Semua Bab 離婚して、今さら愛してると言われても: Bab 61 - Bab 70

117 Bab

61.社長?

奏多side「麗華が……社長?」耳を疑うとは、まさにこのことだ。俺は椅子に深く背を預けたまま、目の前で意気揚々と胸を張る麗華と、その背後で借りてきた猫のように縮こまっている五十嵐を交互に見やった。「そうよ! 私ならSNSのフォロワーもたくさんいるし、宣伝効果も抜群だわ。今の時代、会社のトップには発信力が必要なの。令嬢だって男性の影に隠れずに成功している姿はきっと世の中の女性の賛同をうけるわ。それに私、ずっと奏多のそばで経営の話を聞いてきたから、普通のサラリーマンを社長にするより、よっぽどあなたの意図を汲み取れるはずだわ」麗華はまるで新しいアクセサリーをねだるような軽さと異常なまでに高い自己肯定感で、一企業の代表権を欲している。 経営は、そんな簡単なことではない。ましてやフォロワー数など関係ない。華やかで豪遊している人もいるかもしれないが、それはほんの一部の人間だ。そして、その一部の人間も努力を重ねた結果が結びついてこそで、人知れないところで並大抵ではない行動を起こした結果なのだ。楽して成功する人間なんて皆無と言っていいだろう。実際は、収支や事業の経営判断、労務管理、そして時には非情な決断を下すこともある。今の五十嵐の会社に必要なのは「華やかさ」ではなく、実務能力や正しい方向へと舵を切れる判断力と知識を持つ人材なのだ。「麗華、ふざけるな。経営は遊びじゃないんだ。ましてや今、あの会社は月島銀行の厳しい監視下にある。国際公認会計士の厳しい監査を終えたばかりの場所に、何の専門知識もないお前を据えるなど、対外的にも許されるはず
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62.デート

遥side「遥お嬢様、月島様のお車が到着されました。ご準備はいかがですか?」「大丈夫よ、すぐに行くわ」家政婦の呼びかけに、私は最後にもう一度だけ鏡を覗き込んだ。 今日は、月島さんと食事に行く日。ハリーや兄を交えての会食は何度もあったけれど、彼と二人きりで出かけるのは初めてのことだ。いつもの仕事用のタイトなスーツではなく、今日は淡いサックスブルーのシフォンワンピースを選んだ。派手すぎず、けれど少しだけ女性らしくもあり可愛らしさも意識した装い。 ハリーや兄があんなにからかうから、自分でも驚くほど緊張しているのがわかる。何度もメイクを直し、襟元の位置を気にしている自分に苦笑してしまった。(こんなに意識しちゃうなんて、まるで初めてのデートみたい……。月島さんがただの仕事の打ち上げだと思っていたら、私、本当に恥ずかしいわ)自分に「これはただのビジネス上の付き合いよ」と言い聞かせ、小さなカバンを手に玄関へと向かった。扉を開けると、そこにはいつもの黒い送迎車ではなく、陽光を反射して輝く真っ白な獅子のエンブレムが冠された高級車が停まっていた。「遥さん。今日はありがとうございます。快晴で本当に良かった」運転席から降りてきた月島さんは、スーツ姿ではなく鮮やかなブルーのシャツにネイビーのジャケットをさらりと着こなしていた。助手席側に回り、私のためにスマートにドアを開けてエスコートしてくれる。「……いつものお車とは違うのですね。これは、月島さんの車ですか?」「ええ。せっかく遥さんと二人で出かけるのですから。運転手がいたら話しにくいかと思いましてね。今日は気兼ねなく、一人の人間としてお話ししたくて、僕の運転にしました。これでもハンドル捌きには自信がある方なので、安心してください。さあ、どうぞ」車内に足を踏み入れると、シトラスとサンダルウッドを混ぜたような控えめで気品のある香りがふんわりと漂った。 革のシートに身を沈めると、隣に座った月島さんがサングラスをかけ、静かにアクセルを踏んだ。滑り出すようになめらかに加速をし、慣れた手つきでハンドルを操り、車は都心を抜けていく。しばらくして赤信号で停車したとき、月島さんはちらりとこちらを見て、少しだけ照れくさそうに真っ直ぐな声で言った。「今日は、いつもと雰囲気が違いますね。スーツ姿やパーティードレス姿も素敵ですが、そのワンピー
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63.特別な関係

