Semua Bab 婚約者は私にプロポーズをしたその口で、初恋の幼馴染に愛してると宣う: Bab 191

191 Bab

191話

◇◆◇ 国際線の成田空港。 キャリーケースを引き、空港内に入ってきた女性は、真っ赤な唇をにんまりと吊り上げ、かけていたサングラスを外した。 「久しぶりね、日本。待っていて、私の大切な婚約者、涼真。すぐに会いに行くわ」 女性は、カツカツとヒールの音を響かせ、スマホを取り出し誰かに電話をかけた。 ◇◆◇ パーティーが終わった後、私たちは一気に忙しくなった。 涼真さんは、先日のパーティー主催者の氷室社長と何度か打ち合わせを重ねている。 その間、私は一時的に涼真さんの秘書から離れ、生地開発の方の仕事に集中した。 秘書として仕事をしていないから、涼真さんと顔を合わせる機会もとても少ない。 パーティーに参加する前にあれだけ涼真さんといつも一緒に行動していたのが嘘みたい。 涼真さんとは、家で顔を合わせるくらいで終わってしまっていて、私は会社に出社するなりすぐに開発室に籠ってしまうし、涼真さんは涼真さんでとても忙しいから全然会えないし、会話をする暇も、無い──。 私は、改札室でぺたりと頬をつけてデスクに突っ伏す。 「涼真さんとお話、したいなぁ……」 同じ会社にいるはずなのに、全然会えない。 いえ、会えないのは仕方ないんだけど。 私も、この仕事が大事だし、どうしても生地の開発を成功させたい。 今のままでも清水グループの生地には十分勝てるだろうけど、完璧に完成させたい。 「よしっ!定時まであとちょっと!時間が合ったら涼真さんと一緒に帰りたいなぁ」 ここ数日は、涼真さんは遅くまで残業していたから中々時間を合わせて帰る事が出来なかった。 だから、今日は定時で上がって。社長室に行ってみよう。 そう決めた私は、気合いを入れて今日の仕事に取り掛かった──。 定時。 帰宅する人で会社のエントランスは賑わっていた。 私は、エントランスで涼真さんと待ち合わせをしていて。 涼真さんに連絡をしてみたら、今日は仕事を定時で終わらせて下りる、と言ってくれたから。 久しぶりに一緒に帰ろう、と約束したのだ。 「まだかな……」 エントランスの柱に背を預けて涼真さんを待っていると、私の前をヒールの音を響かせて通り過ぎる女性が居た。 「──?こんな時間に来社……?打ち合わせかしら?」 珍しい、と思っていると、視界の隅に涼真さんの姿が映る。 「──あっ!」
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-01-11
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