「そうそう。美月、今度デートしよ」「デート?」 迅くんとデート?「当たり前だけど、普通の男女がするようなデート、まだしたことないじゃん。美月とデートしたい!」 なんか急に迅くんが子どもっぽくなった気がした。「三日後、空けといて。気分転換にどこかに行こう」 そう言えば、迅くんのラフな私服とか見たことがないかも。 いつもスーツのイメージだ。 迅くんって、休みとかは何をしているんだろう。 そう言えば、私、彼の趣味とか何も知らない。「うん。行きたい」「じゃ、決まりだな」 私は迅くんのことが好き。 少しずつ、普通のカップルみたいに彼のことを知っていきたい。「ああ、あと……」 なんだろう。「美月、俺と一緒に住まない?」「えっ!ここで?」 急な彼の提案、何も考えず木造アパートで住むのかと思い、聞き返してしまった。「もちろん、ここじゃない。さすがに二人じゃ狭いだろ?」 ハハっと彼は笑った。 彼と一緒に過ごせる時間が増えるのは嬉しい。「迅くんと一緒に居れるのは嬉しい。だけど、これで迅くんと一緒に住んだら、なんか甘えちゃいそうな気がして。迅くんの相手として、相応しいって自分が自信を持って言えるように、もう一回、いろんなこと勉強したい。それからじゃダメかな」 素直な気持ちを彼に伝えた。「なんだよ、それ」 私の返事を聞いて、少し機嫌が悪くなったようだ。「こうして居られるのも、迅くんのおかげだから。だからできるだけ早く――」「じゃ、隣に引っ越してきて」「はいっ?」 彼は私の上に再び跨り「隣の部屋、空いてるから?」 私の顔を見てそう言った。 目線を逸らすことができない。「えっと、大家さんとか管理会社に聞いてから――?」「じゃあ、そこがOK出したらいいの?」 何これ、また完全に彼のペースだ。「えっと……。うん。敷金とか礼金とか聞いてみて。あと家賃とか初期費用とか、私が払えそうだったらいいよ」 仕事でいない時とかも多いと思うけど、隣が迅くんだったらなんとなく安心だし。「わかった。じゃあ、俺と契約をしよう?」 俺と契約とは……。 そうだ。もともとの契約は「身体を預けてしまった動画を孝介とかにバラされたくなかったら俺のいうことを聞け」っていう約束だったけど、結局どうなるんだろ? 「契約の更新。美月はあい
Last Updated : 2025-11-14 Read more