All Chapters of いつもあなたのそばにいたい: Chapter 21 - Chapter 30

52 Chapters

第21話 初対面

バタバタと洋服を選んで、メイクを直してヘアーを整える。 「うん、可愛い〜完璧!」と満足そうなヒロさん。 「ハア〜大丈夫かなあ〜」と私は浮かない顔をする。 「大丈夫! 何も心配いらないよ」とヒロさんは言うが、それでもやっぱり初めては不安しかない。 ぎゅっと抱きしめられる。 「大丈夫、大丈夫」 「うん、大丈夫」 自分を落ち着かせる。 ヒロさんが額にキスをしてくれる。 「行こうか?」 「うん。あっ、手土産何か買って行きたいんだけど」 「分かった、ありがとう」 ヒロさんに、手土産は何が良いかと聞いて、皆さんがティータイムに食べられるようなお菓子が好きなので、それが良いのではないかと教えてもらった。 デパートに寄ってもらったので、私の好きなティグレを見て、「コレどうかな?」とヒロさんに聞くと、「うん、喜ぶと思う」と言ってくれたので、 それを購入することにした。 ティグレは、フィナンシェやマドレーヌの生地に、 チョコレートを流し込んだ焼き菓子。チョコレートと生地との組み合わせがとても美味しいから好きなのだ。 ご実家の分と、家を出られるお姉様ご夫婦の分、 2つ購入することにした。 ヒロさんがお菓子の袋を持って車まで運んでくれる。 「ありがとう」 「ううん」 片方の手を繋いで、駐車場まで並んで歩く。 私はどんどん緊張が深まってきて「ふう〜〜」と深呼吸をする。 「大丈夫大丈夫」と言ってくれるヒロさん。 「うん」 ヒロさんのお宅は、都内だから、デパートから30分もかからない。 車中でも、私は緊張しっぱなしで、自分か
last updateLast Updated : 2025-10-07
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第22話 帰宅

ラブラブなまま、マンションに到着した。 私は、 「大変お世話になり、ありがとうございました」と、中村さんにお礼を言った。 「中村さん、ありがとう」とヒロさんも。 「では、私は、これで」と、もう一度お互い一礼して、私たちは車を見送った。 「行こうか」と、 「うん」やっぱり手を繋いで、マンションの中へ。 エレベーターが来て乗り込むと、また、ヒロさんは、私の髪に触れたり、ベタベタしてくる。 キスする勢いだったから、 「ダメだよ」と、先制攻撃をした。 「ふふ」と笑いながら、上を見ながら、階数を確認している。 ピーンと3階に到着した。 部屋までも手を繋いで歩く。 ようやく部屋の前に着いて鍵を開ける。 「どうぞ」と先にヒロさんを部屋の中に。 そして、私が入って鍵を閉めると、同時に、 後ろから抱きしめられた。 「ふふ、すると思った!」と言うと、 「じゃあ、コレは?」と、後ろから私の顎に手を伸ばし、振り向かせてキスをした。 このまま、治まる気配はない。 ぎゅっと抱きしめられて、 「ひまり」 「ん?」 「ひまりが欲しい」 それも想定内だ。絶対に言うと思っていた。 濃厚なキスをした時から…… 「うん」 私もお酒が入ったせいか、それとも何度もキスをしたせいか、そういう気持ちになってしまっている。 急いでパンプスを脱ぐと、そのまま抱き抱えられた。 ベッドへ直行だ。 「あ、ちょっと待って!」 もしかして、このままなら……ヤダ
last updateLast Updated : 2025-10-08
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第23話 出勤

