All Chapters of いつもあなたのそばにいたい: Chapter 31 - Chapter 40

52 Chapters

第31話 辞令

そして、休み明けの朝礼の最後に部長から、山田と私が皆んなの前に呼ばれた。 ──何だろう 「え〜〜この度、我が社で新しく立ち上げられた、プロジェクトチームのメンバーに、この部から、このお2人が選出されました。おめでとう!」と言われ拍手された。 「「え?」」 「そうなんですか? ありがとうございます」と山田はすぐに飲み込んだようだ。 私は、なかなか飲み込めずに、しばらくして、 「あ、ありがとうございます」と言った。 ──どうして私なんだろう? とも思っていた。 チラッとヒロさんを見ると、にこやかに微笑みながら拍手してくれている。皆んなもニコニコしてくれているので、光栄なことなんだと思って、ようやく笑顔になった。 そして、朝礼が終わると部長が、 「田上くん、ちょっといい?」とヒロさんを呼んでいる。 更に、「山田くん、椿さん」と、私たちも呼ばれた。 会議室に入ると、 「まずは、改めて山田くん、椿さんおめでとう」と言われた。 「「ありがとうございます」」 「突然のことで驚いたと思うが、知らせるのが遅くなって申し訳ない。少し大変には、なるかと思いますが、部を代表して是非とも頑張っていただきたい。期待していますよ」と言われた。 「「はい、ありがとうございます」」 そして、後ほど社長から直々に辞令を受け取ってくださいと言われたのだ。 ──うわ〜社長から直々に? ヒロさんのお父様だ、お久しぶり〜と思っていた。社内で社長と直々にお話するのは、初めてだ。ドキドキする。 「では、後ほど10時からなので、お願いしますよ」 と言われた。 「はい、ありがとうございます。失礼します」と、 山
last updateLast Updated : 2025-10-17
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第32話 話し合い

そして、「ただいま〜」と帰って来たヒロさん。 私は、玄関まで走って行って、ヒロさんを抱きしめた。 「おお〜! ふふ」と言いながら、抱きしめてくれた。 でも、ヒロさんは何も言わない。 顔を上げて見ると、額にキスをした。 「怒ってない?」と聞くと、 「え? どうしてひまりに怒るの?」と言った。 「お父様の前で、あんなことを言ったから」 「それな!」と笑いながら言われた。 「ふふ、とりあえず話そう」と言われた。 「うん」 「お風呂先に入る?」 「ううん、後で良いよ」 「分かった」 そして、ヒロさんが着替えるのをリビングのソファーで待った。 戻って来て、「1回ぎゅっとさせて」と、ヒロさんは私を抱きしめた。私もヒロさんを抱きしめた。 私は、なんだかそれだけで泣きそうになっていた。 「よし、話そっか」と言って、ヒロさんは今朝の話を始めた。 「先に自分の考えを言うね」とヒロさんは、私に断ってから話し始めた。 やはり、「名古屋へ行く前に籍を入れたい!」と言った。 本当は、ひまりを一緒に連れて行きたいと。 そして、それは、私のことが心配だからだと言われた。 「え?」 「気づいてないかもしれないけど、ひまりは、モテてるんだよ!」と言った。 私が驚いた顔をしていると、 「ひまりは綺麗だし、性格も良いし、スタイルも良いから今朝だって……」と痴漢のことを言いかけてやめたようだ。 「社内でも、ひまりのことが好きな奴は、たくさん居る」と言うのだ。 私は、首を捻る。 私には、全くそんな実感はない。誰にも言われたこと
last updateLast Updated : 2025-10-18
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第33話 大人への階段