遥side「……そうでしたか。お見苦しい会話を聞かせてしまって、本当にすみませんでした。それで、どこから会話を聞かれたのですか?」膝の上でバッグのストラップをギュッと握りしめながら尋ねると、月島さんは前を向いたまま、静かに慎重に言葉を選んで答えた。「会話は断片的ですが……。岡田とか、住吉とか、個人の名前がいくつか聞こえてきました。あとは、エレベーターが到着したとき、住吉社長があなたのことを下の名前で呼んで引き止めようとしたところも。……遥さん、不躾なことを伺いますが、あなたは住吉社長とお知り合いだったのですか?」ここまで聞かれてしまったら隠し通せるものではない。 断片的とはいえ、奏多が私を名前で呼んだのなら、知り合いだと疑うのも当然だろう。今日、彼が運転手も付けずに自らハンドルを握ったのは、この会話を他の誰の耳にも入れないための彼なりの深い配慮だったのだ。そんな優しさに気づかず、異性との初めてのお出かけに浮足立っていた自分が急に耐えがたいくらい恥ずかしくなる。そして同時に、これまで彼に嘘をつき続けていたような罪悪感が胸を刺した。「……月島さん、正直にお話しします。住吉奏多は……私の元夫なんです」「元夫……。遥さん、結婚されていたのですか?」月島さんの握るハンドルが一瞬、微かに揺れた。驚きを隠せない彼の横顔を見て、私はさらに言葉を重ねた。「ええ。二年という短い時間でしたが。夫と言っても、彼の世間体を整えるための偽装結婚のようなもので、世間が思い描くような温かな夫婦像とは、ほど遠い生活でした。」私は窓の外を流れる見慣れた景色を、まるで見知らぬ街を眺めるような心地で見つめた。「それから離婚してすぐに私が東宮家の実子であることが判明したんです。それから、『東宮遥』として私の新しい人生が始まったのです。今の私の中に、住吉奏多の妻だった頃の私はいません。今回の監査も、『東宮遥』として私情を一切挟まず公平に行いました。……月島さん、今まで黙っていて本当にごめんなさい」月島さんは何も言わず、ただ何かを深く考え込むように少しだけ俯いている。元親族が相手の会社の監査に関わるなど問題だっただろうか。私が原因で彼に迷惑が掛かってしまうのではないかと不安で胸が潰れそうになる。長い沈黙の後に月島さんは静かに口を開いた。そして、その声は驚くほど柔らかかった。「……話し
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64.告白

