異世界に転生をしてバリアとアイテム生成スキルで幸せに生活をしたい。第二章

異世界に転生をしてバリアとアイテム生成スキルで幸せに生活をしたい。第二章

last updateآخر تحديث : 2025-12-25
بواسطة:  みみっくمستمر
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異世界に転生し、皇帝の娘であるミリア皇女に強いアプローチを受けユウヤは婚約者となるために、ユテーリア王国の王子となる。しかし、新たな婚約者として、情熱的なシャルロッテ王女が登場し、ユウヤを巡る二人の激しい愛情と独占欲が渦巻く日々が始まる。

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الفصل الأول

1話 甘い休日の始まり

海原市から新浜市へ戻った日、それは天野紬(あまの つむぎ)と天野成哉(あまの せいや)の結婚三周年の記念日だった。

紬は新浜へ着く前にインフルエンザにかかり、咳も決して軽くはなかった。

それでも、成哉と息子、娘の三人とはすでに三か月も会っていない。会いたい気持ちが勝ち、無理を押して帰ってきたのだった。

天野家は新浜の名家である。

のちに事業を海原へと広げ、家族も海原へ移り住んだものの、本宅だけは変わらず新浜に残っていた。

その本宅に足を踏み入れた瞬間、紬のスマホにニュースがポップアップで浮かび上がった。

【天野の御曹司、気前よく大金を投じ、人気女優・橋本望美(はしもと のぞみ)のためにキャンプファイヤーを開催】

紬の表情からすっと血の気が引いていく。

天野家で働く家政婦、田中恵子(たなか けいこ)は海原出身で、ニュースを見るなり、慌てて紬に声をかけた。

「メディアなんてデタラメを書くのが大好きなんですよ、奥様。どうかお気になさらないでください。旦那様は今夜、お仕事でお忙しいのですから」

しかし紬は何も言わなかった。

帰る前、紬はわざわざ成哉にメッセージを送っていた。

ただ、そのメッセージはいまもスマホの中で静かに眠っている。

返信は、ひとつもない。

紬はくよくよする性格ではない。それでも考えてしまう。ピラミッドの頂点に立ち、新浜全体の経済の生命線を握るあの男は、一体どれほど忙しいのだろうか。

妻からのたった一通のメッセージに返信する暇もないほどに。

これ以上考えてはだめだ、と紬は自分に言い聞かせた。

コートを脱ぎ、キッズスペースにいる息子と娘のもとへ向かう。

三か月会わないうちに、二人はずいぶんと成長していた。

紬はそっと笑みを浮かべ、おままごとに興じる双子の前でしゃがみ込んだ。

二人は砂で小さな家をつくり、その中に二つの人形を置いていた。一目で、それがパパとママを表しているのだとわかる。

紬は娘の天野芽依(あまの めい)に、からかうように尋ねた。

「ねぇ、この二人は誰なの?」

芽依は砂を盛りながら、顔も上げずに答えた。

「パパと望美さん」

「違うよ」息子の天野悠真(あまの ゆうま)が首を振る。

「僕のおうちに住んでるのが望美さんで、芽依のおうちに住んでるのはママだよ」

「でも私、望美さんにママになってほしいもん」芽依は唇を尖らせた。

紬は思わず動きを止め、そっと芽依のおさげを撫でた。

「ママじゃ、だめなの?」

「ダメなわけじゃないけど、やっぱり望美さんのほうがパパとお似合いだもん」

悠真も自然に頷き、娘は真剣な顔のままだった。

芽依はおしゃれが大好きだ。紬の手を不機嫌そうに払いのけた。

「それにママ、風邪ひいてるでしょ。私から離れててよ。頭も触らないで、髪、ぐちゃぐちゃになるじゃん。これは望美さんが結んでくれた三つ編みなんだよ。崩れたら、望美さんが悲しむでしょ」

紬はそっと自分のマスクに触れた。子どもたちが望美の人形の服をどう作るか、興奮気味に話し合っている。その一方で、ママを表す小さな人形は隅に追いやられ、誰からも見向きされていない。

