「そうしますと……お値段が3倍以上になりますけど?」 俺は正直に伝えた。その額に、彼女がどう反応するか、少し興味があった。「構いませんわ。2本頂けるかしら」 彼女は即座に答えた。その決断の早さに、俺は少し驚いた。「え? 2本ですか?」 俺は思わず聞き返した。「はい。妹の分ですわ」 彼女はにこやかに答えた。その笑顔には、妹への深い愛情が感じられた。「装飾する宝石の種類とデザインを決めたいのでアクセサリーのお店の方へ来て頂けます?」「ええ。宜しくてよ」 そう言うと、彼女は護衛の男性を引き連れてアクセサリー店にやってきた。と言っても……隣だけどね。大、中、小の宝石が煌めくカウンターで、彼女は紙にデザインを描きながら、熱心に選んでいた。その瞳は、キラキラと輝いている。「こんな感じが良いかしら……どうです?」 彼女が差し出したデザイン画を見ると、自分用はシンプルで大きな宝石がグリップの先端に裏表に1個ずつ、合計2個のデザインだった。一方、妹の分は小さな宝石が散りばめられており、豪華で派手な印象だった。どちらもセンスの良さが伺える。「これで、お決まりなら制作をしちゃいますけど大丈夫ですか?」「ええ。いつ頃に出来上がります?」「少々お待ち下さい……」「ええ。分かりました」 店の奥に入って作業をした振りをして、ナイフをイメージして2本出した。そろそろ……良いかな……。俺は、出来上がったばかりのナイフを手に、店のカウンターに戻った。「えっと……こんな感じで良いですか?」 俺がナイフを渡すと、彼女は目を丸くして固まっていた。その表情は、驚愕以外の何物でもない。「……はい?」 やり過ぎたか?イメージをすればアイテム制作ですぐに出来て
最終更新日 : 2025-10-25 続きを読む