遥side月島さんの言葉が、狭い車内の中に熱を持って留まっている。今まで恋愛に縁がなかった私でも二人が言っている『特別な関係』の意味は分かる。単なるビジネスパートナーではなく男女としての友人や知人、もしかしたら家族と同じくらい近い存在である人。(奏多は、私と月島さんが『特別な関係』だと疑っていたけれど、月島さんは本当にそうなればいいと願っている……?)彼の真っ直ぐな瞳に見つめられ、私は言葉を失っていた。胸の奥が、これまでに感じたことのない激しさで波打っている。「すぐに返事はしなくていいです。だけど、これからはお互いのことを仕事以外の場面でも知っていけたら嬉しいと思っています」「はい……ありがとうございます。私も月島さんのことをもっと知っていこうと思います」「良かった。それでは、また出発しますね。店の予約時間に遅れてしまう」ハザードをウインカーに切り替えて、車道へと戻っていく。ほんのり赤くなった耳を見つめながら、彼の横顔を見つめていた。家族愛とはまた違う気持ち――――。東宮家の名に傷をつけないように勉学や教養を身に着けようと必死だった。苦難だったわけでなく、私を救い新しい人生を与えてくれた感謝の気持ちからくるものだったが、そのことに必死で恋愛なんて考えたこともなかった。今までの私の人生は、恋の心が浮きだつような感情も、甘酸っぱさも関係のないものだった。生まれ変わった私の新しい人生に、「恋」という名の小さな芽が、今、新たに姿を現そうとしている。バッグのストラップを持つ手を胸の位置に移動させて高鳴りが落ち着くのを静かに待った。「月島様、お世話になっております。お待ちしておりました。いつものお席を用意しています。どうぞ、こちらへ」車が到着したのはホテルの最上階にあるフレンチレストランだった。中に入るとウエイターがすぐに月島さんに気が付いて丁寧にお辞儀をする。長年、家政婦をしていたせいか服装を見れば、店が従業員の教育をどれほど熱心に行っているかが分かる。今日の店は、所作一つを見てもとても丁寧で心遣いが感じられる。「この店は、僕が小さい頃から通っている店でして常連なんです」自慢をする様子もなく知人を紹介するかのように何気ない口調で言う月島さんに、過去の自分との圧倒的な差を心の奥底で感じながらも笑顔で私に話しかけてくる。飲み物が終わるとさりげなくメニュー表
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65.天秤

奏多side「……会長! 子会社の代表を、五十嵐から星野麗華に決定したとはどういうことですか」週明けの月曜、午前九時。 住吉ホールディングスの会長である父に呼び出され、部屋に入ると、麗華の社長就任の話を言い渡された。「なぜ、彼女が選ばれたのですか。麗華は住吉でも五十嵐工業でも、現場を一度経験したことがない。それどころか社会人としてまともに働いた経験すらない。そんな人間に、経営難に直面している会社の代表を任せるなんて、無謀を通り越して狂気です」俺はデスクの向こう側に座る父に一気にまくしたて、強く抗議し反対の意を伝えた。だが、父は組んだ腕を解こうともせず、微動だにせずに俺を見据えている。その瞳には、反論を封じ込めるための冷ややかな光が宿り、いくら反論したところで決定は覆らないという毅然とした態度だ。俺の言葉が響いていないどころか、形だけ聞いているにすぎないことがこの場の空気や父の表情から嫌というほど伝わってくる。この決定は異論・反論は認めないことであることを悟った。「……お前の言いたいことはよく分かる。だが、これはもう決定したことなのだ。今回の人事は、現社長である五十嵐からの強い要望と星野麗華の推薦が大きな理由だ」「五十嵐の推薦……?しかし、いくら推薦があっても人事権があるのはこの私です。五十嵐工業は住吉の100パーセント子会社だ。管理を行っている住吉、つまり代表である私の
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66.恩義

奏多side「佐藤、こんなところでどうした? 何かあったのか?」社長室の手前の廊下で秘書の佐藤が落ち着かない様子で立っているのが見えた。秘書は通常、秘書室で業務をこなし、連絡や言付けがある時のみこうして部屋や廊下の前で待機している。佐藤が、待ち構えているのは何か俺に伝えることがあるということだ。眼鏡の奥の瞳が不安げに揺れているのを見て、俺は嫌な予感を覚えた。「…………実は、アポなしで来客がありまして。現在、社長室の前でお待ちになっています」「アポなし? いきなり俺のところへ通さずに関係部門の責任者に通せばいいだろう。普段からそうしているじゃないか。何をそんなに戸惑っているんだ」「それが……営業ではなく、住吉社長本人への面会を強く希望されておりまして。『内容は社長ご自身が一番よく理解しているはずだし、非常に重要な事柄のため、秘書の私にも話せない』とのことでして……」「俺に個人的な用件だと? 一体、誰だというんだ」声を潜めて問いただしたが、その答えは俺が聞き返すよりも早く、廊下の向こう側からカツ、カツ、カツという音が響いてきた。「奏多、待っていたわ。会長室に行っていたんでしょ? それなら、私がここに来た意味も、もう分かっているわよね…&he
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67.就任パーティー

