麗華side「……ふふっ。もうこれで大丈夫ね」ドレッサーの前でお気に入りの真紅のリップを塗る。鏡に映る私は、笑顔でくっきりと口角を上げて微笑んでいる。昨夜の忌々しい警告音と不気味に点滅する赤い光。思い出すだけで気分が悪くなるけれど、それももう過去の話。あの忌まわしいノートパソコンは、今頃冷たい川の底で泥にまみれ沈殿しているはずだ。朝、奏多に詰め寄られた時は、心臓が跳ね上がるくらいドキドキした。けれど、『川に捨てたとしても復元できる』なんて、そんなの向こうが仕掛けた子供騙しの嘘に決まっている。激しい水流に浸かって、精密機械が復元されるはずがない。そう言い聞かせていたけれど、午前中はずっと胃のあたりがキリキリと痛んで仕方がなかった。「社長、ご確認いただきたい書類がありまして……少しお時間よろしいでしょうか?」恐る恐る聞いてきた社員の態度を見るだけで苛ついてくる。「今、忙しいのっ。あとにしてくれる?」「し、失礼しました……後日、改めます」私が怒鳴るように言うと、奏多からメッセージが届いた。
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