Semua Bab 離婚して、今さら愛してると言われても: Bab 71 - Bab 80

117 Bab

71.逆転

遥side会場を包み込んでいた熱狂的な拍手が波を引くように静まり返っていく。ダンスを終え、月島さんの腕に導かれてホールの中央に立つ私は、心地よい高揚感の中にいた。対照的に、そこから数メートル離れた場所では、怒りと屈辱で顔を真っ赤に染めた麗華が、荒い息をつきながら立ち尽くしている。(……何よ、今の……。今日は、私の就任パーティーなのよ! あなた、自分が何をしたか分かっているの!?)麗華は、重いドレスの裾を振り乱しながら詰め寄ってきた。その形相は、もはや社長の器など皆無で、ただ自分を引き立て役として使われたと怒り狂っているだけだった。「あら、遥さん。お上手なのね。それも、そうよね。あの東宮家の出身だもの。家政婦でもあるまいし、まさか踊れないなんてことないわよね。」私の過去をところどころにちりばめながら話す麗華に、私の隣に立つ月島さんが一歩前に出た。その表情は、冷静で射抜くような鋭さを持っている。「星野社長。お言葉ですが、あなたのその振る舞いこそが周囲に何を印象付けているか、ご自覚がないのですか?」「何ですって……!? 部外者のあなたが口を出さないで!」「部外者? 私は五十嵐工業のメインバンクの担当者として、ここに立っています。……今、この会場にいる数百人の経営者や役員たちは、あなたのダンスではなく、あなたの『品格』を査定しています。公の場でゲストを侮辱する。……そんな人物が率いる企業に、誰が明るい未来を想像すると思いますか? 経営者としての資質以前に、人間としての格が彼女とはあまりに違いすぎる」月島さんの言葉は、麗華を打ちのめすのに十分だった。麗華は言葉を失い、金魚のように口をパクパクと動かすことしかできない。月島さんはさらに追い打ちをかけるように冷たく言い放つ。「これ以上の醜態は、住吉グループやあなたのご実家の星野グループにも影響しますよ。……遥さん、行きましょう。これ以上、ここに留まる価値はありません」月島さんのエスコートを受け、立ち尽くす麗華の隣を堂々と胸を張ってすれ違い、その場を去った。その光景を、奏多は壊れた石像のように見つめている。奏多は、私のことだって、そしてこの場で麗華のことも庇おうとしない。(月島さんや俊のように大切な人を守るような態度を取ることなんてないんだ……)会場をあとにしようとエレベーターホールで待っていると、少し遅れ
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72.対峙

俊side遥が月島君の手に導かれ、毅然とした足取りで会場を後にしてすぐのことだった。シャンデリアの光が虚しく反射する廊下の片隅で、住吉奏多が立ち尽くしている。溢れ出しそうな嫌悪感を理性で抑え込み、静かに彼のところへ近づいた。今まで遥が受けてきた冷遇を、東宮の人間として、そして何より一人の兄として、言ってやりたいことが山ほどあった。「住吉社長」住吉は声がする方に力なく振り向いたが、目の前に立っているのが僕だと分かると表情を作り直しビジネスの顔へと即座に切り替えた。「今日はあなたたちの招待でやってきたのだが、一体どういうつもりでしょうか。本来、我々東宮グループは、五十嵐工業とも住吉商事とも直接のビジネス取引はない。そんな相手を就任パーティーに招待するなど、常識では考えられないことだ。……不思議に思いながらも足を運んでみれば、名指しでダンスを強要し、挙句の果てには公衆の前で遥を侮辱するような発言を繰り返す。無礼にもほどがあるとは思わないか?」僕の指摘に、住吉は少しばかり驚きの表情を見せた。しかし、すぐに彼は姿勢を正して僕の顔をまっすぐ見据えた。「それは……彼女――星野の無礼は親会社の社長である私が謝罪します。今日、あなた方が出席されることを、知らなかったとはいえ、それは管理不足という言い訳に過ぎない。部下が、そして私が選んだ人間が、東宮様に対して数々の無礼、そして大変失礼な態度をとってしまったこと、心よ
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73.対峙②