胸がきゅっと締めつけられ、口の中に苦味が広がる。

娘の言う望美は、夫・成哉の「心を許した相手」だった。

新浜メディアがもてはやす、運命のカップル。

紬と成哉が内密に結婚していたこの数年間、望美こそが誰もが認める天野家の夫人かのようだった。

だがまさか、たった数か月会わない間に、血のつながった我が子までもが望美のほうに懐いているとは。

紬は目を伏せ、長く黙って子どもたちを見ていた。やがて恵子に促され、シャワーを浴びるために二階へと向かう。

ちょうどその時、成哉の秘書である木村健一(きむら けんいち)が駆けつけ、紬の姿を見て一瞬、目を見開いた。

「奥様。社長は今夜、ご用事でお戻りになれません。望美さんへのプレゼントを、こちらへ持ってくるよう仰せつかりまして」

「ええ、わかったわ」紬は静かに答えた。

健一が去ると、胸の奥が鋭く痛んだ。

自分の夫は、他の女性への贈り物のことは覚えていても、妻との三周年の記念日は覚えていない。

紬は成哉にビデオ通話をかけた。

電話はすぐにつながる。

「どうした?」

画面に映ったのは、成哉専用のラウンジ。

煌びやかな照明に照らされた室内は、隙間なく行き届いた贅沢で埋め尽くされ、新浜市の富が凝縮された空間だった。

成哉は千万円もするオーダーメイドのスーツを身にまとい、ワイングラスを片手にソファに身を沈めていた。

その姿には、新浜の実業家にありがちな小利口な雰囲気は一切ない。洗練された気配と、どこか冷ややかな整った眉目。高嶺の花のように遠い存在感を漂わせている。

多くの人が決して手の届かない、憧れの象徴。

そんな男を、紬は丸六年間、変わらず愛してきた。

紬は口調を和らげた。「私たち、ずいぶん会ってないわ。今夜……」

「天野さん……」

紬の言葉が終わらないうちに、電話の向こうから甘くか細い女性の声が響いた。

望美だった。

すぐにビデオ通話は切られた。

切れる直前、成哉は淡々と一言だけ言い残した。「帰ってから話す」

紬はスマホを強く握りしめた。

そして、静かに窓の外へ目を向ける。

高層ビルの群れが夜の闇を押し上げるようにそびえ立ち、車の流れは光の帯を織り成し、息をのむほどの華やぎで街を染めていく。

その喧騒の中心で、夫の成哉は数兆もの資産を操り、新浜の世を動かしている。

ただ、妻である彼女にだけには、微塵の優しさも示さない。

六年間、成哉の態度は変わらず冷淡で、よそよそしかった。

穏やかな眼差しの奥には、隠しきれない無関心が潜んでいる。

紬は長い間、その心を取り戻そうと努めてきた。

だが今日、ふと、自分でも驚くほどに疲れ切った、と感じた。

かけ直すこともせず、紬はそのまま眠りに落ちた。

翌日、ようやく成哉からメッセージが届く。

【すまない。3周年おめでとう】

続いて、短い一文。

【これは埋め合わせだ】

直後、銀行口座に九桁の入金通知が届いた。

紬は無言でメッセージをスワイプした。

そのとき、望美のSNS投稿がポップアップで浮かび上がる。

【F国で8ヶ月かけてオーダーメイド、生涯に一度しか作れないダイヤモンドリング。天野さん、ありがとう】

望美は微笑み、白い指先には大粒のダイヤがきらめいている。

高くそびえるタワーのふもと、ローズレッドのスカートが風に揺れ、その贅沢な気配は見る者を酔わせるほど艶やかだった。

「心を込めた」という事実は、痛いほど伝わってくる。

紬の脳裏に、嫁ぐ前の記憶がよみがえった。

静かで古風な本宅。成哉は廊下をすっと通り過ぎ、その瞳は波立つことなく、紬の幼い期待を簡単に見抜いた。

成哉は言った。「お前と結婚はする。だが、それだけだ」

以前は、「お金なんていらない、たくさんの愛がほしい」なんて言葉は気取りだと思っていた。

だが今になって、ようやく悟る。

六年間抱き続けてきた望み――欲しかったのは、成哉の愛だけだったのだ。そしてそれを一度も手にしたことはなかった。

胸に渦巻く思いを押し込み、紬は階下へ降りた。

小さな庭園から、芽依の無邪気な声が響く。だがその声には、不満の色がはっきりと滲んでいた。

「ママ、なんで帰ってきたの?本当は今日、望美さんがコンサートに連れて行ってくれるって言ってたのに……クマさんが踊るショーを見るはずだったのに……あーあ、ママが永遠に帰ってこなければよかったのに……」

