知佳は一日中ぼんやりしていたが、このときようやく少し我に返り、翔太の言いたいことがすぐに伝わった。そして慌てて言った。「どうしてそんなこと言うの?私とおばあちゃんがあなたたちにたくさん迷惑かけたのに、まだお礼も言えてないもの」翔太はただ苦笑いするだけだった。おばあさん、どうか無事でいてくれ!聖也は翔太の肩をぽんと叩いた。「君と君の家族にはもう十分感謝してる。本当に、今月は知佳ちゃんの面倒を見てくれて大変だったろ」翔太は目が赤くなったが、何も言わなかった。ここで「ちゃんと守れなくて、だから申し訳ない」なんて言ったら、相手に慰めさせることになるだけだ。「みんなでおばあさんを見つけましょう!」翔太はもう家に電話していた。父親に直接かけ、父親も本腰を入れて探す準備を始めていた。「そうだな!おばあちゃんはきっと大丈夫。君も先に休んで。じゃあね」翔太と別れたあと、孝則は聖也と知佳を予約していたホテルへ連れて行った。海城にある一流ホテル、その最上階のプレジデンシャルスイートを二部屋取ってあった。けれど知佳はぼんやりしたままで、エレベーターを降りて聖也の後ろについて行き、そのまま彼の部屋に入ってしまった。聖也が振り向くと、俯いたまま前だけを見て歩き、危うく彼にぶつかりそうな知佳がいた。彼は仕方なく首を振り、孝則に言った。「知佳の荷物もこっちに運んで」この状態で彼女を一人の部屋にさせるのはどうしても不安だった。スイートの間取りをざっと見て、問題ない、ソファで寝ればいいと思った。荷物という言葉を聞いて、知佳はようやく夢から覚めたみたいに言った。「私たちの荷物、戻ってきたの?」彼女は飛行機が着陸してから時間に追われることしか頭になく、荷物を待つことすらしていなかった。荷物がなくなるなんて大事でも、良子がいなくなったことに比べたら――知佳は胸の奥を丸ごとえぐり取られたみたいだった。「戻ってるよ」聖也が言った。「斎藤さんが取ってきてくれた」知佳は振り返り、無理に笑った。「ありがとうございます、斎藤さん」孝則は軽く一礼した。「当然のことです、ロッシさん、菅田さん。お休みください。私はこれで失礼します」知佳がまともに休めるはずもなかった。ソファに座っても、頭の中は良子がどこへ行ったのか、そればかりだった。「知佳ちゃん」聖也はしゃ
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