遥side「遥、行こうか」搭乗手続きを済ませて荷物をカウンターに預けてから、私たちはラウンジでシャンパンを飲んで出発までの時間を過ごしていた。飛行機の旅は長い。初日の今日は、何もスケジュールは入っておらず移動で一日が終わる予定だ。「普段は、花蓮や誰かが常に周りにいるから二人だけって不思議な感じね」何気なく言った一言に、直人さんは顔を傾けて私の顔を覗き込んでくる。「……嫌?僕は、とても嬉しいよ」視界に彼の唇と伏せた睫毛が大きく映る。その仕草が何とも艶っぽくて、私の胸はピクンと反応している。「嫌なんかじゃないわ。私も嬉しい。けれど、何だか夢みたいで恥ずかしさもあるの」「そうか。でも、飛行機に乗って向こうに着いたら誰も僕たちのことを知る人はいないよ。せっかくハリーや俊さんが用意してくれたんだ。二人だけの時間を思いっきり楽しもう」「……ええ、そうね」飛行機に乗り込むと、直人さんが私の肩に手を回してきた。守られている感じもするけれど、まだ慣れなくてどうすればいいか身体が硬くなってしまう。緊張している私をほぐすかのように、ふっと優し
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