Semua Bab 【麻雀女流名人伝】遅番女子のミズサキ: Bab 11 - Bab 20

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その2 第二話 あえての『流さず』

11.第二話 あえての『流さず』    最近、涼子も麻雀が上手くなってきた。なんというか、細かい戦略を使うようになったように思う。これは間違いなく私や青澤さんの影響だろう。というのも、私達は近頃青澤さんの麻雀を研究しているのだ。だって、青澤さん強いんだもん。青澤さんとの対局で私達は勝ったためしがない。多分直接対決でまだ一度も青澤さんより上の順位を取ってないんじゃないだろうか。    麻雀は強い人が勝つゲームだというのはわかっちゃいるけど、これ程だと思わなかった。間違いなく運の要素もあるゲームなのに、こんなに差が生まれるものだなんて。    だって、青澤さんたらこの前だってこんな事したんだよ?!     状況は南3局の北家で39900点持ち二着目。トップ目の下家との点差は700点。 そんな状況で青澤さんに来た配牌が9種だった。 ※9種=9種9牌というもの。配牌時に使いづらい牌が9種類ある人は『9種9牌』と開示する事で現在の手牌を流して次の局へ進めるルールがある。 これはつまり「クズ牌多すぎ! この局やりたくない!」ということである。   (流しか。オーラス勝負だな)と見てる私は思ったのだが。なんと青澤さんは第1打を捨てるではないですか。    なんで? と思った。青澤さんは9種あればすぐに流すタイプなのに。だがこれが青澤さんという人の凄いとこ。  彼は徹底してトップ目には絞り、テンパイを入れさせなかった
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-09-30
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その2 第三話 確率的ベスト手のデメリット

12.第三話 確率的ベスト手のデメリット   私は青澤さんや店長の麻雀をいつも立ち見していた。そして気付いたことがある。彼らはある程度手が整うまでは確率的ベスト手をほぼ確実に選ぶが、イーシャンテンやテンパイからはそうとも限らないということ。そしてそれによりアガリをものにしている。 私はその事をノートに書いておくことにした。    ――今日気付いたこと    確率的ベスト手を選ぶことにはとあるデメリットが存在する。それは『読まれる』ということ。  例えば2445をスリムにする時。まずは2そして4とするのがどう考えても確率的ベスト手だ。しかしそれを並べた捨て牌は2→4と手出しが並び、ここから3-6が危険であることが想像つかない雀士などいない。  しかし、これを受け入れ枚数が減ることを承知で4→2の順番で並べたら? 2445からというより1124あたりをイメージして1を警戒するだろう。  また逆に1124をスリムにする時も2→4の順番で切り出せばまさか1のシャンポンだとは思わない。つまり、確率的ベスト手を選択しないということは読みを外せるというメリットが存在するのである。  また、3334六七⑤⑥などのイーシャンテンの時。受け入れ枚数的ベスト手は4切りとしても六七or⑤⑥に手をかけることが良い場合がある。それは最終形が3面になる枚数的可能性の話もあるのだが、何よりそうなった場合の4の受け。つまりトリッキーな受けの部分に価値を感じるからだ。    ベスト手だけが勝ちのルートではない。とくに読みの鋭い相手である場合や、積極的に攻めてもらえるわけがない点棒状況、局面であるならばあえての受
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-10-01
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その2 第伍話 出禁客