麗華side市街地の華やかさが遠ざかり、並木道すら途絶えて、人影も車もまばらになった殺風景な場所に、五十嵐工業のオフィスはあった。 ……いえ、「オフィス」なんてオシャレなものではない。創業六十五年という歴史が、ただの「古臭さ」として蓄積され、ペンキの剥げたパッとしたしない二階建ての『事務所』。それが私の職場だった。この春から五十嵐社長の後任としてこの会社に従事することになったけれど、その実態は私が思い描いていたキラキラした生活とは、天と地ほどもかけ離れていたの。まず、秘書もいなければ、社長専属の運転手もいない。五十嵐と父、祖父の親子三代で細々と築き上げてきたこの会社は、数名の事務員と営業、油の匂いをさせた作業員という、必要最低限の人数でギリギリ回されている。社長専用の高級車なんて夢のまた夢。五十嵐社長は、毎日、自分の運転で通勤していて、車は、免許取りたての息子にぶつけられたという凹みがある軽自動車で、社長の威厳なんて微塵もなかった。二十年前に建て替えた事務所の建物自体も、ところどころ修繕が必要だ。間取りもセンスも古臭く、昼間でも電気をつけないと真っ暗な給湯室に、水色のタイルがひび割れた冷たいトイレ。 そして、五十嵐『工業』という名前の通り、敷地のほとんどは巨大な自社工場と資材置き場。バスも通らないような片田舎で、周りには飲食店さえない。
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68.招待状

遥side住吉商事の特別監査が終わり、私は本来の仕事である東宮グループとハリーの会社との共同プロジェクトの現場に戻っていた。その日の午後、共同プロジェクトの定例打ち合わせが終わると、兄の俊が私と月島のもとへ少しばかり奇妙な表情を浮かべて近づいてきた。その手には、上質で装飾を施された封筒が握られている。「月島さん、遥、ちょっといいかい?」「ええ、大丈夫よ。どうしたの?」月島さんと顔を見合わせてから視線を向けると、俊は、結婚式の招待状に使われるような豪華なレースの飾り印字が施された封筒から二つ折りの案内状を取り出した。「実は、ある会社の就任パーティーの招待状が届いたんだ。僕と遥宛なんだけど、東宮グループとしては全く取引のない会社なんだ。なぜ僕たち兄妹が指名で招待されたのか、気になってね。それと、月島さんのところにも同じものが届いているんじゃないかと思って」「取引のない会社から、突然の就任パーティー……。不自然ですね。それで、その送り主は?」眉をひそめて月島さんが尋ねると、俊は私たちに見えるようにゆっくりとその案内状を開いた。「……え、五十嵐工業…………?住所も間違いない。僕たちが監査に入っていた住吉商事の子会社の、あの五十嵐工業だ」「えっ……? 五十嵐社長が退任されるの?とても会社を大切にされていたのに。まさか、今回の監査の結果が原因で……?」監査の最終日、不安げながらも誠実そうに私に資料を託してくれた五十嵐社長の顔が浮かぶ。温厚で、先代から続く会社を必死に守ろうとしていた彼がこのタイミングで退く。それはあまりにも唐突で不自然な流れに感じられた。「いや、監査は無事に終わったので原因ではないはずです。このタイミングでの交代は、内部的な事情……あるいは親会社である住吉商事の強い意向が働いたと思いますね。後継者は誰がなるのでしょう」冷静な分析に私の胸のざわつきは増していく。月島さんの言葉に、俊は封筒からもう一枚の紙を取り出した。「『新社長』のプロフィールが同封されていたよ。どうやら外部の人間らしいね」俊がテーブルに置いたその紙には、耳元には存在感のある大ぶりのブランドピアスをし、ビジネスの場というよりは、何かの受賞パーティーに出席するような出で立ちの麗華の写真がデカデカと映っている。「嘘でしょ……。彼女が社長?」「やはり、遥は彼女のことを知っ
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69.眺望