ヒロさんは、優しく丁寧に私を愛撫する。 私のカラダは、久しぶりのことで、また妙に感じていた。 そして、私は更に大人の階段を上りたいと思っていた。 「ひまり」 「ん?」 「ホント最近のひまりのカラダ、色気が凄くて俺、堪らないんだけど」と言う。 「そう?」 「うん、また胸大きくなった」と言う。 それは、自分でも思っていた。 いよいよ、ブラのサイズアップをしないとキツイと感じていたから。 「誰のせい?」と真顔で言うと、 「俺?」と笑っている。 「ふふっ、うん」と笑い合う。 「明日、下着買いに行く?」と、 「うん」 「ハア〜堪らない〜」と、私の胸をモテ遊ぶ。 「ちょっと、もう〜」 そんな可愛いくてエッチなところも好きだ。 もう離れられない。 なのに、物理的には離れようとしている。 本当は、とても辛い。 そして、なぜか私は、ヒロさんがもっともっと私から離れられないようになって欲しいと思ったのか、とても大胆な行動をしていた。 反撃…… 「ちょっと待って、ひまり?」 「ん?」と悪戯に微笑む 「どうした?」と、ヒロさんが驚くほど。 以前、初めてヒロさんのモノを見せられた時は、どうして良いのか分からなかった。 でも、ヒロさんの全てが愛おしいと思える今は、 ヒロさんを気持ち良くしてあげたいと思っていた。 今度は私がヒロさんのカラダを愛撫し始め、 気持ち良さそうな顔をするヒロさん。 そして、私は、どんどんヒロさんのカラダの下の方へと下りて行く。
last updateLast Updated : 2025-10-19
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第34話 誕生日

翌日の誕生日には、初めて下着専門店へヒロさんと一緒に買いに行くことに…… 高級なお店が立ち並ぶ通りまで車で行って、 駐車場に停めて歩いた。 私は、あまり男性が女性の下着売り場に居らっしゃるのは、良く思っていなかったので、外で待っていてもらおうとすると、そのお店の方がカップルでもよくいらっしゃるので、どうぞとヒロさんも店内に入るように勧められたのだ。 そして、店内には他にもカップルの方がいらっしゃった。こういうお店もあるのだと知った。 試着室ごとに分かれているので、サイズを計り直していただいて、そのサイズの商品の中から、色やデザインを選ぶ。 たくさんあるので、選んでいる間は2人きりにしてくださる。 私のサイズは、やはり全体的に1から2サイズ大きくなっていて驚いた。 元々Bカップはあったが、高さがあまりなかった。なのに、アンダーバストは変わらないがトップとの差が大きくなっている。 同時にカップもD寄りのCなので、 今は、1サイズアップでピッタリそうだが、2サイズ大きくして着けても十分ボリュームがあるので、そちらの方が綺麗に見えるし、今後楽かもしれないと言われた。 ──又、大きくなるかもしれないし…… しかし、バストって短期間でこんなにも大きくなるものなのだと驚いた。ヒロさんのマッサージが凄いのか。 「種類が凄くたくさんあるね」 「うん」と言いながら、ニコニコしているヒロさん 「サイズ凄いね」と小声で言って笑っている。 「うん、驚いたね」 「ひまりの好きなのにして良いよ、全部買ってあげるから」と言う。 「ええ〜嬉しい〜どれにしよう」 そろそろ、可愛いのより、少し色気のある物にしたかった。 まず黒のレースを手にすると、 「おお、良いね」と言っている。 そして、もう一つ、ボルドー
last updateLast Updated : 2025-10-20
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第35話 二度目のプロポーズ

「じゃあさ、先に入籍だけして、結婚式と披露宴は俺が帰って来て昇進してから2年後にしよう!」と言った。 「う〜ん、そうだね〜」 「ひまりは、何を迷ってるの?」と聞かれて、 「う〜ん、正直、分かんなくなって来た」と笑うと、 「ハハッ、じゃあいいじゃん!」と言う。 「う〜ん。最初はね、まだ2人共若くて、特に私なんてまだまだ未熟なのに、良いのかなあ? って思ってて」 「うん」 「だから私もプロジェクトチームで頑張って、ヒロさんが帰って来て昇進するのを待ってようと思ったの」 「うん、そうだね」 「でも……そっか、入籍だけして、結婚式と披露宴は2年後にすれば良いのか」 と、今ごろになってようやく2人が納得できることなのだと気づいた。 「うん、俺ずっとそう言ってたんだけど」 「えっ! でも結婚式や披露宴の話なんてしてないよ」 「え?」 「一緒に行くのかどうかとか、入籍をどうするか? って話はしたけど、結婚式や披露宴の話はしてないよ」 「え? そうだったか?」 「うん。2年後にヒロさんが帰って来て昇進したら皆んなに祝福されて結婚したい! って私は言ったけど。そもそも結婚式や披露宴って、するの?」と言うと、 「え〜〜〜! ひまり〜〜! 俺一応社長の息子なんだけどな〜」と何とも言えない顔をするヒロさん 「あ〜そうだよね〜」 「うん。だから、俺たちがしない! って言っても親父たちは、そうはいかない! って言うと思うんだよね」 「あ〜〜そうなんだ〜」 「え?」 「ん?」 「「ふふふ」」 「何?」 「良かった! ひまりは、もう俺と結婚するのがイヤになったのかと心配しちゃったよ」と言う。
last updateLast Updated : 2025-10-21
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第36話 顔合わせ

