真琴は微動だにせず、真剣な眼差しで沙月の話をじっと聞いていた。「……これで全部よ」沙月が話し終えると真琴は大きく息を吸い込み、姿勢を正す。「沙月、まず言うね」真琴は冷静に告げる。「あなたは今、完全に狙われてる側にいる」「!」沙月の肩がピクリと跳ねる。「送り主は、最初から沙月を選んで送ってきたのよ。恐らく局内に事実無根の告発メールをバラまいた段階からね。私はそう思う。その上でSDカードにわざとパスワードをかけて、暗号を送りつけてきた。それは沙月の能力を試す為だった可能性がある。どこまで自分の力で、やり遂げられるかをね」「そん……な……」沙月は息を呑んだ。「警察には知らせるなってメッセージもそう。あなたの反応を伺っている。相手は何もかも沙月のことを掌握していると思っていい」真琴は指を一本立て、はっきりと言い切った。「だから、ホテルから出ないこと。これは絶対」「……絶対……?」「そう、絶対。外に出た瞬間、尾行される可能性がある。誰が敵で、誰が味方かも分からない。だから、ここから一歩も出ないで」「分かった……言うとおりにする」沙月は小さく頷いた。真琴は次に、沙月のスマホを指差す。「それと、個人のスマホもPCも全部アウト。触るだけで危険。情報を抜かれてる可能性があるから。テレビ局の仕事はどうなってる? 休めそうなの?」「実は明日からはリモート・ワークになったの」「へぇ、それなら都合がいいじゃない。局のノートPCは持ってるでしょ? あの軽いやつ。SIM入りの」「うん……いつも持ち歩いてる」「なら最低限の仕事はできるね。公衆のWi‑Fiは絶対に使っちゃだめ。個人端末は全部禁止ね。新しいスマホとPCは、私が全部手続きするから」一つ一つ指示していく真琴。その姿はとても頼もしく、沙月は胸が熱くなる。「……真琴……ありがとう……」真琴は机の上のSDカードをつまみ上げた。「これは私が預かる。沙月が持ってたら危険すぎるから。中身をもっと分析させてもらうね」「うん」すると真琴は立ち上がった。「さてと、それじゃそろそろ帰るね」「分かった」沙月も慌てて立ち上がり、扉へ向かう真琴に続く。「沙月……」真琴は扉前で振り返った。「大丈夫、私がいる。一人じゃないから」「ありがとう、真琴」「うん、またね。ちゃんと鍵を掛けるのよ」「
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