「──滝川っ」 清水瞬は、恨みの籠った目で涼真さんを睨み付けている。 涼真さんは彼を見下ろしたまま、睨み返していて。 2人の間にはピリピリとした緊張感が漂っていた。 「──……そもそも、お前がしゃしゃり出てこなければ……っ!お前がいなければ、心は今も俺の隣に居たのに……!」 清水瞬がそんな事を叫ぶ。 なんて自分勝手な事をいうのだろう。 私は、私と婚約を破棄してからの彼の言動にどんどん幻滅していた。 こんな、自分の事しか考えない人に、私は夢中になって数年間も無駄にしたのだと考えると虚しくなってしまう。 「……俺が心を助けたのは偶然だった。だが、俺がいなくとも遅かれ早かれ、お前と心は駄目になっていたさ。お前と柳麗奈の関係に、心は気が付いていた。どうせ近い内に心はお前を見限って、お前から離れていく」 「──気付いて……っ!?」 涼真さんの言葉に、清水 瞬は私に振り向く。 清水瞬は意外とばかりに驚いたような顔をしていて。 どうしてあんなに頻繁に逢瀬をしていたのに、ばれていないと思っていたのだろう。 「だ、だが……あの頃は……まだ浮気をしていると心は気付いていなかったんじゃあ……」 「ええ……。確かに私はあの頃まだ清水社長の浮気には気付いていませんでしたね。……だけど、麗奈が私に親切に教えてくれました。──清水社長とホテルに入った、とか……2人が抱き合う動画などをわざわざ送ってくれていたので」 「──は……?」 私の言葉に、清水瞬は唖然と目を見開く。 まさか、麗奈がそんな事をしているとは知らなかったのだろう。 涼真さんは不快感を顕にして吐き捨てるように告げる。 「何て醜い女だ……その女の醜悪さには呆れるな」 「──っ」 涼真さんの言葉を聞き、清水 瞬は羞恥に顔を真っ赤に染めた。 そして、涼真さんは畳み掛けるように彼に向かって吐き捨てた。 「そんな醜い女の素性にも気付かず、まんまとあの女の策略に嵌り、お前は心を傷付けて捨てた。……自業自得だ。……当時、まだ子供だった心に清水家が助けられたと言うのに、恩を仇で返すとはな」 「──っ」 清水瞬を助けるために、私が権利を手放した事を涼真さんが口にする。 清水瞬も、その事には既に気付いていたのだろう。 唇を噛み締め、悔しさに顔を歪めているのが見える。 「──知らなかった、俺は
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