俊side拳を振りかざしてしまいそうな衝動をかろうじて理性が繋ぎ止める。僕が必死で探しだした妹を、この男はまるで主従関係のようにお金さえ渡せばいいと思っている。指先が震えるほどの怒りを感じたのは、人生で何度目だろうか――――「対価だと……? 結婚を、妻を、遥をなんだと思っているんだ」自分でも驚くほど低く地を這うような冷たい声で、住吉に怒りをぶつけた。住吉は、一瞬だけ射抜くような鋭い眼光で僕を睨みつけたが、彼はすぐにふっと視線を逸らすと困惑しながら言い返してきた。「……何を言っているのですか。私はそんなことは、一切言っていません」「もう結構です。あなたは、自分の非を認めることができない人間のようだ。……子どもさえ出来れば、母親が誰であろうと構わないんですね。だから、遥に対してもあんなに『ひどい扱い』ができるというわけか。心の底から、軽蔑します。……それでは、失礼」一言だけ吐き捨てるように告げると、彼の手を乱暴に振り払ってその場を去った。背後で、住吉が何かを言おうとした気配がしたが、もはや振り返る価値すらない。彼が何を叫ぼうと、今の僕には不快なノイズにしか聞こえなかった。(あの男にとって、不倫も、妻以外の女性に子どもを産ませることも、大した問題ではないというのか?なんて腐った人間なんだ。あんな男のために、遥は二年間もの貴重な時間を尽くしてきたなん
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74.黒い疑惑

奏多side「もう二度と遥に関わらないでくれ。何かあったら、東宮グループのすべてを賭けて、君と住吉商事を許さない。真っ向から戦うよ」去り際、東宮俊が俺に放った言葉が、頭の中で何度も復唱されている。冷静沈着で東宮グループの次期社長とも言われている彼が、剥き出しの怒りと憎しみに満ちた瞳で俺を射貫き、宣戦布告とも取れる強い意志を突きつけてきた。その圧力に、俺はただ戸惑い立ち尽くすことしかできなかった。(東宮家は、俺のことを相当恨んでいるようだな。……俺が遥と結婚していたからなのか。それに子どもや母親がとか言っていたが何を言いたかったんだ。前に麗華が流産しそうになったことに対して、俺が遥を厳しく叱責したことを言っているのか?)重い足取りで会場に戻ると、異様な空気が充満していた。 華やかだったはずのシャンデリアの光はどこか虚しく、招待客たちの視線は困惑に満ちている。俺はすぐに秘書の佐藤や、同席していた役員たちを呼びつけた。「……何があった。状況を説明しろ」「あの、その……。星野社長が、先ほどのダンスの件で月島氏に恥をかかされたと、舞台裏で大変ご立腹でして。そのまま控え室に閉じこもってしまわれたのです」佐藤が冷や汗を拭いながら報告する。「ゲストの方々はホストである新社長がいなくなったことで
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75.安心

遥side私が、麗華の就任パーティーに出席すると言ったので月島さんまで付き合わせてしまった。忙しい時間を割いてくれた月島さんにせめてもの気持ちで、送迎は東宮家がすることにした。帰りの車のリムジンの中で私の隣に俊、そして向かい側に月島さんが座っている。窓の外を流れていく都心の夜景は、先ほどまでの悪意に満ちた視線とは無縁で煌びやかに光り輝いていた。私は膝の上で組んだ手に視線を落とし、小さく息を吐いた。「今日は、二人まで巻き込んでしまって本当に申し訳ないわ……」俊の言う通り、最初から麗華の招待など無視していれば、こんな不快な思いを二人にさせることはなかったはずだ。そう悔やんでいる私に、俊と月島さんは顔を見合わせた。「遥さんのせいではありませんよ。あのような不躾なことをした新社長の品格の問題です。むしろ、あなたの毅然とした振る舞いに会場の誰もが圧倒されていたはずです」「そうだよ、遥は何も悪くない。あそこで堂々と立ち向かた遥を誇りに思うよ。気にするkとなんて何もないさ」月島さんは考え込むように指先を顎に当てた。「しかし、あの星野麗華という人物……想像以上に癖のある厄介な人物ですね。実務経験がないこと以上に、自らの感情をコントロールできず公私混同を厭わない。彼女が五十嵐工業のトップになることは、会社にとって致命的なリ
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76.昇格

遥sideハリーの会社と東宮グループの共同プロジェクトが始動して、もうすぐ一年が経とうとしていた。現在は実務面で想定されるあらゆるトラブルの洗い出しや、現場スタッフ向けのオペレーションマニュアルの作成など、製品化に向けた最終段階の真っ只中だ。「この調子でいけば、早ければ半年、遅くとも一年後には正式な販売が開始できそうだ。みんな、今は大変な時期だと思うが、どうか力を貸してくれ」責任者である兄で専務・俊からの力強い言葉に、チームメンバーから歓声と拍手が沸きあがった。「できたらいいな」という構想段階から、検証と議論を積み重ねてなんとか「形」に変えてきたこの一年。製品化と販売時期のゴールが見えたことで、現場にはこれまでにない熱気と心地よい高揚感が漂っていた。一方の私は、月島さんと以前にも増して一緒にいる時間が長くなっていた。 プロジェクトリーダーとして、Webや対面での打ち合わせ、現場サイドの意見を伝えるためにメールや電話でやり取りなどの業務上のやり取りはもちろんのこと、仕事帰りに車で送ってもらったり、時間によっては食事に行ったりすることも増えた。いつしかハリーや俊から認められる『公認の仲』になっていた。 けれど、実際のところは、月島さんから明確な告白があったわけでも、手を繋いだり、恋人らしいことをすることもない。ただ、私の隣に月島さんがいることが自然で当たり前の風景になっているだけだった。
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77.新社長