奏多side都内五つ星ホテルの大広間は、眩いばかりのシャンデリアの光と豪華な生け花で、会場全体が見事に洗練されて高級感のある雰囲気を作り上げていた。『五十嵐工業 新社長就任披露パーティー』壇上の上に大きく掲げられた看板を俺は麗華の隣で静かに見つめていた。経営難の子会社に、実務経験ゼロの彼女を据えるという無茶を押し通した父への不信感と、現場の混乱を収めるための激務が、俺の心に影を落としていたのだ。「見て。こんなにたくさんのお花が届くなんて、私の新しい門出をみんなが祝福してくれているんだわ」今日の主役である麗華は、真紅シルク生地にゴールドの刺繍をあしらった豪華なドレスに身を包んで上機嫌で、甘えるように麗華は俺の腕に手を絡めようとしてきた。そのことに気が付いて、とっさに腕を避ける。「麗華、お前は五十嵐工業の社長だ。それに今日は就任パーティーで大勢の人が見ている。社長としてふさわしい振る舞いをしてくれ」その時、会場の入り口で一際大きなざわめきが起こった。一瞬で会場の空気をかえたことに俺もつられるように周囲と同じ方向へと視線を向ける。重厚な扉から現れたのは、夜の帳をそのまま纏ったかのような、深いミッドナイトブルーのイブニングドレスに身を包んだ遥だった。最高級のサテンが描く流麗なシルエット、デコルテで静かに光を放つサファイアのネックレス。そして何より、堂
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70.悪意のダンス

遥side披露パーティーも中盤に差し掛かった頃、会場の照明が突如として落とされ、ステージ上にスポットライトが一点に集中した。マイクを握り、意気揚々とステージに現れた麗華は、わざとらしく客席の最前列に座る私へと視線を向けた。その瞳には、勝ち誇ったような卑屈な光が宿っている。「皆様、本日はお越しいただきありがとうございます。ここで、参加して頂いた皆さまにも楽しんでいただけるようにちょっとした余興を用意させて頂きました」麗華が言うと、会場に音楽が流れ出した。(この曲……この余興は私に向けて用意されたものなのね)決して忘れることのないダンスミュージック。この曲は、離婚する寸前に、奏多に言われて出席したパーティーで流れた曲だ。そして五年前、この曲が流れると奏多は迷うことなく麗華に手を差し伸べてダンスホールの中央へと歩んでいったのだった。周囲の注目を集める中、奏多と麗華は自分たちが主役かのように華やかなステップと舞を披露したのであった。息のぴったり合った二人と華やかな雰囲気に、二人は『最高の夫婦』だと賞賛されていた。その声を聞いて、本当の『妻』ではある私は、惨めな気分になってこっそりと会場を後にした。麗華はその時の高揚感が忘れられないのだろうか、それとも私にまた惨めな思いをさせたいのだろうか、どちらにしてもこれは麗華が悪意を持って選んだことだけは明白だった。「今日は、あの日本を代表する東宮グループのお二人もこの就任パーティーにお越しいただいております。是非とも一緒に踊って頂けると嬉しいわ」とどめを刺すように、麗華はマイク越しに私の事を名指しでダンスに参加するように誘ってくる。会場の視線が一気に私たちに向けられた。麗華は壇上から降りると、奏多の元へ行き一緒に踊るようにドレスの裾を両手で少し持ち上げると軽く頭を下げて誘っている。麗華の動作に、奏多は周囲を見渡してから麗華に手を差し出して、会場の中央へと移動していった。「遥……どうする?僕たちも踊るように言われているけど……」「そうね。指名された以上、このままと言うわけにはいかないわね」俊と話をしていると、隣にいた月島さんが苛立ちを隠せないという様子で拳を握っている。「俊さん、ここは私に任せてもらえませんか?」奏多と麗華が会場の中央で踊っている。流れている曲は、あと二分ほどでサビの一番の盛り上がり部分へ
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