たとえ時生がそう言っても、私の心は少しも落ち着かなかった。私はバッグをひっつかむと、足早に階段を下り、車を走らせて幼稚園へ向かった。着いたときには、時生の車はすでに門の前に停まっていた。私がやって来たのを見ると、時生は上から見下ろすように私を一瞥し、言った。「昭乃、そんなに俺が信用できないのか?」私は彼を見ようともせず、ただ「あなたが今までしてきたことを考えたら、信用できると思う?」と返した。時生は鼻で笑うと、わざと尋ねた。「今日選んだジュエリーもウェディングドレスも、気に入ったか?」私は皮肉っぽく笑った。「適当に選んだだけよ。私たちの結婚と同じように適当。それとも何?時生、私が選びすぎたから金が惜しくなったの?好きなだけ選べって言ったのは、あなたでしょ」時生は怒りのあまり笑みを浮かべ、一言ずつ噛みしめるように言った。「お前が気に入るなら、店ごと買ってやってもいい。俺はもう黒澤グループの社長じゃないが、黒澤グループの株の大半はまだ俺が握っている。晴人には何もできない。結婚式まであと一週間だ。せいぜいしっかり準備しておけ」そう言うと、彼は陰のある冷たい声で続けた。「安心しろ。絶対に忘れられない結婚式にしてやる」そのとき、心菜と沙耶香が手をつないで園から出てきた。時生は私より先に二人へ歩み寄った。娘の姿を見た途端、彼はしゃがみ込み、柔らかな笑顔を浮かべた。「心菜、これ何だと思う?」そう言って、手提げ袋を心菜に差し出した。心菜が中を覗くと、なんと最新シリーズのブラインドボックスだった。心菜は大喜びで父親を見上げた。まだ少し離れたところにいる私には気づいていない。時生は笑いながら娘の手を握った。「じゃあ心菜、今夜はパパと一緒にご飯食べないか?」心菜は少し迷ってから言った。「でも……ママは?」時生は優しく娘に言い聞かせた。「ご飯を食べたら、パパがちゃんとママのところまで送っていくから」心菜は沙耶香の手を握ったまま尋ねた。「じゃあ、沙耶も一緒に行っていい?」私はそれを聞いて、すぐに二人のところへ歩いていった。二人はそこで初めて私に気づき、ぴたりと足を止めた。心菜は反射的に時生の手を離し、私のほうへ少し身を寄せた。沙耶香も怯えたように私を見つめ、明らかに時生の車に乗るのをためらっていた。時
Leer más