14.第伍話 出禁客「あなたのおかげで今まで食べたことのない高級肉の味を知ることが出来ました。ありがとねん! りょうちゃん」 前日、涼子の違反行為による被害を受けた私は店長に高い肉を買ってもらって手打ちとしていた。「えええー? 全部1人で食べちゃったのー。焼肉一緒にやりたかったー」「1人じゃないわよ。ちょっとだけカー子にあげたし」 そう言って私は窓の外のカー子を指さした。カラスなんてみんな同じにしか見えないはずなのに、なぜだかあれはいつものカラスだと確信できるのは何でなんだろう。「カラスなんて残飯漁ってりゃいいんだからカラスに食わすくらいなら私に取っといてよおおお」「ガー! ガー!」「ほら、カー子が怒ってるよ。なんかあの子言葉理解してるんだから。バカにしちゃだめだよ」「そんな馬鹿な」「ガーーー! ガッガッ!」「あ、すいません。すいませんー。……ホントだわ、確かにカラスは賢いとは聞くけど、これ程とは」「でしょ?」「もうこれ鳥の放し飼いしてる状態じゃない?」「鳥の放し飼いとか聞いたことないけど」「しかもカラスのね」「ガー!」◆◇◆◇ ある日、鴨井茂樹(かもいしげき)という新規客が来店した。私は同卓することになり私の上家に鴨井さんが座った。「よろしくお願いします」「よろしく」 店長は新規さんがきちんと麻雀できてるか斜め後ろから遠目に見てた。これは新規さんが来店した時の店員の仕事のひとつできちんとこの店のレベルで打てるかを確認しなければならない。 車の運転と同じで、道路に最低速度があるように雀荘にも最低速度があるし最低技量も求められる。しかし、それ以上に必要なものがある。 この日来た鴨井茂樹という新規さんにはそれが足りなかった。 ことが判明したのは2半荘目の東1局。 1半荘見ててしっかり打てる人だったからもう見守り離れていいかなと思ってた矢先のことだった。私から見てもこの人の雀力は高く思えたし、見守りは離れて良さそうだと判断してた。が、しかし。鴨井手牌二四赤伍六七赤⑤⑥334566 ドラ3 ここに上家から打たれたのが三萬。チーして打6とする断么ドラ4満貫テンパイだ。一手変われば三色の跳満進化まで見込める手。それ以外の選択肢などない。「チー」 しかし、その後この男は長考に入ったのである。 打6とする選択肢以外存在
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-10-03
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その2 第六話 鳴きとは隙がない選択である

15.第六話 鳴きとは隙がない選択である  私は最近気が付いた。青澤さんから直取りできるのって青澤さんがメンゼンの時だけだということに。  よく聞く教えに『鳴いたら降りるな、降りるなら鳴くな』というのがあるが本当にそれでいいのだろうか? また、鳴いたなら前に出て来たから放銃も期待できるという考えもあるがそれも本当に正しいだろうか?  そもそも、それらの教えを言っていたのは共通して早番の時間帯に来るお客さんだったことに気付いた。本当に時間潰しという感じの趣味の雀士。ハッキリ言って私の方が強い。  私は最近、むしろ鳴いたら隙が無くなってしまうものと思っている。  鳴きとは、メンゼンだと出アガリ役が無くてリーチに頼らなければならない手にアガリ手段を与える行為。という見方もあり、リーチして無防備になる方針やツモにのみ頼るダマの方針を否定する選択で隙がない。 しかも鳴きなら無理な牌を引いたら押さないでおさえることも出来るし、また、そこから復活するのも自由である。  鳴いた=押してきた。チャンス! と考えるのは激甘で、むしろ鳴いたが最後。そこからアガリはもう見込めないとすら感じることもある。事実、青澤さんや店長が鳴くと(あ、もうこの局は直撃とれそうもないや)と思ってしまう私がいる。 鳴き上手の鳴きは前進させる手段でありながら守備力の高い前進を選んだという証でもあり非常に隙が少ない戦略なのである。  だからこそ麻雀には絞りが戦略として有効。相手の隙を作るために鳴かせないという考えもある。 メンゼンこそ直撃を取れる機会であり、鳴かれたら降りられるものと思うべきなのかもしれない。  その事を私はそのままノートに書いた。そして涼子にまた読んでもらった。すると 「へ〜。なるほどねー。一理ありそうだわ。実際アタシも青澤さんの鳴きって放銃してくんなくな
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-10-04
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その2 第七話 狙いすましたツーベースヒット

