東京スカイツリーといえば、東京の新名所として知られていますね。 展望デッキから百メートル上。 地上より四百五十メートルの高さにあるパノラマ展望台「天望回廊」は日本中で有名ですよね。 ゆるやかなスローブを渡りながら、スカイツリーの周囲三百六十度を見下ろすことができます。 東京の街並みから東京湾。 遠くは富士山も眺めることができます。 翌日の昼頃のこと。 この天望回廊に、獅子内記者はじめ特別対策会議に参加したメンバーが集合していました。 総勢五十名あまり。 彼らから離れ、あごにヒゲを生やした紳士が展望台からスカイツリーの周囲の光景を見下ろしていました。会議前に獅子内記者に声をかけた人物です。 胸のところで腕を組み、全く動きません。息もしていないように見えました。 地上四百五十メートルの展望台から見える東京の街並みは、そこが車と人で溢れたゴミゴミした場所であることを忘れるくらい美しいのです。だがこの紳士は、少しも展望台からの景観に興味はないように思えました。「ただね。獅子内君」 野田代表がこっそり遠慮がちに尋ねたのです。「確かに君の言う通り、常識は覆されるものだがね」 そう言って、紳士に目を向けます。「どうしても信じられないんだがね。あの人が……」 野田代表が声を落とします。「聖徳太子だとはね」 聖徳太子と呼ばれた紳士が、フーッと大きくため息をつきました「獅子内君。こちらへ」 獅子内記者が駆け寄ると、ニッコリ笑って二枚の紙を渡しました。「野田氏、大島氏のおふたりに贈り物だ。わたしの自己紹介代わりだ」 聖徳太子の差し出した紙にはなにかメモが書かれていました。 受け取ったふたりは呆然と立ち尽くしました。「ど、どうしてこのことを?」「絶対に知られることはないと?」 野田、大島両氏は声を振り絞りました。「一を聞いて十を知る。わたしの仕事だ。なんならそのメモに書いた君たちふたりの秘密を、獅子内君に伝えようか?」 聖徳太子の言葉に野田代表は、「わ、わわわわわわ、わたしはぜんぜん疑ってませんでした」 大島代表も真っ青な表情で、「わたしもです」 聖徳太子は、もうふたりには注意を払いませんでした。 石田総理大臣をはじめ、集まったメンバーに向き直りました。「霊視の結果を申し上げます。間違いありません。マハー
ปรับปรุงล่าสุด : 2025-08-12 อ่านเพิ่มเติม