41. 第伍話 クイズの答え 3階に上がり、一番奥の部屋に辿り着いた。「ねえこのヒモ。なんでこの部屋の扉にだけあるのか私わかったよ」「えっ、なんなのそれは?」「これでキュキュにも扉を開けられるようになってるんでしょ。ヒモをひっぱるだけでノブが下がるようになってるもん」 私はそう言ってヒモをクイッと下げてみせた。すると予想通りノブが簡単に動いた。 「なーるほど」「鍵を閉められてたらアウトだけど開いてる状態ならヒモで扉を開けれるようにしたんだね。面白い工夫をするなぁ」「ピ◯ゴラ装置みたい」「そこまでじゃないでしょ」 カー子(エル)から渡された財布からカードキーを取り出して私は部屋を解錠した。 ピピッ! ガチャ 「開いた。よし、入ろう。ただいまぁ~」「『ただいま』て……そこは『お邪魔します』じゃないの? マコト、自宅意識になるの早すぎでしょ」「だってこれからはここに住むんでしょ? そしたら私ンちなわけだから『ただいま』だよ!」「それはそうかもだけど。やっぱりマコトは柔軟だなぁ」 ────── 「あ!」 急に何か思い出したのか、いきなり涼子が大声を出した。 「びっくりした。……なに?」「そういやさ、帰り道で話すって言ってたクイズの答え聞いてないや。エルにワープで送ってもらったからすっかり忘れてた」「あー、そういやそうだったね」「なんだっけ。『東家が8回連続でアガれば八連荘。では、南家が8回連続でアガるとどうなるでしょう』だっけ? そんな感じよね」
Last Updated : 2025-10-30 Read more