異世界に転生をしてバリアとアイテム生成スキルで幸せに生活をしたい。第二章 のすべてのチャプター: チャプター 41 - チャプター 50

56 チャプター

40話 瞬間制作に驚愕する王女と、時間短縮の失敗

「そうしますと……お値段が3倍以上になりますけど?」 俺は正直に伝えた。その額に、彼女がどう反応するか、少し興味があった。「構いませんわ。2本頂けるかしら」 彼女は即座に答えた。その決断の早さに、俺は少し驚いた。「え? 2本ですか?」 俺は思わず聞き返した。「はい。妹の分ですわ」 彼女はにこやかに答えた。その笑顔には、妹への深い愛情が感じられた。「装飾する宝石の種類とデザインを決めたいのでアクセサリーのお店の方へ来て頂けます?」「ええ。宜しくてよ」 そう言うと、彼女は護衛の男性を引き連れてアクセサリー店にやってきた。と言っても……隣だけどね。大、中、小の宝石が煌めくカウンターで、彼女は紙にデザインを描きながら、熱心に選んでいた。その瞳は、キラキラと輝いている。「こんな感じが良いかしら……どうです?」 彼女が差し出したデザイン画を見ると、自分用はシンプルで大きな宝石がグリップの先端に裏表に1個ずつ、合計2個のデザインだった。一方、妹の分は小さな宝石が散りばめられており、豪華で派手な印象だった。どちらもセンスの良さが伺える。「これで、お決まりなら制作をしちゃいますけど大丈夫ですか?」「ええ。いつ頃に出来上がります?」「少々お待ち下さい……」「ええ。分かりました」 店の奥に入って作業をした振りをして、ナイフをイメージして2本出した。そろそろ……良いかな……。俺は、出来上がったばかりのナイフを手に、店のカウンターに戻った。「えっと……こんな感じで良いですか?」 俺がナイフを渡すと、彼女は目を丸くして固まっていた。その表情は、驚愕以外の何物でもない。「……はい?」 やり過ぎたか?イメージをすればアイテム制作ですぐに出来て
last update最終更新日 : 2025-10-25
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41話 貴族っぽい少女の正体

♢予期せぬ出会い、ミレーナ王女ユリシス 貴族らしき少女が、俺とミリアの会話に驚き、顔を少し青褪めさせて慌てた様子で質問をしてきた。その瞳は、不安そうに揺れていた。「……え? えっと……ど、どちら様でしょう?」「わたくし、帝国のミリアですわ」 ミリアは、堂々と胸を張って答えた。その声には、一切の迷いがなかった。「へ? ……あ、こ、これは……ミリア皇女殿下を失礼いたしました」 椅子に座っていた貴族らしき少女は、途端に顔色をなくし、慌てて立ち上がると、流れるような動作で跪き、深々と頭を下げた。まるで、水が流れ落ちるかのような素早さだった。すると、お付きの護衛も慌てたように主に続き、全く同じ動作で頭を下げた。 3人の護衛かと思っていたら……7人の護衛だったらしい……。きっと、他に3人はいるんじゃないの? ぴったり10人と見た! 俺は内心で、そんな推理を巡らせた。「お辞儀は、もう結構ですわ。お客様なんでしょ? ユウヤ様のお客様に頭を下げられては印象が悪くなってしまいますわ」 ミリアは、穏やかな口調で少女に声をかけた。その表情には、少しばかりの気遣いが浮かんでいる。「お気遣ど~も」 俺はミリアに軽く礼を言った。「わ、わたしはミレーナ王国の第2王女ユリシスです……。宜しくお願い致します……。」 少女は、緊張した面持ちで名乗った。その声は、わずかに震えていた。あ、やっぱり……。貴族にしては、護衛が多い気がしてたんだよな……王女様ですかぁ。俺は内心で納得した。「わざわざご丁寧に。こちらこそ宜しくお願い致しますわ」 ミリアは、優雅に微笑んで答えた。「あ。こちらは、わたしの婚約者のユウヤ様ですわ」 ミリアが、俺のことを自慢げに紹介してくれて
last update最終更新日 : 2025-11-01
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42話 「自害用ですわね」というミリアの平然とした説明と、ユウヤの驚愕

