国王から正式にゴブリンの殲滅が認められ、そらはSランクのハンターとして推薦を受けることになった。 その推薦により、ハンターに必要な高度な知識と魔法の専門技術を学ぶため、上級ハンター養成校への入学が決まった。 卒業すればB級――まれにA級に昇格できるらしい。しかし、すでにS級の身としては、何を今さらと思う部分もある。魔力と魔力量は十分すぎるほどあるが、魔法の技術とハンターの基礎知識が不足しているらしい。それに子供でSランクの前例がなく、貴重な存在だから死なれると困る、と遠回しに言われた。彼らの言葉の裏には、優秀な戦力を失いたくないという思惑が透けて見える。 さらに、卒業すれば危険を伴わない高給のエリートギルド職員になれるらしい。だが、そらにとってそんな安定した道には一切興味がない。 それでも、簡単には死なないように学び、技術を磨けるというなら、悪くはない。確かにこの世界の魔法の知識には興味がある。しかし、入学には試験があるらしい……筆記試験の自信は皆無だったけど、幸いにも推薦枠なので免除されているらしい。彼は安堵の息を漏らした。 実技試験の当日―― 大きな魔法陣の描かれた試験会場に到着すると、そらはすぐに周囲からざわついた視線を浴びた。そして、露骨な陰口が聞こえてくる。「何で、ガキが居るんだよ!」 「試験会場を、間違えてるんじゃね?」 そらは顔には出さず、聞こえないふりをして、気にせず無視を決め込んだ。「そんなの気にしたらダメよ!」 不意に澄んだ声で声を掛けられてハッと振り返る。そこに立っていたのは、目を奪われるほど美しいお姉さんだった。 青紫がかったウェーブのロングヘアーは、背中を優雅に流れ、鮮やかなエメラルドグリーンの瞳が優しくそらを見つめていた。彼女は、複雑な紋様が施された魔術士の装束を身にまとっており、その立ち姿は優雅で、とても可愛かった。「私はティナ、13歳です。よろしくお願いします」 ティナは明るい笑顔と共に、礼儀正しく自己紹介をした。彼女のエメラルドグリーンの瞳は、好奇心に満ちている。「
Last Updated : 2025-12-04 Read more