16.第七話 狙いすましたツーベースヒット 「ロン!」「ロン!」「ツモー!」「ツモ」 「グスン。また飛びです……」   この日の私は少し負け続きで気が滅入ってました。そんな時って勝負手が来ても正しい対応が出来ないときあるよね。  例えばこんなよ。 対子が多いし刻子もあるので、(四暗刻でもやるかー)と発進した東4局の南家。  カコンカコンと牌は重なり9巡目には一向聴まで漕ぎ着けた。だけど! ミズサキ手牌三三1113466白白白南南  ドラは二萬だ。とすればこの手は本当に四暗刻なのかという疑問が浮かぶ、ドラ付近の三萬なんて使われていて山にはないんじゃない? 役役メンホン三暗刻で跳満や倍満を目指すべきなんじゃないの?  ここで四暗刻を目指すのはもしかしたら逃げかもしれない――  役満ご祝儀は大きいからとかいう正しそうな言い訳をしてアガリ逃しをしても仕方ないと自分に言い聞かせられる方を選んでない?  本当のことを言わないと。今の状況から、より勝てるのはどちらなの。  この時の相手は青澤さんと常連さんと店長だった。 相手の力量が高すぎるとリャンメンリーチが打てなくなる時がある。(どうせ出してもらえない)と思ってしまうのだ。私はこの時気が滅入ってたからそんな思考回路になっちゃってたけど、それではだめ! 気持ちで負けるな! この手は二塁打だ。  やぶれかぶれでフルスイングしに行くな。そんな役満作りは逃げだ! チャンスを自ら潰していては勝てる勝負も負ける。  まぐれ当たりでホームランを目指すのではなく、狙いすましたツーベースヒット!&nb
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-10-05
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その2 第八話 ご案内点数

17.第八話 ご案内点数  この日は涼子も明日学校が休みなので遅くまで店を手伝ってて遅番の時間帯になっても卓に座っていた。 時刻は23時半。遅番の時間帯の常連客が多く来店する時間だ。ここから始発の時間くらいまでが遅番客の遊ぶ時間である。 「いらっしゃいませ!」 店長が声をかける。青澤の来店だ。 「おう、店長。今日は嬢ちゃんが遅番やってんのか。ミズサキはどうした」「ミズサキもいますよ。キッチンでまかないを作ってる所です。換気扇がうるさいから聞こえてないのかな。それより、ちょうどさっき始まった卓があるんだけど……涼子ー。そこ行けそうかー?」「え? うーんとね…… えへへ…」  5分前に始まったばかりではあるが涼子は今まさに清一色赤の12000に放銃した瞬間だった。 「おまえというやつは……来客に気付いたら無理な牌は切るなとあれほど言ったのに……」「何よー! 仕方ないじゃん、ピンフテンパイしてたんだもん。この局で原点に戻ってみせるからちょっと待っててよ」  涼子は今から親番だ。親満をアガれれば原点に復活する。 青澤は涼子の配牌をチラリと見て(ほう、ドラ対子のある断么九系の配牌か。確かにこれなら親満をアガれる可能性が充分ある。しかし代走にさせるとリーチも鳴きも出来ないから難しくさせるな)と思い。 「いいや、とりあえずゆっくりトイレ行ってくるから普通にやっててくれ。帰って来た時入れそうな点数なら替わるよ」と言い残しトイレに行った。 賢い選択だ。これなら涼子は全力で打てるので復活する可能性は高くなったし、復活してなくてもそれはそれで交代しなければいいだけのこと。 青澤は自分が有利になる選択をすることに非常に長けていた。
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-10-06
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その2 第九話 涼子、諦める

18.第九話 涼子、諦める  最近涼子の店にいる頻度が上がった気がする。前はほんのお手伝いっていう程度だったのに、今では頼れるアルバイトというくらいの存在感がある。 気になったので涼子が私の部屋に遊びに来たタイミングで聞いてみた。 「ねー、りょうちゃん。最近店の手伝いすること増えてるね。学校のこととかしなくていいの? なんかあった?」「……マコトにはなんでも見抜かれちゃうね。うん……実はさ、調理師専門学校辞めようと思うんだ……」「エッ!? なんで? 頑張ってたじゃん」「ん~~。確かに頑張ってたよ。でもね、もうムリ、ついてけないの。私だけ無様なくらい技能が足りないの。クラスに私1人だけ。ぜんっぜん技術が追いついてないの。当然私1人のために待っててくれるわけもなく置いてけぼり。自分で自主練してもだめ。全員自主練してるんだもん。永遠に追いつかない。…………もう、嫌になっちゃって……。   もう やめたいの」  そう言う涼子の顔は涙こそ出ていないが、とてもとてもつらそうで。無念そうで。かわいそうで。私は、うん。うん。と同意するしかなかった。 「情けないよ……。私がわがまま言って入れてもらった学校なのに、1年ももたずに辞めたいだなんてさ。こんな根性なしな自分は嫌いだよ。でも、でも……」「いい、いいから、半年以上頑張ったじゃん。ずっとつらかっただろうに、言い出さずによくやったじゃん。もういいって。私と一緒に、麻雀…やろう?」「うん」   こうして、涼子は調理師専門学校を辞めて家業を継ぐ道を選んだ。  ◆◇◆◇ 
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-10-07
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その3 第一話 ポンを見てのツモ切りリーチ