 金髪でロングヘアーで前髪を後ろで可愛く青色のリボンで結んでいる。俺たちと同じくらいの歳頃で、見た目は落ち着いている感じだ。しかし、ナイフで甲冑を突く辺り、結構な"おてんば娘"っぽいよな。そういえば……あの掛け声とか可愛かったな。「そのナイフって何に使うの?」 俺は、ふと気になって尋ねた。「はい。護身用です」 ユリシス王女は、はっきりと答えた。「まぁ……それと、自害用ですわね」 ミリアが会話に入ってきた。その言葉に、俺は思わず固まった。は?自害用?「え?」 俺は、聞き間違いかと思い、ミリアを見つめた。「盗賊や他国に捕まった時に、辱めを受ける前に自害する為のナイフですわ」 ミリアは、平然と説明した。「あぁ~なるほど、それを使わない事を願ってるよ。それ、ミリアも持ってるの?」 俺は、ミリアの身を案じるように言った。「ええ。勿論ですわ」 ミリアは、迷うことなく頷いた。「持ってたんだ。見せてくれる?」「え? あ、はい。こちらですけど……」 ミリアは、少し躊躇うようにしながらも、懐からナイフを取り出した。それを見ていたユリシス王女が、驚いた顔をしていた。自害用のナイフを渡すことは、心から信用したものだけだ。もし捕まりでもしたら自害できない。護衛が当然潜んでいるが、ミリアを人質にされては手が出せない。ユリシス王女の表情には、一抹の不安と、そしてミリアへの信頼が入り混じっていた。 ミリアが懐からナイフを取り出して見せてくれた。そのナイフを鑑定してみると、"Bランク"のナイフだった。十分だと思うけど、俺の嫁さんになる女性なので"Sランク"は、やり過ぎだと思うから"Aランク"の品質で、同じようなデザインのナイフを取り出して渡した。その刀身は、月光のように鈍く輝いていた。「ミリアにプレゼントするけど……ミリアも使わないことを願ってるよ」 俺は、ナイフを差し
last update最終更新日 : 2025-11-02
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43話 ミリアが羅列するユウヤの驚異的な肩書き

「えへへ……♪  薬屋で金属職人、武器屋でもあるのですよ。それに冒険者で王子様で、わたしの婚約者ですわぁ♡」 ミリアが俺を見て、デレデレした顔で答えた。その青く透き通った瞳は、俺への愛でとろけそうだった。俺の腕に抱きつく力が、さらに強くなる。 ま、まあ、否定できないか。実際に手を出している商売だし。「はぁ……そうですか……凄い肩書を、たくさんお持ちなのですね……?」 ユリは、呆れたような感心したような、複雑なため息を漏らした。「そうなのですよ。……そして、次期皇帝になりますのよ」 ミリアは、満面の笑みで、まるでそれが当然の事実であるかのように言い放った。その青く透き通った瞳は、確信に満ちている。「わぁっ!……そ、そうなのですね。……ユウヤ皇帝陛下」 ユリは驚きのあまり、思わず最上級の敬称を口にした。 いや、それは違うだろ!皇帝は聞いてないぞ!?無理だから!帝国が崩壊するって!俺の顔は、驚愕と焦りで引きつる。「え? 俺が? は? どこの情報!?」 俺は思わず前のめりになって詰め寄った。「そうですわよ! わたしの夫ですわよ。皇帝に決まっていますわ」 ミリアは、一切の疑問を挟む余地を与えない口調で言い切る。その表情は、俺の戸惑いを純粋に楽しんでいるようでもあった。 はぁ……考えたくないね、それは。もう、勘弁して……ウソでも言わないで。 屋敷に帰ろう……か。「ミリア帰るよ」「はい♪」 ミリアは、俺の腕を掴み、嬉しそうに頷いた。「では、ご一緒させて頂きます……」 ユリシス王女は、まだ驚きを引きずっているようだったが、すぐに表情を引き締め、恭しく申し出た。
last update最終更新日 : 2025-11-03
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44話 「結婚してくれ」「キスしてくれ」というユウヤの冗談へのシャルの意外な返事

「ん?」 俺は立ち止まり、彼女に視線を向けた。「あ、すみません。あ、あの……二人にしないで下さい……」 そんな目を潤ませて見つめるなって。ん……可愛くて助けたくなるって、こういう事なのね。でも、女子二人に俺が一人って……気まずいんだが。だれかいた気がする。明るくて……天然の……子が。「そうだ。俺よりもっと……頼りになる人を呼んであげるよ」「どちら様でしょう?」 少し不安そうな顔をしているユリ。「えっと……シャルって子でミリアと仲良しで、明るい子だよ」 シャルなら場の雰囲気を明るくしてくれるだろ。まさに適任者って感じだよな。「それは助かりますわ。お願い致します」 ユリは、安堵したように、微かに口元を緩めた。「少し待っててね。すぐに呼んでくるからさ」「ユウヤ様が直接ですか? 使用人に行かせれば良いのでは?」 使用人じゃ……時間が掛かりそうだし。俺の使いじゃ、すぐに会えないと思うんだよな……一応、王女様だし。まあ……ミリアの使いなら国王でも、すぐに呼び出せそうだけど。「すぐに戻ってくるって。ミリアが戻ってきたら、城に忘れ物を取りに行ったって言っておいてくれる?」「は、はい。かしこまりました……お願いします」 ユリシス王女は、不安そうながらも、俺の頼みを受け入れた。 ――屋敷を出て馬車で王城へ向かった。 おおぉ。一人だと気楽で良いなぁ……。馬車も広いし、ゆっくり休めるなぁ~もしかして初の一人の馬車だな。窓から流れる景色を眺め、わずかな自由を満喫する。流れる風が、心地よい。 一人で乗る馬車を楽しんでいると、城門が近
last update最終更新日 : 2025-11-04
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45話 馬車の中の甘い誤解

