◇ 間宮から話を受け、俺は間宮と共に柳 麗奈を診てもらった病院にやって来ていた。 「全く……せっかく心とゆっくりしようとしたのに……柳はこんな時まで邪魔をするんだな……」 「ははは……、しょうがありませんよ。何故か病院からの連絡は緊迫していたような感じでしたから……」 「詳しい話は聞いていないのか?」 俺の言葉に、間宮は「いえ……」と告げてため息を吐いた。 「……私も、今週は持田さんと部屋を探しに行く予定だったんですが……。持田さんに部屋探しを任せっぱなしになっちゃってて……」 「──ああ。そうだよな、持田さんと間宮も新居を探すんだったのにな……」 肩を落とし、ため息をついている間宮の肩を、俺は元気付けるようにぽん、と叩いた──。 病院に着いた俺たちを待っていたのは、柳 麗奈の診察をした医者。 昔から滝川家の専属医として働いていてくれている。 多少無茶な事も、滝川家の頼みならば聞いてくれる医者だ。 そんな医者だが、俺たちを部屋に案内すると、神妙な面持ちで口を開いた。 「滝川様……。昨日連れて来られた女性ですが……彼女、妊娠しております」 「──何だと!?」 「詳しい検査をしないといけませんが、妊娠は確実かと……。週数については、再度あの女性を連れて来てくださらないと詳しい事までは分かりません……」 「柳が、妊娠……?」 俺の頭の中にはふ、と「どっちの子だ」と言う言葉が浮かんだ。 何も知らないままだったら。 柳の子供は清水の子だろうと判断していただろう。 だが、柳と黒瀬の関係を目の当たりにしてしまった以上、もし、万が一黒瀬の子供だったとしたら。 「……清水が知れば、大変な事になるだろうな」 「滝川様?」 「いや……何でもない。柳が妊娠している事は分かった……。他に大きな病気などはないか?」 「──ええ、今のところは」 こくり、と頷いた医者に俺は「分かった」と告げて座っていたソファから立ち上がる。 今から柳の居る場所に向かい、柳に告げなくてはならない。 それに、あの場所に軟禁しておく事も、もう出来ない。 相手が妊婦である以上、これ以上体に負担をかけて子が流れてしまったら──。 子に、罪は無いのだから。 どんなに母親が悪どい事をしていたとしても。 心をどれだけ傷付けて来ていたとしても。 心身に負担をかけて
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