。「ダメ、ですか?」ジルが俺を見上げる。俺はその顔を見て言う。「良いよ、ジルが見たいなら」◇◇◇地べたに置いた簡素な寝具。俺はそこに横になり、ジルを抱き寄せて俺の上に乗せ抱き締める。「このまま眠るのですか?」ジルは俺の上で聞く。「そうだよ。ジルを地べたには寝かせられない。俺が嫌なんだ。だからこうして俺が抱いててやる」◇◇◇翌朝、目が覚めると上から声がする。「おはよう、起きたかい?」低くて艶やかな優しい声。見上げるとテオが微笑んでいる。「おはよう、テオ……」テオは宣言通り、一晩中私を上に乗せて眠ったようだった。「重くは無かったですか?」聞くとテオは笑う。「重くなんか無いさ。ふわふわしてて柔らくてずっと抱いていられ
last updateLast Updated : 2025-08-21
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護衛騎士

「キツくは無いですか?」聞くと妃殿下は微笑んで私を見る。「大丈夫よ」同じ女なのにここまで違うのかと思う。いや、自分は自ら望んで騎士になったのだ。妃殿下はひらりと身を翻して小さな椅子に座り、髪を梳く。あぁ、あの髪を結いたい。許して貰えるだろうか。「妃殿下、あの……」言うと妃殿下が振り返り聞く。「何かしら?」勇気を振り絞って言う。「髪を結わせて頂けますか!」妃殿下はふわっと笑って言う。「えぇ、お願い」妃殿下に近付いてその髪に触れる。あぁ、何て柔らかいんだ。亜麻色の長く美しい髪。櫛で梳かして、ずっと思い描いていた髪型に編み込んで行く。「上手なのね」妃殿下が言う。恐れ多い事だ。「あ、いや、あの、自分はこんな短髪ですので、髪をいじったりは出来ませんが…髪を結うのが好きなんです……」あぁ、言ってしまった。妃殿下の前に鏡が無くて良かった。自分でも顔が真っ赤だろうなと思う。もう勢いついでに言ってしまおうと思い、聞く。「あの、妃殿下、その、髪飾りを付けても?」妃殿下は微笑んで言う。「えぇ、好きなのを使って」私は髪飾りが入っている箱を見て考える。これならきっと、そう思い、それを取り出して妃殿下の髪を編みながら編み込んで行く。髪を止め、リボンで結ぶ。ふぅーと息を吐いて、妃殿下に手鏡を渡す。「どうぞ」そして少し大きめの鏡を持ち、妃殿下に聞く。「どうでしょうか」妃殿下は手鏡に映る髪型を見て言う。「素敵だわ。とても素敵」そして振り返って私に言う。「ねぇ、あなた、私の侍女にならない?」急に言われて混乱する。「いや、あの、えっと、自分は侍女だなんて、平民の出ですし、貴族のマナーや教養もありません」そう自分で言っていて思う。そうだ、私は平民だ。貴族とは住んでいる世界が違う。剣を振るうのが好きで、女としてはかなり人とは違った生き方をして来た。懸命に努力して騎士団に入り、戦場にも出て戦果を上げ、第一騎士団に入った。第一騎士団ではまだまだ精鋭部隊には配属されてはいなかったが、そこを目標に頑張って来たのだ。俯いたまま言う。「自分は騎士です、どこかのご令嬢のように、たおやかに振る舞う事は出来ません。…ヒラヒラした服も見るのは好きですが、自分が着たいと思った事もありません」せっかく妃殿下が提案して下さっているというのに、自分は……。そう思っていると
last updateLast Updated : 2025-08-22
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護衛騎士任命

「テオ!」日程と道行を確認していると、ジルの声がする。振り返るとジルがルーシーの手を引いて小走りにやって来る。どうやらルーシーが気に入ったようだ。俺の前まで来るとルーシーの手を離し、俺に飛び付くように腕の中に収まる。「どうした?」抱き留めて聞く。ジルは俺を見上げて言う。「ルーシーを私にくださらない?」そう言われて笑う。周りに居た騎士たちも頭を下げながらニヤついているのが分かる。「ルーシーをジルに、かい?」聞くとジルは真面目な顔で言う。「えぇ。護衛騎士として傍に置きたいの」思った通りだ。「ジルが欲しいと言うなら仕方ないな」そしてルーシーを見ずに言う。「ルーシー・ステリアン、我が妻、ジルの護衛騎士になるとなると、お茶会や夜会などにも同行して貰う事になる。それなりのマナーや教養を身につける為の訓練もしなくてはいけないが、騎士団の仕事もある。やれるか?」ルーシーは片膝を付いて言う。「妃殿下の為にこの身を砕いてでも」ジルはキラキラした瞳で俺を見上げている。「ふた月だ」ジルがハッと悟って言う。「テオ!」まるで咎めるような声。俺はジルの頬を撫でる。「大事な妻の護衛騎士になるんだ、ふた月で形にしろ」言うとルーシーが言う。「御意」ジルの髪型が綺麗に編み込まれている。それに触れて言う。「今日の髪、とても素敵だ」ジルが嬉しそうに言う。「ルーシーが編んでくれたのよ?」俺は感心する。「ほぅ、こんな特技があったとは」ルーシーは頭を下げているが、耳まで真っ赤だった。「ルーシーを連れて行っても良い?」ジルは無邪気に言う。その無邪気さを愛しく思う。「あぁ、良いよ」ジルは俺の頬に口付けて言う。「ありがとう」そしてひらりと身を翻してルーシーの手を取ると走り出す。ルーシーはジルに引きずられるように付いて行く。その様子がとても微笑ましかった。「いやぁ、愛らしいお方だ」参謀の一人であるマクリーが言う。俺も笑う。「あぁ、いつでもジルは愛らしいよ。あの無邪気さを守ってやらなくては」◇◇◇テントにルーシーを入れる。「私付きの護衛騎士ならば、うちの屋敷に貴方のお部屋をあげなくちゃね」ルーシーは目を白黒させてあわあわしている。「そんな、妃殿下の御屋敷に部屋だなんて……!」私は笑って言う。「だって私が呼んだらすぐに飛んで来なくちゃ
last updateLast Updated : 2025-08-23
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