バタバタと洋服を選んで、メイクを直してヘアーを整える。 「うん、可愛い〜完璧!」と満足そうなヒロさん。 「ハア〜大丈夫かなあ〜」と私は浮かない顔をする。 「大丈夫! 何も心配いらないよ」とヒロさんは言うが、それでもやっぱり初めては不安しかない。 ぎゅっと抱きしめられる。 「大丈夫、大丈夫」 「うん、大丈夫」 自分を落ち着かせる。 ヒロさんが額にキスをしてくれる。 「行こうか?」 「うん。あっ、手土産何か買って行きたいんだけど」 「分かった、ありがとう」 ヒロさんに、手土産は何が良いかと聞いて、皆さんがティータイムに食べられるようなお菓子が好きなので、それが良いのではないかと教えてもらった。 デパートに寄ってもらったので、私の好きなティグレを見て、「コレどうかな?」とヒロさんに聞くと、「うん、喜ぶと思う」と言ってくれたので、 それを購入することにした。 ティグレは、フィナンシェやマドレーヌの生地に、 チョコレートを流し込んだ焼き菓子。チョコレートと生地との組み合わせがとても美味しいから好きなのだ。 ご実家の分と、家を出られるお姉様ご夫婦の分、 2つ購入することにした。 ヒロさんがお菓子の袋を持って車まで運んでくれる。 「ありがとう」 「ううん」 片方の手を繋いで、駐車場まで並んで歩く。 私はどんどん緊張が深まってきて「ふう〜〜」と深呼吸をする。 「大丈夫大丈夫」と言ってくれるヒロさん。 「うん」 ヒロさんのお宅は、都内だから、デパートから30分もかからない。 車中でも、私は緊張しっぱなしで、自分か
Last Updated : 2025-10-07 Read more