遥side「……私が、社長、ですか?」父の言葉に、耳を疑った。父と俊が私を信頼してくれて抜擢してくれることはとても嬉しいし、その期待に応えたいという想いは確かにあった。しかし、社長という言葉を聞いて即座に頭に浮かんだのは麗華のことだった。「……私は、経営経験がありません。そんな人物を会社の代表にするなんて、社員の士気を削いだり、ご迷惑にならないでしょうか……」五十嵐工業が、今どんな状況なのか私は知らない。けれど、麗華が以前のまま自分の行動を顧みないなら内部から何かしらの問題や影響が出るのではないかと危惧していた。そして、麗華のように、経営や実務を何も分からない私が、自分の器もわきまえずにその座に座れば、同じ過ちを繰り返すのではないか。そんな恐怖が、受け入れることを躊躇している。私の言葉を聞いた父は、少し意外そうな顔をした後、静かに問いかけてきた。「それは、責任の重さから逃げたくて断っているのか?」「……いえ、そうではありません。お父様たちが私を抜擢してくださったことは、大変光栄に思います。ただ、仕事というのは社員がいてこそ成り立つものです。彼らの日々の働きがあるからこそ、事業として、会社が成り立ちます。経験も実績もない私を、彼らが納得してくれるのか……。社長や専務のように『この人に付いていきたい』と思わせる器量が私
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78.新しい時代

遥side来期より父が会長、俊が社長に就任し、東宮グループは私たち親子が中心となる。世間への公表をする二か月前、新しい組織と新会社設立のことを伝えるために、ハリーと月島さんに連絡をして、都内の小料理屋で会食をした。「実は、この度、東宮グループの代表が変わることになりまして、来期より私が社長に就任することになりました」俊の報告にハリーと月島さんは目を丸くして驚いていたが、すぐに祝福をし満面の笑みをみせた。「俊が社長か。それはGoodニュースだ。これから、ますます私たちと東宮グループの仕事の機会が増えるかもしれませんね」「俊さん、おめでとうございます。俊さんのような指導者がトップなら東宮グループは今後めまぐしい成長を遂げて、巨大企業になるのでしょうね」二人が祝福の言葉を投げると、俊も笑顔で答えてから真面目な顔で話を続けた。「ありがとうございます。そしてプロジェクトの件なのですが、現在、一年以内の製品化を目標に動いていますが、ちょうど就任の時期と被ってしまいそうなんです。我々としても、このプロジェクトは社運を賭けた大事なもので、絶対に成功させたい。そのためにスピード感を持って動けるように、新会社を設立しようと思っています。そして、その代表は遥が務めさせていただきます」「遥が?」
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80.情熱

遥side「遥さん、つきました……」屋敷の正面ロータリーにつくと、月島さんの低い声が静まり返った車内に響いた。車のエンジン音が止まると、静寂が私たちを包み込む。「ここで少し待っていていただけますか。すぐに戻ります」月島さんにそう言い残し、車を降りて屋敷に入った。月島さんにどうしても話さなければならないこと。それは、『花蓮』のことだった。月島さんの真っ直ぐな思いは純粋に嬉しかった。月島さんのような誠実な人が、私の事を心から想い、隣にいたい、支えたいと言ってくれる。そのことに、今まで感じたことのない心の温かさを感じていた。だからこそ、私も真っ直ぐに月島さんと向き合わなければならないと思った。花蓮は、私にとってかけがえのない宝物だ。花蓮の存在を隠したまま、月島さんの好意を受け止めることは出来ない。それに、花蓮に対しても母親が自分の存在を隠して恋愛に夢中になっているなんて、生涯に残るトラウマとなるだろう。また、どんな結果を招くとしてもこの子の父親のことは月島さんには話さなくてはいけない。リビングに入ると、花蓮は兄の俊の膝の上に乗り絵本を読んでもらっていた。「花蓮、良かった。起きていたのね。……ちょっと外に出てくれる? 花蓮に紹介したい人がいるの」「紹介したい人? だあれ?」
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