19. ここまでのあらすじ  高校を卒業してそれぞれの道に進んだミズサキと涼子。ミズサキはバイト先にそのまま就職。『麻雀こじま』の遅番メンバーとなる。一方、涼子は調理師専門学校へと進学した。しかし、涼子にとって調理師専門学校は厳しい環境であった。半年間頑張ったが辞めることを決意。 かくして涼子も麻雀こじまのメンバーとして働くことになったのだった。  【登場人物紹介】 水崎真琴みずさきまこと 雀荘『こじま』の遅番メンバー。麻雀が好きなのと働きたくないのがリンクして雀荘遅番という職業につくことを選んだ現代に生きる遊び人。まだ未熟なため給料を守るのにヒーヒー言ってる新米社員。  小島涼子こじまりょうこ 雀荘『こじま』の店主の娘でミズサキの親友。とても真面目な見た目と裏腹にかなりふざけた性格をしてる。パズルには弱くてアタマは固いほうなので麻雀はあまり向いてない。柔軟性の化身のようなミズサキ惹かれるものがあるようだ。  小島悟こじまさとる 雀荘『こじま』の店主で涼子の父。スキンヘッドで細目のいかにもなヤクザスタイルだが正真正銘のカタギでありとっても優しいお父さんである。  青澤正克あおさわまさかつ 攻めてよし、守ってよしの万能雀士。ミズサキに興味を持ったようで最近ちょくちょくこじまに来店する。  カー子かーこ 人語を理解する謎のカラス。ミズサキになぜかつきまとう。&
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-10-08
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その3 第二話 ミズサキの意図

20.第二話 ミズサキの意図 ミズサキ手牌二三三四四伍七八九③④11 ミズサキ②-⑤待ち。 (はて?)  涼子がミズサキの手を覗き込むと6索のポンと待ちに全く関連性がなかった。(一体マコトはどういう意図でこのタイミングにツモ切りリーチする事を選んだんだろう……) 単に攻めて来られたから(好きにさせないよ)という意味合いでのリーチだろうか。それもあるかもしれない。しかし、それ以上の意味がこのリーチにはあるのだった。そのヒントは4枚枯れてる2索にある。 結果、この局は流局寸前にミズサキがツモアガリで700.1300を決める。   ――後日。  涼子は先日ミズサキの行ったツモ切りリーチの意図を聞いてみた。「あ、あのさー。数日前の話なんだけど。マコトがツモ切りリーチしてナナトーサンツモったの覚えてるかな。青澤さんとかが同卓の時の」「ええ? よくやることだし青澤さんも毎回のようにいるからそれだけじゃ思い出すヒントにならないんだけど」「そうか……ええと。6索のポンが入ってた」「ああ、あれね。待ちは②-⑤で流局寸前でツモったやつでしょ?」「そう! それ」 「あの時2索が場に4枚見えてたの覚えてるかな」「そうだったね。でもそれが?」「つまり索子は3から9までしか存在せず、さらに今のタイミングは6がポンされた所だとなればリーチが有効だと私は思う」「その理由は?」「まず仮にこれをリーチしないままにしてるとして、この6索ポンにより場はどう変化した?」「えっとお、6索の跨ぎやスジが切りやすくなった?」「そう。しかも今回は索子が3までしかないから345789の6種が
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-10-09
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