軍人さんに不安を抱きつつも任務内容を話した。「貴方の任務は、ミリアの護衛とお金を借りる振りをしてもらう事です。それと、金貸しの不正があった場合の証人ですね。字が読めない人への説明が無く、返済金の合計額を言わないで、借りたお金の本当の返済金額を返済期日を過ぎてから返済しろと言ってくるのも違法ですよね?」 俺が確認すると、軍のお偉いさんを見ると頷いていたので問題は無いようだ。彼の表情は、事態の深刻さを理解したように引き締まっている。「不正の取締だったのですか……」 お偉いさんは、合点がいったように呟いた。「そうですけど?」「でしたら不正があった時の為に、兵士を手配をしておきます」「よろしくお願いします」 俺は深く頭を下げた。兵士の準備も出来て3人で金貸しのある店の近くまで馬車でやってきた。馬車の中は、微かな緊張感とミリアの浮かれた空気が混じり合っている。ミリアは窓の外を眺め、楽しそうに鼻歌を歌っていた。「さ~て……ここからは歩きで向かうよ」 俺は馬車を降りて、2人に声をかけた。「はぁ~い」 ミリアは……なんというかデート気分なのか楽しそうで、足取りも軽やかだった。一方の兵士さんは緊張で一言も話さず、緊張しきっていた。その顔は、まるで堅い岩のようだ。額には、冷や汗が滲んでいた。「はい!」 兵士は相変わらず軍人らしい大きな声で返事をした。「喋り方に気を付けて下さいよ……演技がバレたら終わりですからね?」 俺は、再度釘を刺した。「はい……」 兵士の声はわずかに小さくなった。その声には、反省の色が滲んでいる。「ミリアの名前は?」 俺は、もう一度確認した。「はい……ミーアですよね?」「はい、あってます」 店に入ると、偉そうな店主が自ら対応をしてく
Huling Na-update : 2025-09-28 Magbasa pa