บททั้งหมดของ 帰る日はなく: บทที่ 21 - บทที่ 25

南緒が病室に入ると、礼瑠はベッドの頭にもたれかかり、窓の外をぼんやりと見つめていた。物音に気づくまで、彼は首を動かすことすらなかった。一人で来た南緒を見つけ、礼瑠の目に一瞬、光が差し込んだ。「南緒……自分から会いに来たのか？やっぱりわざと俺を苛立たせてるんだろう。心の奥では、まだ俺を想ってるんだろう……」しかし、次の瞬間、南緒はその幻想を打ち砕いた。「おばさんに言われて来ただけだ。時雨は駐車場にいる。すぐに上がって来る」その言葉を聞き、礼瑠は膝の上に垂れた両手をぎゅっと握りしめ、胸の焼けるような痛みに耐えながら、低い声で問い詰めた。「もし母が行かせなかったら、来なかったのか？南緒……本当に後悔してるんだろう。あの告白の手紙は何度も読んだ。十年間も一緒にいたのに、どうしてもう一度チャンスをくれないんだ？」南緒は、真由美が自分を呼んだ理由が、礼瑠の世話だけではないことを理解していた。真由美は礼瑠の心の内を知り、南緒の決然さも知っていた。それでも家族愛を盾に、彼にもう一度チャンスを与えようとしていた。たとえ南緒が多くの苦しみを受けてきたことを知っていても……だからこそ、今日、南緒が来ることを承諾したのは、礼瑠にはっきり話すためだった。「一条礼瑠……あなたは私が好きだと言った。でも私が酒を飲めないのに無理やり飲ませた。夏川が私を犬と一緒に閉じ込めたとき、何も考えず責めて私を謝らせた。私の告白の手紙が見つかったときには、あいつらと一緒に私を辱めた。おかしいのは、こんな扱いを受けた理由が、ただ私があなたを好きだったからだなんて。あなたはこれを全部、私にあなたへの気持ちを諦めさせるためだと言ったけど、諦めさせる方法はいくらでもあったんじゃないの？」南緒は、言っている途中で涙が出るかもしれないと思っていた。しかし今になって気づくと、彼女の心はすでに整理されていた。「実は、あなたが夏川を連れてきたとき、私はもうあなたを好きでいるのをやめたの。私の愛は、あなたが思ってるほど執着していなかった」その言葉を聞き、礼瑠の目にあった希望は完全に消え、顔色は灰色に変わった。過去の場面が脳裏に浮かび、胸の奥に刃が突き刺さるような痛みが走った。「南緒……俺が間違ってた。本当に間違ってた。こんなに辛い思いをさせ

「一条奥さん、どうやら状況がわかってないね。息子さんのせいで、俺の祖母が手術室に入った。俺はただ彼を近づけさせないようにしただけだ」時雨は怒りを抑え、南緒を自分の後ろに守った。真由美は途中でこの事実を知っていた。理性では息子が間違っていると分かっていたが、感情が先立ち、すべてを南緒に押し付けたくなったのだ。もし彼女がいなければ、息子は酔って入院することもなく、こんな騒ぎも起きなかった……「南緒、私は十年間あなたを育ててきたのに、それがあなたの恩返しなのか！」その言葉を聞き、南緒は手をぎゅっと握った。一条家に十年間育ててもらったからこそ、礼瑠に傷つけられても耐え忍んできたが、今、彼が宝来おばあさんを傷つけたから、もう我慢できなかった。「おばさん、私の養育の恩はずっと心に留めています。でも、礼瑠さんが宝来おばあさんを救急室に追いやった。だから、この件に関しては、自分が間違ってるとは思ってません」真由美はその言葉を聞き、瞬時に顔を曇らせた。その時、病室から看護師が出てきて、二人の口論を遮った。「患者さんが目を覚ましました。中に入って面会できますが、感情を高ぶらせないようにしてください」二人が病室に足を踏み入れた途端、宝来おばあさんは鋭い声で命じた。「時雨、跪きなさい！」時雨は二、三秒沈黙した後、宝来おばあさんの体を考慮して、病床の前に跪いた。南緒は昨夜、感情の起伏が激しく、一晩中眠れず、今も少しぼんやりしていた。時雨が跪くのを見て、やっと我に返り、宝来おばあさんに説得しようと近づいた。しかし口を開く前に、宝来おばあさんの目が赤くなった。「全部分かってるわ、南緒、辛い思いをしてたのね」南緒は一瞬戸惑い、誤解が解けたことを理解した。「おばあさん、私は辛い思いはしてません。時雨を責めないでください。婚約のことは自分から承諾したことです」しかし宝来おばあさんは、ボディガードに真由美と礼瑠を病室に入れるよう命じた。「南緒、たとえ時雨と結婚しなくても、あなたが幸せでいればおばあさんは嬉しいと。私のことは気にせず、行くも留まるも、あなたの決断を支持するわ」礼瑠はやっとボディガードの制止を振り切ったが、この言葉を聞き、期待に満ちた目で南緒を見つめた。その隣で跪いていた時雨は、彼らが入ってきた瞬間か