目覚ましより早く目が覚めて、そっと起きた。 が、ヒロさんも起きた。 「おはよう」 「あ、おはよう! ごめん、起こしちゃった?」 「ううん、ちょうど起きた」 一度ヒロさんをぎゅっとしてから、ベッドから出ようとしたら、軽くキスされた。 「ふふ」 シャワーを浴びて、「お先に〜ヒロさんもどうぞ」と言うと、ヒロさんもシャワーを浴びに行った。 「あ、ヒロさんのもお弁当詰めたけど」と言うと、 「うわっ、嬉しい!」と喜んでいる。 「今日現場に出るの?」 「うん」 「なら、同じおかずでもバレないよね〜」 と、冷凍しておいたおかずをお弁当箱に詰めた。 同時に朝食用の卵とウインナーを焼いて、パンをトーストする。サラダとヨーグルトをお皿に盛り付けて、スタンバイ。 コーヒーだけは、簡易ドリップだが、カップにセットすると、「俺やろうか?」と…… 「助かる〜」コーヒー好きさんだから、お任せしよう。 ささっと、ご飯もお弁当箱に詰めて冷ます。 先に「食べよう」と、朝食を食べる。 「「いただきます」」 「う〜ん幸せ」と言うヒロさん。 「いつもは、もっと豪華なモーニングなんでしょう? ごめんね」と言うと、 「ううん、コレが良いの」と言う。 「ふふ」 ──好き 急いで食べて、身支度をする。 「洗っておくから支度しておいで」と、 「ありがとう」 ヒロさんが食器を洗ってくれた。 バタバタと用意して、 「出来た?」とヒロさん、 「うん、OK! はい、お弁当」と手渡す。 「ありがと
last updateLast Updated : 2025-10-09
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第24話 山田

夕方、ヒロさんからメッセージが届いた。 〈今から会社に戻る〉 〈お疲れ様です〉 〈山田、やっぱり気づいてた〉 「そうなんだ」 〈やっぱ、そうだったんだね〉 〈だから、誰にも話さないって約束してくれたから、結婚前提で同棲すること話した。応援してくれるって〉 〈そっか、なら良かった。ありがとう〉 〈俺、山田は、ひまりのことが好きなんだと思う。 だから、ちょっと妬いてた〉 と書かれていた。 「え? そんなことないと思うけどなあ」と、 1人でブツブツ言う。 〈今日どうする?〉と聞くと、 〈今日は、家に帰るよ。荷物整理するから。ひまりも休んで!〉 〈うん、分かった〉 来ないんだと思っただけで、ちょっと寂しかった。 あ〜〜私ヒロさんに依存しちゃってる! ダメダメ依存しちゃダメよね。 2日後には、一緒に実家へ帰るんだし、30日の予定がなくなったから、ヒロさん早めに引越すかもしれないし…… 私もそろそろ荷造りしなきゃなと思った。 そして、ヒロさんと山田が帰って来た。 「ただいま戻りました」 「お疲れ様です、お帰りなさい」と言うと、 「ただいま」とヒロさん そして、山田も、 「ただいま戻りました」といつも通り言ったが、 「お疲れ様です、お帰り〜」と私が言うと、 「た、だ、い、ま!」と言われた。 「何それ?」と言うと、 「ん? 挨拶」と笑っている。 やっぱムカつく! ──聞いたんでしょう? その事については?
last updateLast Updated : 2025-10-10
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第25話 私の実家へ

──4月29日 いよいよ、私の実家へ行く日だ。 昨夜からヒロさんが泊まりに来ている。 朝から一緒に私の実家のある埼玉県へ向かう為だ。 高速で1時間ちょっとで行けるが、手土産を購入してから行こうと思っている。 父も母も『あかさたな堂』の塩大福が大好きなのだ。ヒロさんが「じゃあそれにしよう!」と言ってくれたので。 お店のオープン時間が9時なので、買ってそのまま高速に乗る予定。 「おはよう」 「あ、おはよう〜」と言うと、朝からガシッと抱きしめられる。 「ふふ」 「もう起きる時間?」とやや寝ぼけている様子。 「まだ、6時半だからもう少し大丈夫だよ」 「うん……」と、また寝た。 7時には、起きようと思う。 なので今私まで二度寝してしまったら、絶対に起きられないと思って、抱きしめられながら、ジーッとヒロさんを見つめる。 ──あ〜愛しの推しが今では私の彼氏だなんて、 と再確認すると、ニヤニヤが止まらない。 今更、実感して来て嬉しくなった。 触れたい。あ〜頭撫で撫でしたい! でも、今触れると起こしちゃうかも。 う〜ん…… ヒロさんは、日頃の仕事の疲れと、昨夜のムフフで疲れてるんだから、うふっ。 7時までは寝かせてあげなきゃ、とベッドの上で何も出来ずに、ただイケメンをたっぷりと拝ませていただく。 すると、突然 「ひまり〜」と言った。 え? 起きてる? それとも寝言? と、ガン見していると、スースーと眠っている。 何か夢を見てるのかなあ? ──ウウウッ可愛い〜! ぎゅっ、したい! チュッ、もしたい
last updateLast Updated : 2025-10-11
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第26話 引っ越し