「そうだよ。パパだって望美さんのほうが好きだよ。成実おじさんが言ってたもん。パパは望美さんと結婚できなかったから、ママと結婚したんだって。ママもきれいだけど、僕は望美さんのほうが好きだな……」

悠真はしょんぼりとうつむいていた。

その無邪気な残酷さが、紬の胸に容赦なく突き刺さった。

結婚できなかったから?

驚愕に心が止まり、痺れたように感覚が遠のく。

紬は二人の子供に目を落とした。

悠真と芽依を出産したとき、紬は難産で大出血し、生死の境をさまよった。

二人の子供は生まれつき体が弱かった。睡眠時間を削ってまで尽くした献身的な育児が、やがて紬自身の身体を壊す原因となってしまった。

その後、新浜で問題が起きた。

天野家当主・天野崇(あまの たかし)が重病になったのだ。

成哉は新浜へ戻って采配を振るうことになり、子供たちも連れて帰ることになった。

紬は近年ずっと二つの都市を往復していたが、悠真と芽依は、紬からどんどん離れていった。

紬は気づけば部屋に戻っていた。

子供たちには家庭教師の授業があり、恵子が二人を送り出している。

紬は多忙の合間を縫い、成哉に会う約束を取った。

自分は成哉の妻だ。

子供のことも、望美のことも、夫に確かめるべき理由がある。

だが返ってきたのは、「重要な用事があるから、明日の夜にしよう」

ただそれだけ。

紬は言葉にならない苦さを噛みしめた。

気づけば足は家を離れ、無意識のまま、かつて成哉と出会った寺へ向かっていた。

新浜の寺院は規模こそ小さいが、敷地に足を踏み入れた瞬間、静謐な空気が身を包む。

荘厳な仏塔の前、そこで娘の明るい声が響いた。

「望美さん、これ、本当にどんな願いでも叶えてくれるの?」

「もちろんよ」

紬は息を呑んで顔を上げた。

少し離れた場所で、望美と成哉が二人の子供の手を引いていた。

まるで家族そのもののように寄り添い、仏塔の前で仲睦まじく手を合わせていた。
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1話 甘い休日の始まり
 ミリアの屋敷のソファーで紅茶を飲みながら二人で寛いでいた。寛ぐつもりではいたが、つい世話になり迷惑を掛けたフェンベル王国にも店を出し恩返しをと仕事のことを考えてしまう。「なんかさ~この国にも店を出して欲しいって言われてるんだけど……」 ユウヤが、少し困ったように呟く。「でしょうね……」 ミリアは、納得したように頷いたあと、少しだけ首をかしげて尋ねた。「……どうするのですか?」「それを相談してるんだけど……婚約者なんだよね? やっぱり違った?」 その言葉に、ミリアの目がぱちんと見開かれる。「違わないです! 婚約者ですわっ!」 きっぱりとした声。けれど、その頬はほんのり赤く染まっていた。「それに先程、わたしのこの屋敷に滞在してくださると仰ってましたよね?」 ミリアは、ユウヤを見上げながら、目をキラキラと輝かせる。その瞳には、期待と嬉しさがあふれていた。「まぁ~ね……イヤじゃなければ、またお世話になろうかな」「嫌なわけないじゃないですか!もぉ……」 ミリアは、ぷくっと頬を膨らませながらも、その表情はどうしようもなく嬉しそうだった。「じゃあ、頼むよ」 ユウヤがそう言うと、ミリアはぱっと笑顔を咲かせて――「はぁい♡」 その声は、まるで春の陽だまりのようにあたたかく、ユウヤの心に、ふわりと優しい風を吹き込んだ。良いムードだった。ミリアの笑顔は柔らかく、ユウヤの心にも、久しぶりに穏やかな風が吹いていた。 柔らかな絹のクッションに身を預け、ユウヤは深く息を吐いた。ミリアの屋敷の中庭は、帝国の中心とは思えないほど静かで、心地よい風が花々の香りを運んでくる。「……疲れたから、少し休もうか」 そう言ったユウヤの言葉に、ミリアはぱっと笑顔を咲かせた。