51. 第六話 マタイの戦略 白ポッチ(永遠制)のルールが面白いとマタイさんが言うので、その時はマタイさんしかお客さんがいなかったのもあり、今夜は白ポッチ永遠制の三人麻雀であと一人来るまでの暇つぶしをすることにした。 「ルールはどうします?」「おれ、三人麻雀って全然知らなくて。三人麻雀の正式ルールを1から覚えるのは面倒だから普通の麻雀を三人でやる方式をとって欲しいな」「わかりました。それはありがたい申し出です。りょうちゃんも私も実を言うと三人麻雀には明るくないからその方がいいもんね」「そうね」 マンズの2〜8を抜くやら、最後まで取るやら、35000点スタートやらのルールは不採用とし、私たちは三人で四人麻雀をやった。 「ツモった時の点数はどうしよっか」「『損する』でいいんじゃない?」「分かりやすいからそれがいいか。じゃ、それで」 ──── 私たちはいい勝負をした。実力で劣る涼子もこの日は勝負手がどんどん入る展開で強かった。 私とマタイさんは涼子の先制攻撃を受けつつの反撃をするパターンがほとんどだったが、私は反撃するのは得意な方だ。むしろ反撃する時こそ麻雀っていうか、戦ってるっていう実感が楽しいっていうか。そういうのわかる人もいるよね? マタイさんは先制攻撃されるのは嫌らしく、本当に嫌そうにしてたけどそれでも要所要所でキチンと反撃を決めてた。 そしてたまに出る白ポッチツモ。これが楽しい。 もはやリーチをする大きな理由の一つとして(白ポッチがまだあるな)というのも含まれるような状態であった。それくらい、白ポッチでアガれるということはテンションが上がることなのだ。少なくとも私と涼子にとってはそうだった。 その私たちの心理状態をしっか
Last Updated : 2025-11-09 Read more