 豪華な応接室に、再び静寂が満ちていた。ユウヤは、目の前で優雅に紅茶を嗜むシャルに、少しだけ緊張しながら視線を向ける。「えぇ……求婚にいらしたのではないのですか?」 シャルは、瞳を潤ませながら、まるで信じられないとでもいうようにユウヤに問いかけた。その声は、震えていて、今にも泣き出してしまいそうだった。「ちがうわっ!ミリアに殺されるって……」 ユウヤは、思わず身を乗り出して、声を上げた。冗談めかして言ったが、その言葉には、ミリアの激しい嫉妬を恐れる、本心からの焦りが滲んでいた。「では……何の用でしょう?」「あ~えっと、家に泊まりに来ない?」 ユウヤは、居心地の悪さを誤魔化すように、少しだけどもったいない言葉を口にした。「はい。是非行きたいですわっ!」 シャルは、ユウヤの誘いに、瞳をきらきらと輝かせた。その即答の勢いに、ユウヤは思わずたじろいだ。もしかして俺が家を持っていて、そこに泊まりに来ないかと誘っているって勘違いしてる?「家にって言ってもミリアの屋敷だぞ?」「はい♪」 満面の笑みを浮かべるシャルに、ユウヤは拍子抜けした。勘違いでは無さそうで良かったと胸をなでおろす。でも……王様の許可が出るかな……? 大事な一人娘だろうし……。王宮で可愛がられて育てられていそうだしな~と、ユウヤは不安にかられた。「じゃあ、王様の許可を取ってきてくれる?」「は~い」 シャルが嬉しそうに返事をすると、すぐに使用人を呼んだ。ミリアの屋敷に泊まりに行きたいと伝えると、使用人は驚いた顔で一度退出した。しばらく待っていると、足早に戻ってきた。その表情は、どこか驚愕しているようにも見えた。「許可が出ました……」 使用人があっさりと許可が下りたことに驚愕していた。通常は、ルートの確認やルートの事前確認や警備体制の確認やら手続きがあ
last update最終更新日 : 2025-11-05
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46話 褒め言葉が招く新たな火種

「よし。いつもの可愛い顔だな」 「可愛い」と言われて機嫌が直ったシャルが、にこにこと笑みを浮かべていると、すぐに馬車はミリアの屋敷の前に到着した。馬車の扉が開くと、玄関の前にミリアが心配そうな顔で立っているのが見えた。 ユウヤを見つけた途端、彼女の顔に安堵の色が広がったが、すぐに隣に座るシャルロッテの姿を視界に捉え、その表情は再び曇っていく。「ユウヤ様……またシャルロッテですの?」 ミリアは、頬をぷくりと膨らませて、不満をアピールしてきた。その拗ねた表情は、ユウヤにしか見せないものだった。「ユリの相手を頼もうと思って呼びに行ってた」 ユウヤは、咄嗟に思いついた言い訳を口にした。「はぁ……そうですか……」 ミリアは、納得できない様子で、ユウヤをじとっとした目で見た。その視線は、嘘をついているんじゃないかと探るように、ユウヤの心を見透かそうとしていた。ユウヤは、仕方なくミリアに近づき、彼女の耳元に口を寄せた。「シャルにユリの相手をしてもらえば、二人の時間が出来るんじゃない?」 ユウヤが耳元で小さくささやくと、ミリアの目が一瞬で大きく見開かれた。彼女の頬は、みるみるうちに赤く染まり、口元が嬉しそうに緩んでいく。「わぁ……そうですわね♪」 屋敷のリビングには、ユウヤ、ミリア、そしてシャルとユリが集まっていた。ユウヤは、機嫌が直ったミリアに内心で安堵しつつ、二人の紹介を済ませようと口を開いた。「この子がシャルで、こっちがユリね」 友達を紹介するような、ごく簡単な言葉だった。だが、その瞬間、隣にいたミリアの表情が凍りついた。「何ですか、その紹介は!」 ミリアに、呆れたような、怒ったような声で注意をされた。「え?……ダメ?」 ユウヤは、ミリアの剣幕に戸惑い、きょとんとした顔で尋ねた。「全然ダメですわ。もぉ!」 即答でダメだ
last update最終更新日 : 2025-11-06
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47話 皇女と王女での女子会が始まった。

