《パスワードが解除されました》PC画面に文字が表示された。「せ……成功……した……?」沙月の全身から力が抜け、膝が震えた。画面のロックが外れ、フォルダが表示された。「一体……何がこのフォルダに入ってるの……?」食い入るようにフォルダを見つめる。心臓は今にも口から飛び出しそうにドクドクと早鐘を打っている。開けてはいけないものを開けてしまったような、そんな感覚に襲われる。「……」沙月はポストに入っていた手紙に視線を落とす。『真相が知りたければ中身を確認しろ。警察には知らせるな』(怖いけれど……見ないと。私は真実を届ける報道部員……そのためにテレビ局に入ったのだから……!)「確かめないと……!」意を決すると、震える指先で唯一の動画ファイルを選択する。そしてカチリと再生ボタンを押す。すると画面が暗転し、ノイズが走る。次の瞬間、澪の顔が映し出された。「……え!?」その表情はいつも自信で満ちている澪とは違っていた。枕の上に頭を乗せている澪。恐怖による涙で濡れ、必死に訴えている。『いや……やめて……許して……お願い……』その声は、沙月が知っている澪のものとは思えないほど弱々しかった。直後、画面の外から低い声が落ちてくる。『うるさい女だ……黙れ』「!」その一言で沙月の背筋が凍りつく。すると映像が揺れて視界が切り替わった。薄暗い部屋の一部……ベッドの端が映り込んでいる。ギシ……ギシ、ギシ……ギシ……ベッドの揺れと軋む音。澪のすすり泣きと、懇願する声。そして呻き声が遠くから聞こえてくる。「う、嘘……」姿は映り込んでいないが、澪がどんな目に遭っているのか分かってしまった。「……うっ……」沙月は口元を押さえ、画面から目を離せなかった。背筋が凍り、身体が震える。(そんな……! 澪さんが……? 司は知ってるの……?)するとベッドが一段と大きく軋み、ベッドから降りてきたのであろう。男の素足が映り込んで映像が終わった。再び画面は暗転する。次に表示されたのは、一枚の写真だった。そこに写っていたのは——井上。口を半開きにし、目を見開いたまま仰向けに倒れている。「キャアッ!!」沙月は思わず悲鳴を上げた。虚ろな瞳は、生きている者のそれとは違う。「い、井上……デスク……」恐怖で沙月の身体が小刻みに震える。彼の左腕は胸
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