隆之と隼人は一秒たりとも無駄にはしなかった。ガイドから強力なライトと、森の奥深くでも通信可能な軍用トランシーバーを受け取った。二人はガイドに続き、前後に未知の危険に満ちた原始林へと断固とした足取りで踏み込んでいった。カフェの入り口に残された彰と陽向は並んで徐々に闇に飲み込まれていく二人の決然とした背中を見送り、心の中で尽きせぬ心配と最も敬虔な祈りを捧げた。カフェの外に急造された簡易指揮センターでは空気が重く張り詰めていた。彰は巨大な電子マップの前に立ち、救助隊の移動を示す点滅する赤い光点を見つめ、かつてないほどの苦悶に苛まれていた。生まれて初めて、愛する女性が危険にさらされているのをただ見ているしかなく、自分はここに立って、最も絶望的で無力な待機をするしかないのだ。隣の陽向を一瞥した。陽向は膝を抱え、隅の椅子にうずくまっていた。紗季によく似た顔には、心配と恐怖がありありと浮かんでいた。歩み寄って慰めようとしたが、どう声をかければいいのか分からなかった。この恋敵の子供と、どう接すればいいのか分からなかったのだ。陽向もまた、極めて警戒心に満ちた複雑な眼差しで、目の前のハンサムで優しそうだが、「ママを完全に奪うかもしれない」見知らぬおじさんをこっそりと観察していた。二人の男が互いを見つめ合い、気まずさは極点に達していた。だが、森の奥にいる紗季に対する言葉にできない共通の懸念が、見えない糸となって彼らを同じ重苦しい空間に縛り付け、未知の最終宣告を共に待たせていた。一方、森の深部にて。紗季は彼らが想像するほど恐怖に屈してはいなかった。何も見えない闇と濃霧の中で、その場で救助を待つのは死を待つのと同じだと知っていた。自力で助かるしかなかった。太い木の幹に寄りかかり喘ぎながら、恐怖で早鐘を打つ心臓を少しずつ落ち着かせようと努めた。――電波……普通なら森の中は低地で、電波が届きにくい。だがもし……少しでも高い場所へ、高台へ行けば、スマホが……あの命綱となる電波を再び捉えられるかもしれない。その考えは、絶望に覆われた心に射し込む一筋の光となった。スマホの画面の無視できるほど微弱な光を頼りに、足元の地形を子細に観察した。足元がおぼつかないまま、傾斜が比較的緩やかそうな、上り坂と思われる方向へ、困難な登攀
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