時生は相変わらずベッドに横たわったまま、天井をじっと見つめ、一言も口を開かなかった。全身から重苦しい空気が漂い、今回の一件で、これまでの鋭さや自信をすっかり失ってしまったように見えた。医者は術後の注意事項をいくつか説明すると、そのまま病室を後にした。病室は再び静寂に包まれる。しばらくして、ようやく時生が口を開いた。ひどくかすれた声だった。「昨日、俺を叩きのめしたお祝いでもしてたんだろ。楽しかったか?お前も、高司も……さぞ楽しかったんだろうな」私は胸の奥が少しだけ沈んだ。立場を入れ替えて考えれば、昨日は彼にとって人生で初めて晴人に無残に叩きのめされ、これほど大きな敗北を味わった日だったのだろう。プライドをずたずたにされたそのタイミングで、よりにもよって私が彼の「ライバル」たちと一緒にいる姿を目にした。だからあんなに酒を飲んでしまったのだ。私は腹を立てることなく、落ち着いて説明した。「信じてもらえなくてもいいけど、昨日私はあの人たちのお祝いに行ったわけじゃないの。あのときは晴臣に頼まれて沙耶を迎えに行っただけ。それであそこにいただけよ」そう言い終えると、それ以上は何も言わなかった。時生も手術を終えて目を覚ましたばかりだ。私と言い争う気力も残っていないはずだ。病室には再び静けさが戻り、響いているのはモニターの電子音だけだった。そのとき、廊下から足音が近づいてきた。姿が見える前に、淑江の声が聞こえてくる。「時生はどこ? 時生、大丈夫? ごめんね、お母さん、来るのが遅くなっちゃって!」そう言いながら、淑江が病室へ飛び込んできた。その後ろには健介も続いている。来る途中で、時生が手術を受けたことを聞いたのだろう。淑江は胸が張り裂けそうなほど心配している様子で、ベッドへ駆け寄ると、時生の体調を気遣ってあれこれ声をかけ始めた。彼女が来たのを見て、私は静かに立ち上がる。これでようやく役目を引き継げる。ところが、病室を出て数歩歩いたところで、背後から淑江に呼び止められた。「昭乃」私は足を止め、意外そうに振り返った。私の記憶では、淑江がこんな穏やかな口調で私を呼んだことは一度もない。以前はいつも、刺々しい口調で名前を呼び、まるで私を目の敵にするような態度だった。振り返って彼女を見ると、思わず眉をひそめた。そこに立ってい
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