昨夜は、一緒に居たかったので、そのまま私のマンションに2人で帰って来た。 今日は、いよいよ朝から滝沢さんにマンションの鍵を貰う。 本当は、5月1日からのようだが、2日早く貰えるようにしてくれたのだと言う。 そのまま、午前中に家電、午後から家具が入る予定。ヒロさんが全部手配してくれた。 9時に待ち合わせ。 滝沢さんが先に来てくれているようなので、 インターホンを鳴らす。 「は〜い! 開けるね」と入口のドアを解除してくれた。 エントランスから入るとすぐに、広いロビーがある。 「ロビーも広くて素敵よね〜」 「うん、そうだな、ちょっとした話ならココで済ませられるな」 「確かに!」 15階建ての10階部分なので、エレベーターで上がる。 そして、 「おはようございます」と滝沢さんが、玄関ドアを開けて待っていてくれた。 「おはよう!」 「おはようございます」 綺麗にクリーニングされたお部屋は、新品の香りがした。まだ、築半年ほどのようだ。 「よくこんなに素敵なお部屋が空いてたよね」と言うと、やはり高額なので、なかなか手が出ないようだ。 これより上の階の方は、大きな会社の社長さんや代議士さん、お医者様などの高額所得者のようだ。 「ヒロさん、凄っ!」と改めて、東郷智さんの凄さを再認識した。 「今日、家電と家具搬入なんだよな?」と滝沢さん 「うん、もうすぐ来るかな」 「あ、エアコンは昨日取り付けて貰ったから」 「ありがとう」 「じゃあ、コレ鍵と一応説明書、何か分からないことがあったら連絡して」 「おお、ありがとうな」
last updateLast Updated : 2025-10-12
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第27話 初体験

「え?」と驚いているヒロさん。 「一緒に寝よう」と言うと、 「うん、でも大丈夫?」と聞かれた。 「うん」 そう言うと、私は、ヒロさんにキスをした。 「えっ」 また、驚いた顔をしているヒロさん。 「ひまり?」 「ん?」 「いいの?」と聞かれた。 「うん、して……」と言うと、もう一度熱いキスをして、ヒロさんは私をそっとベッドに寝かせ、ゆっくりキスをした。 始まった…… 女性には、自分でもコントロール出来ないほど、 気持ちのアップダウンが激しく訪れることがある。 急に怒りっぽくなったり、急に悲しくなったり、 時には、エッチな気分になったり、逆に何もして欲しくなかったり…… それを分かってくれる男性は、素晴らしいと思う。 ヒロさんは、分かってくれているようだ。 もちろん男性にだって、気分のアップダウンは、あるのだと思う。でも、人によるだろうけど、女性ほど如実には現れないのかもしれない。 ヒロさんは、いつも優しい。 新居で初めて愛し合う。 なぜか自分のカラダが、いつもより更に感じやすくなっていることに気づいた。 ──あれ? いつもより一段と声が洩れる。 ──あ、ダメダメここは、自宅だからラブホテルじゃないんだから…… と、冷静な自分も居る。 感じるフリをして声を出す人も居ると聞いたことがある。それは、お相手の為なのかなあ。 私は、フリじゃなく声が出てしまう。 今日は一段と全身が凄く敏感になっている。 いつもココまでは、感じていたが、最後は、まだ
last updateLast Updated : 2025-10-13
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第28話 完全引っ越し

