そんな不甲斐ない自分に落ち込みながら、あたしはトボトボと肩を落として帰宅しようと会社の廊下を歩いていると。たまたま会議室から出てきたある人と鉢合わせする。「あら。お疲れ様」「あっ、お疲れ様です」その人は、今まさに話題になっている藤代さんだった。なんかこの人とは、気まずいとこばっかりで会っちゃうな……。でも特に話すこともなく、「失礼します」と伝えて、その場を去ろうとすると。「ねぇ、ちょっと待って」なぜか藤代さんに背後から呼び止められる。「はい?」「今日この後、予定ある?」と、なぜかこの後の予定を聞かれる。「えっ、いえ、特には……」「そう。なら、この後、付き合ってくれない?」「え!?」藤代さんのその言葉の意図がわからず思わず聞き返す。「ご飯ご馳走するわ。一度あなたとゆっくり話がしたかったの」「えっ? はぁ……」ますます意味がわからない。だけど、まっすぐにあたしを見つめてくる藤代さんになぜか断ることが出来ず、あたしは「はい」と頷いていた。それから藤代さんに連れてきてもらった場所は、ちょっとした和食の料亭。VIPが行きそうな奥の個室へと案内され、テーブルを挟んで向かい合わせに座る。うわ~なんかめちゃ高そうな店だけど。こんなとこ、ご馳走してもらっていいのかな。てか、なんで ご馳走してくれるのか全然わかんないけど。「好き嫌いはある?」「いえ。なんでも食べられます」「そう。じゃあ、ここのおすすめのコースでもいいかしら?」「はい」そして料理も藤代さんにお任せして、あたしはただどうしていいかわからずいると。「フフ。なんだか落ちつかないみたいな表情してるわね」「あっ、いえ。はい」わかりやすくそれが出ていたのか、そのままのことを藤代さんに指摘される。だけど、やっぱりここにいる理由がわからず。「あの、今日はどうして誘っていただいたんでしょうか……?」と、藤代さんに尋ねてしまう。
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