「ユウヤ様……むやみに可愛いと仰らないで下さい。求婚してるのと同じですわよっ」 ミリアは、低く、真剣な声でそう言った。その瞳は、ユウヤをまっすぐに見据え、その言葉の重みを突きつけてくる。「え? そうだったのか。大人しく俺は部屋に戻ってるわ……」 ユウヤは、その言葉に心底驚き、居心地が悪くなった。とんでもない失言をしてしまったことに気づき、その場から逃げ出すように部屋へと向かった。 よし。あとはシャルに任せておけば大丈夫だろ……持ち前の明るさと可愛いオーラで、その場の雰囲気を明るくしてくれ。そう心の中で祈るように呟きながら、ユウヤは足早にその場を後にした。 部屋に戻ろうと踵を返したユウヤの背中に、シャルの明るく弾んだ声が飛んできた。「でしたら……わたしもご一緒致しますわっ♪」 その言葉に、ユウヤの足はピタリと止まった。振り返ることもできず、ただ茫然と立ち尽くす。(は? コイツは……バカか? バカなのか? お前が来たら、この場を任せた意味がなくなるし、ミリアが嫉妬で怒り狂うだろ! 少しは考えて発言してくれ……) ユウヤは、額に冷や汗をかきながら、心の中で激しく叫んでいた。その場の空気を明るくしてほしいと願ってシャルを連れてきたのに、彼女の無邪気さが、事態をさらに悪化させていく。「な、なにを仰っているのですか! シャルロッテ!」 ソファーに座っていたミリアは、ユウヤの部屋について行こうとするシャルロッテを見て、勢いよく立ち上がった。婚約者である自分ですら、気軽にユウヤ様の部屋に入れないというのに、シャルロッテが軽々しく付いて行こうとしたことが、ミリアの嫉妬の炎に油を注いだのだ。「ううぅ……ごめんなさい……」 シャルは、ミリアの剣幕に怯えながら、申し訳なさそうに謝った。だが、その瞳は諦めきれないといった感じで、ユウヤの方をちらちらと見つめている
last update最終更新日 : 2025-11-07
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48話 帝国を支える皇女の責任感

 純粋な疑問を投げかけるシャルロッテに、ユリシスは悲しそうに微笑んだ。「普通は、そうなのですが……レスニー王子は、自分が気に入ると、人でも物でも自分のモノにしたくなる方で、かなり強引で手段を択ばない方なので……恐いのです」「それは……上に立つ者ですと危険ですわね」 ミリアは、王女としてその言葉の持つ意味を察し、冷静に分析するように言った。「うわぁ……最低ですわね……そんな王国イヤですわぁ~」 シャルロッテは、ユリシスの言葉に、心底嫌そうな表情を浮かべた。三人の王女の間に、レスニー王子に対する不信感と警戒心が、静かに満ちていった。 シャルロッテが、心底嫌そうな顔で、ミリアに話し掛けた。「お姉様がお助けになられては?」 その言葉に、ミリアは小さく頷く。「そうですわね……そんな方が国王になられては、民が可哀想ですし、帝国の支配国なのですから、帝国の恥になってしまいますわね」 ミリアは、王女としての責任感とプライドを滲ませながらそう言った。その言葉に、シャルロッテはさらに表情を険しくする。「同じ帝国を支える王国の王女としても恥ずかしいですわっ。わたしも助力いたしますわ」 シャルロッテは、ぷくっと頬を膨らませて、まるで拗ねた子供のように可愛らしく怒っている。その表情に、ミリアは目を丸くして驚いた。「シャルロッテも同行するつもりなのですか?」「えぇ~? ダメなのですか?」 シャルロッテは、少しだけ不満げな顔でミリアに問い返した。「国王の許可が出ないでしょ?」 ミリアは冷静に現実を突きつけた。国王が、溺愛しているシャルロッテを、そんな危険な任務に同行させてくれるとは思えなかった。 シャルロッテは、ミリアの言葉に怯むことなく、むしろ、目を輝かせた。「大丈夫ですわっ。ユウヤ様とお姉様が、ご一緒ですからっ♪」
last update最終更新日 : 2025-11-08
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