ノアが驚きの声を上げる。その声は、恐怖と興奮が入り混じっていた。「キャー!! ドラゴンなの!!」 ノアはさらにそらの腕に強くしがみつき、全身を震わせた。 そらは落ち着いた声で、ノアの頭を優しく撫でながら安心させる。「大丈夫だよ。ノア、友達だから」 すると、巨大な体躯を持つドラキンが、空中で翼をゆっくりと動かし、少し謙虚な態度で答える。その重厚な声には、そらへの畏敬の念が込められていた。「友達などと、めっそうも御座いません」 そらはドラキンに尋ねる。彼の無邪気な質問は、巨大なドラゴンに対する態度としてあまりに自然すぎた。「この辺に、イノシシの猛獣とか魔獣の群れとかいる場所ないかな?」 ドラキンが巨大な首を静かに下げ、丁寧に案内を申し出る。「ご案内いたします。背中にお乗りくださいませ」 そらはノアを片腕でしっかりと抱え上げ、躊躇なくドラキンの背中に飛び乗った。硬い鱗の感触が手に伝わる。 そして、ドラキンがゆっくりと巨大な翼を広げ、空へと飛び立つ。ノアは驚きに目を真ん丸くして、そらの服にしがみついた。地上から離れるGと、伝説の存在であるドラゴンの背中に乗っているという非現実的な状況に、ノアの体はおどおどと小さくなる。「ひゃあ……! そらって、とんでもないお友だちがいるの」 ノアは息を呑みながら、風を切る音に負けないように小さな声で呟いた。その表情には、驚きと感心、そして少しの怖さが混ざり合っていた。 そらは少し照れながら、ノアの頭を軽く撫でて返す。「あんまり友達はいないけどね」 約10分ほど飛んだ後、ドラキンが夜の闇に包まれた丘のある森の中へ案内する。「こちらにイノシシの魔獣の群れが居ります」 ドラキンが静かに着地すると、そらはノアを片腕でしっかりと抱えて、優しく背中から降り立った。そして、巨大な体を見上げるようにドラキンに提案する。「ドラキンも一緒に冒険して遊んでいく?」 ドラキンはその提案が意外だったの
Last Updated : 2025-11-19 Read more