エレベーターに乗って、 「だから、今日は、ホテルだったの?」と聞くと、 「あ、でも、部屋は、ひまりの誕生日だから先に予約してたんだけどね」と言う。 「そうなんだ、ありがとうね」 「うん、ふふ」 「ふふ」と、ヒロさんの笑顔が増えたような気がする。 ──幸せだ〜 やっぱり、ずっとヒロさんと笑っていたい。 そして、ロビーで待ち合わせをしているようで、向かうと、お姉様ご夫婦の姿が見えた。 「あ、ひまりちゃん」と、手を振ってから両手を広げてハグをしてくださった。 「お越しいただいて、ありがとうございます」と言うと、 「もちろん、何があっても来るわよ。今日は、また一段と可愛いわね〜」と褒めてくださる。 「ありがとうございます。嬉しいです。大翔さんに買っていただきました」 と言うと、 「へ〜やるじゃん!」と笑いながらヒロさんを見る。 更に指輪に気づかれて、 「うわ、コレも?」と、 「はい」 「うわ〜綺麗ね。ひまりちゃんにピッタリよ」と言ってくださる。 「ありがとうございます」 すると、「こんにちは」と、ヒロさんのご両親も到着された。 「あ、こんにちは、本日は、ありがとうございます」とお礼を言うと、 「いえいえ、楽しみに来ましたよ」とお父様。 「ひまりちゃん、大丈夫?」とお母様。 恐らく転勤の話を聞かれてご心配いただいたのだろう。 「はい、ありがとうございます」 すると、「ひまり!」と、ヒロさんが、うちの家族が来たことを教えてくれた。 そして、 「本日は、遠い所、ご足労いただきましてありがとうございます」とヒロさんが
last updateLast Updated : 2025-10-22
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第37話 プロジェクトチーム

週明け月曜日、プロジェクトチーム始動日だ。 初日なので朝から集合するように言われた。 私は、初めての集まりにドキドキしながら、 3階の会議室を訪れた。 部屋の前には、『SDGsプロジェクトチーム』の文字が…… ──あ、SDGsなんだ! へえ〜〜 と今頃になって知った。 ──ん? エスディージーズって、何だ? 確か『持続可能な開発目標』17の目標があったような…… そこから勉強しなきゃだよ〜 私は、一体何をするのだろう? 扉が開いていたので、 「おはようございます」と入っていくと、 総務部の方がいらっしゃって、名前に◯をして名札を取って好きなところに座るように言われた。 そして、山田が居た。 「あ、おはよう」 「おはよう」 山田を見てこんなにホッとしたのは、初めてだ。 そして、「ひまりちゃん!」と後ろから呼ばれたので、振り向くと…… 「おねっ、あっ、山本さん! えっ? どうして?」と、ヒロさんのお姉様が立っていて驚いた。 「ふふ〜私もなのよ〜」 「え、そうだったんですか?」 「ごめんね、驚かせたかったから、この前は言わなかったの」と笑っていらっしゃる。 ──あ、だから『又月曜日にね〜』と言われたんだ と、思った。 後で聞くと、実はお姉様は、今年28歳になられるようで、結婚もしたし秘書のお仕事をもう辞めるはずだったようだが、お父様から『辞めるのなら、こちらで頑張ってくれないか』と言われたようだ。 なので、秘書の指導係をされながら、こちらにも来られるそうだ。 続々と色々な部署から人が集まって来られる。 そして
last updateLast Updated : 2025-10-23
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第38話 結婚

