All Chapters of 異世界に子供の姿で転生し初期設定でチートを手に入れて: Chapter 91 - Chapter 92

92 Chapters

89話 アリアの嫉妬と「ズルい」の攻防戦

「他には、ないの?」 そらが更なる用途を尋ねると、ティナは「うーん……」と頬に手を当て、再び首をかしげる。その真剣に考える仕草が、あまりにも可愛らしくて、そらは内心で軽く悶絶した。いや、だから、その仕草が可愛すぎるんだって!「それくらい、でしょうか?」 逆に聞かれても困る。それだけだったら、俺にとってはあまり必要ないかもしれない。そらは魔石の用途が自分の予想より限定的であることに、少し残念に思った。「それだけだったら、売るだけになりそうだよね」 そらの正直な感想に、ティナは少し申し訳なさそうな顔をした。「ごめんなさい。わたしは、そんなに詳しくないの」 ティナがしょんぼりとした表情を浮かべるので、そらは慌てて彼女を安心させた。「いや、十分に助かったよ。ありがとね」 そらが改めて室内を見渡すと、ふと気づく。周りの皆はソファやベッドに身を預け、すっかり寝入っていた。穏やかな寝息が静かに聞こえてくる。「あれ? 起きてるの、また二人だけになっちゃったね」「本当ですね」 ティナがクスッと笑う。その笑顔は、まるで星の光のように、暗い部屋の中で輝いていた。「起こすのも悪いし、外で話す? もう寝る?」 そらが選択肢を提示すると、ティナは楽しそうな声で即答した。「それでしたら、外で話しましょうか」 ティナの元気な返事に、僕の口元が自然と緩む。夜の二人だけの会話を楽しむためと、夜風で体が冷えないようにと、収納に入っている物を思い出した。「紅茶でも飲む?」「そんな高い物があるのですか!? 飲みたいです!」 ティナは高級品の紅茶と聞き驚いた。そして彼女の瞳が好奇心と期待に輝いた。そらは早速、ティーポットに魔法でお湯を満たし、厳選された紅茶の葉を入れて、丁寧に茶漉しで濾し、コップに注ぐ。立ち上る芳醇な香りが、部屋の中に広がる。 しかし、注ぎ終わった瞬間、外にはテーブルも椅子もないことに気づいた。そらはすぐに外に出て、空いた空間に魔法で優雅なデザイ
last updateLast Updated : 2025-12-24
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90話 巨大な魔石とワイバーン討伐依頼

「なら放っておいても大丈夫だね」 そらはティナの言葉を信じ、魔王の話題を特に気にする様子もなく、軽く頷いた。 そらの言葉に、アリアが大きなあくびをした。眠気が限界に達していたようだ。「難しい話しはイヤなのです!」 アリアは両手で目をこすりながら、不満を訴えた。「じゃあ皆で寝ようか。疲れたし」 そらが提案すると、アリアは『ぱあっ』と顔を輝かせた。「はい、なのです!」「そうですね」 ティナも穏やかに同意し、椅子から立ち上がった。 そらたちは夜空の下、外に創り出したテーブルと椅子をそのままに、再び温かな寝床へと戻った。皆の寝息が再び一つになり、そらたちは深い眠りについた。♢ギルドの喧騒とワイバーン狩り 翌日、そらはいつものようにギルドの扉をくぐった。すると、いつもと違う騒然とした空気がそらを包んだ。人々はひそひそと囁き合っており、誰もが顔に不安の色を浮かべている。何事かと、そらは受付嬢に近づき尋ねた。「昨夜、少し離れた場所で魔物の群れが暴れて、森や山を破壊して消えたんですよ!」 受付嬢は息を切らせて説明してくれた。彼女の瞳は疲労と緊張で揺れている。 ああ、そういうことになっているのか。実際は魔物の群れなど一切暴れていない。破壊したのはドラゴンで、そのドラゴンに命令したのは俺なんだけど……。そらは心の中で状況を把握した。「そ、そうなんだ?他に被害は?」 そらはとぼけた様子で尋ねる。「幸いにも近くに民家や村はなかったので大丈夫ですが、また魔物の群れが現れるんじゃないかって、この状態なんですよ」 受付嬢は、少し疲れた顔で答えた。町の緊張が彼女を通して、そらに伝わってきた。「そうだ、ぼく、近くの森に魔物が出たので討伐したんだけど、買い取ってくれるかな? 30体くらいなんだけど」 そらがいつもの調子で気軽に告げると、受付嬢は目を丸くした。驚きと疲労でいっぱいの顔が、さらに大きく見開かれる。「
last updateLast Updated : 2025-12-25
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