11.第二話 あえての『流さず』 最近、涼子も麻雀が上手くなってきた。なんというか、細かい戦略を使うようになったように思う。これは間違いなく私や青澤さんの影響だろう。というのも、私達は近頃青澤さんの麻雀を研究しているのだ。だって、青澤さん強いんだもん。青澤さんとの対局で私達は勝ったためしがない。多分直接対決でまだ一度も青澤さんより上の順位を取ってないんじゃないだろうか。 麻雀は強い人が勝つゲームだというのはわかっちゃいるけど、これ程だと思わなかった。間違いなく運の要素もあるゲームなのに、こんなに差が生まれるものだなんて。 だって、青澤さんたらこの前だってこんな事したんだよ?! 状況は南3局の北家で39900点持ち二着目。トップ目の下家との点差は700点。 そんな状況で青澤さんに来た配牌が9種だった。 ※9種=9種9牌というもの。配牌時に使いづらい牌が9種類ある人は『9種9牌』と開示する事で現在の手牌を流して次の局へ進めるルールがある。 これはつまり「クズ牌多すぎ! この局やりたくない!」ということである。 (流しか。オーラス勝負だな)と見てる私は思ったのだが。なんと青澤さんは第1打を捨てるではないですか。 なんで? と思った。青澤さんは9種あればすぐに流すタイプなのに。だがこれが青澤さんという人の凄いとこ。 彼は徹底してトップ目には絞り、テンパイを入れさせなかった
Terakhir Diperbarui : 2025-09-30 Baca selengkapnya