──2022年5月20日金曜日 いよいよ、入籍日当日、そして、ヒロさんの誕生日だ。 とりあえず、岡本さんに対しては、今のところ何の接触もないので、ヒロさんにお任せすることにした。 朝から通常出勤の日だ。 今日、入籍したら、ヒロさんは皆んなに公表する! と言うので、来週からは一緒に出勤するつもりだ。 なので、別々に出勤するのは今日が最後。 とは言え、名古屋転勤まであと9日。 土日を挟むので一緒に出勤出来るのは、あと7日間だけ。やはり寂しくなってきた。 入籍する喜びと、離れ離れになる寂しさとが、共存している。 「おはようございます」 「ひまり! おはよう」と言うヒロさん。 いつもと変わらない。 私も笑顔で「おはようございます」と挨拶する。 しかし、この男だけは見逃さない! 「おはよう」 「おは、よう〜〜」 山田だ。 「え、何? その言い方!」 「えーっと、もしかして、もしかしてなんだけど」 「うん、何?」 「今日って特別な日だよね?」 「怖っ!」と思わず言ってしまった。 すると、「だってさあ、誕生日でしょう?」 ──あ、そっちか 「うん、そうだね〜」とニコニコしてみる。 「何するの?」と山田に聞かれる。 「何って何?」 「どこかで外食するとか?」と言うので、 「あ〜それは、ないかなあ〜」と言うと、 「チッ、手作りでおもてなしかよ、羨ましい!」と言われた。 「ま、そんなところかなあ〜ウフッ」と笑うと、 「あ〜良
last updateLast Updated : 2025-10-24
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第39話 誕生日&結婚記念パーティー

バタバタと準備をして、「良し!」と、 ホッとする。 「あ、もうこんな時間! 帰って来ちゃうよ!」 5月とはいえ、バタバタしていると、汗をかいてしまった。 私は、急いでシャワーを浴びて着替えた。 しばらくすると、 〈駅に着いたよ、待っててね〜〉と、メッセージが届いた。 〈は〜い、待ってるね〜〉と、〈チュッ〉のスタンプを送った。 すると、クマのカップルがぎゅっと抱き合って、キスするスタンプが送られて来て、ニヤニヤしてしまった。 そして、また玄関でヒロさんの帰りを待った。 ピンポーン! と鳴ったので、また覗き穴から確認してから、ドアを開けた。 「お帰り〜」 すると…… 「ただい……えっ! ひまり〜!」と、物凄い驚いた顔をした後に、満面の笑みで私を見ている。 「ふふ、どう?」と言うと、 「凄く良い! 可愛い〜凄く似合ってるよ〜」と喜んでいる。 なぜなら…… 私は、ヒロさんの前に、浴衣姿で現れたのだから。 以前ヒロさんが、『ひまりの着物姿を見てみたいなあ〜』と言っていたのだけれど、着物は私1人では着られないし、実家に置いたままで持って来ていない。浴衣なら去年美香と花火大会に行ったので、1枚持って来ているし1人で着られる! と思って動画を見ながら着て、帯も可愛いく結べたのだ。 「ひまり、めっちゃ良い!」と、全身を眺めている。 紺地に真っ赤な牡丹の花がたくさん咲いている浴衣に、白茶系の帯。 「ふふ、そんなに喜んでもらえたら嬉しい」 「俺が言ったから?」 「うん、ヒロさんのお誕生日だし、叶えてあげようと思って」 「嬉しい〜!」
last updateLast Updated : 2025-10-25
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第40話 名古屋

「おはよう」 「おはよう〜」 朝6時半に目が覚めた。 目を開けるとヒロさんが居る幸せ。 ──嬉しい 「何時頃に出る?」 「準備出来たら出ようか」 「うん、分かった」と言い、 ボーっとしながら、ヒロさんを抱きしめる。 「ふふ」と笑っている。 「もう少し寝る?」と聞かれて、 「ううん、大丈夫」とチュッとする。 「ふふ」と喜んでいる。 「はあ〜〜〜〜」と伸びをすると、 ぎゅっと抱きしめられた。 「ん?」 「可愛い」と言う。 ヒロさんは、私が何をしていても、とにかく『可愛い』と言ってくれる。 「ふふ」逆に照れて目が覚めた。 途中で、朝ご飯を買えば良いと言うので、身支度をする。 7時過ぎには、出発した。 「運転大丈夫?」と聞くが 「うん、全然大丈夫!」と言う。 「じゃあ、出発〜!」 いつまでも私が眠そうにしていたら、ヒロさんも眠くなってしまうと大変なので、シャキッとする。 とりあえず、コンビニで朝食のサンドイッチとコーヒーを買う。 ヒロさんにサンドウィッチを食べさせてあげる。 「美味しいね〜」 「うん、美味い」 そして、途中休憩を取り、昼食に2人で味噌煮込みうどんを食べた。 「すっごく美味しかったね〜私初めて食べた」 「おお、そっか、美味かったな〜」 「ん? ヒロさんは、食べたことあったの?」 「うん、あるよ」 ──あ、そっかお家で色々な食べ物が出て来るんだものね。
last updateLast Updated : 2025-10-26
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