朝からヒロさんの車で、私のマンションまで送ってもらった。 「じゃあ、あとでね」 「うん、俺の荷物を積んだら、またココに迎えに来るよ」 「うん、ありがとう」 それぞれの部屋から荷物を運び出す。 ヒロさんは、もう洋服や小物ぐらいしか持って来ないようなので、荷物をトラックに積んだらすぐに戻って来てくれるようだ。 ただし、そのトラックは、途中お店に寄ってから新居へ向かうようだ。 ──お店? 何の? と思ったが、また何か買ったのだろうと思った。 すぐに、執事の中村さんと引っ越し業者さん3名の方が来てくださった。 「よろしくお願いします」と言うと早速、 不用品を聞かれて、それ以外の荷物を手際よく梱包された。 基本的には、この部屋を丸ごと、新居のマンションの1部屋に再現する形だが、ベッドや洗濯機、冷蔵庫、レンジなどの家電はもう新品のを買ってもらったので要らないし、その他不用なものを伝えて、売りに行くなどして、きちんと処分してくださるようだ。 キッチンの細々した物や靴類、洋服を手分けして手早く梱包されていくのを見ると、さすがだなと思った。 そして、中村さんが冷蔵庫の中身をクーラーボックスに入れて運んでくださるようだ。 とても助かる。 何もしなくてよいと言われたので、どうするかだけ伝える。 しばらくすると、ヒロさんが戻って来てくれた。 「早かったね」 「うん、俺の荷物は、もう少ないからね」 「お疲れ様でした」と中村さん。 そして、ヒロさんと私の格好を見て、 「お二人お揃いですね、良くお似合いです」と笑顔で言われた。 忘れていたが、昨日買ったお揃いのコーデだった。 なんだ
last updateLast Updated : 2025-10-14
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第29話 同棲開始

引っ越しが終わり、新しい生活が始まった。 まだ、夢の中に居るようなふわふわした感じだ。 結局、私のうさぎちゃんたちは、私の部屋のソファーで整列している。ヒロさんの限定アクスタだけは、ベッドサイドの小さなテーブルの上で毎日見守ってくれている。 ヒロさんには、「なんだか見られてるようで違和感」と言われるが、そのままにしている。 1番大きなうさぎを、リビングの大きなL字ソファーの曲がり角の部分に、そっと置いてみたが、 速攻ヒロさんに、 「え〜〜〜〜!」と嫌な顔をされたので、 「だよね〜」と寝室のベッドに移動。 それも2人の間に寝かせたら、 「ダメダメ、端っこ〜」と、移動させられた。 なので夜、反対向いて、うさぎちゃんを抱きしめて寝たら、「なんでだよ〜」とガッカリしながらも笑っていた。 「ふふふ」 昨日は、午前中の引っ越しの後、お蕎麦を食べに行って、車で買い物に行き足りない物を買い足した。 そして、今日5月2日、 2人で住所変更の届けを出した。 区が変わるからだ。 名前は、変わらない。椿ひまりのまま。 今度、届けを出しに来る時は、田上ひまりになる婚姻届だったら良いのになと思った。 GW中ということもあり、会社へ行かなくて良い分、ゆったりとした時間が流れている。 まだ午前10時前、 「どこか行きたい所ある?」とヒロさんに聞かれて、 そう言えば、告白されて付き合い始めたと思ったら、急に同棲することになったので、デートらしいことが出来ていないことに気づいた。 「う〜ん、デートしたい!」 「デート?」 「うん。だってデートしてないよ」と言うと、
last updateLast Updated : 2025-10-15
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第30話 いきなり

GWが明けて、ようやく日常生活に戻った。 とは言え、ココに越して来てからは、初めての出勤。 「じゃあ、行ってらっしゃい」とヒロさんを先に送り出す。 「一緒に行きたいな」とヒロさんは言う。 「う〜ん、だって」 「だよな、じゃあ気をつけて来いよ」 「うん、ココからは近いし、戸締りしたら行くから」 「うん、じゃああとでな」 「は〜い」 「あっ」ともう一度振り向いて、キスをした。 「あ」 「コレだけは、忘れちゃいけないから」と…… 「ふふ」 ヒロさんの唇をそっとなぞって口紅が付いてないか確認した。 「じゃあ」と手を振って頭ポンポンして行った。 「ハア〜朝からトロける〜」 私も戸締りをして、すぐに出た。 都心部に近いせいか、電車が混んでいる。 でも、数分の我慢だからと乗り込む。 乗ってから気づいた、しまった! 女性専用車両じゃなかった。 いつもなら女性専用車両に乗っていたのに。 駅が変わったことと、GW明けと言うことでか、 やはりボーっとしていたのだ。 周りには、カップルで乗ってる人も居るけど…… しまったと思った。 駅は、2駅だけだからと我慢我慢。 1駅目でドアが開いたが、降りられないほどの人。わざわざ人を掻き分けて降りると、また次の電車になってしまう。 そして、ようやく最寄り駅。 降りる人が多く、私も流れに乗って降りることが出来た。 と、思ったその時、 降りる寸前に、ドア付近で誰かにお尻を触られた。 触られたと言うより、ぎゅっと掴まれた。
last updateLast Updated : 2025-10-16
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