「はい♡ では、わたくしの膝をどうぞ」「えっ……いや、そんな……」「遠慮は無用ですわ。あなた様は、わたくしの婚約者なのですから」 ミリアは、絹の敷物に優雅に腰を下ろし、膝をぽんぽんと叩いた。ユウヤは少し戸惑いながらも、彼女の膝に頭を乗せる。「……ミリアの膝、柔らかいな」「ふふっ。皇女の膝枕は、世界で一番贅沢ですわよ?」 ミリアの指先が髪を撫でる。その仕草は、帝国の財政を動かす手とは思えないほど優しく、愛情に満ちていた。「ユウヤ様。こうしていると、わたくしの中の“皇女”が眠ってしまいそ
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2話 皇女の溺愛と国王の呼び出し
♢新たな店の相談と国王の呼び出し「……ミリア、そんなに気を遣わなくても」「気を遣ってなどいませんわ。当然のことですもの。あなた様は、わたくしの婚約者ですから」 ミリアは、ふんっと鼻を鳴らしてそっぽを向いたが、頬はほんのりと赤く染まっていた。「それに……ユウヤ様が“美味しい”って言ってくださると、わたくし……嬉しいのです」 その言葉に、ユウヤは少し笑って、ミリアの頭を軽く撫でた。「ひゃっ、……な、何をなさっているのですか! わたくしは皇女ですのよ!」「でも、今は俺のかわいい婚約者だろ?」「~~っ!……もぉ、ユウヤ様ったら!」 ミリアはぷくっと頬を膨らませ、ソファの背に隠れるように顔をそむけた。だが、その背中はどこか嬉しそうに揺れている。 その時、護衛の兵士が控えめに近づいてきた。「皇女殿下、屋敷の外に商会の使者が……」「今は“休息日”ですわ。わたくしとユウヤ様の時間を邪魔する者には、帝国法第七条を適用しても構いませんのよ?」「は、はいっ! 直ちに追い返します!」 兵士は青ざめながら敬礼し、足早に去っていった。「……ミリア、ちょっと怖いかも」「ふふっ。わたくしの“可愛さ”は、あなた様にだけ向けられるものですわ」 だが、その空気を断ち切るように、控えていた兵士が、遠慮がちに再び声をかけてきたが今度はミリアにではなかった。「……あの。宜しいでしょうか? ユウヤ様」 その顔には、明らかに緊張の色が浮かんでいる。「はい?」 ユウヤが振り返ると、兵士は姿勢を正して告げた。「国王様が、お会いしたいと……」「そうですか……」 ユウヤが応じるより早く、ミリアが一歩前に出る。「わたくしも同行しますわ。ユウヤ様は、わたくしの婚約者であり、護衛でもありますもの」 その声は静かだが、揺るぎない威厳を帯びていた。兵士は一瞬たじろぎ、すぐに深く頭を下げる。「はっ、もちろんでございます、皇女殿下」 ユウヤは、ミリアの横顔を見つめながら、(やっぱり一人にはさせてくれないか)と、少しだけ苦笑した。(……さて。モンスターの件か、薬の件か――) どちらにせよ、軽い話ではなさそうだ。ユウヤは、ミリアと並んで歩き出す。その肩に、そっと寄り添うようにミリアの気配があった。♢国王との謁見、そして「薬屋」の真実 謁見の間かと思いきや、王族の控室に通され
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3話 丸投げ交渉と、彼女の最強の守り
「いえ……俺は薬屋ですけどね」「はい?」 国王とギルマスが驚いた表情になり、二人で顔を見合わせていた。納得できないような表情をしていたので簡単に言い訳をした。「ですから、薬屋で勝手にSSS級の認定証を発行されて、勝手に冒険者にさせられただけですよ」「そ、そうなのですね……」 国王が何とも言えないような顔をして返事をしてきて、ミリアが自慢げな顔をして国王とギルマスに話し掛けた。その青く透き通った瞳が、誇らしげに輝いている。「わたしの婚約者は、スゴイお強いのですわよ♪」「はい。存じ上げております……うちの精鋭の王国兵を三十人を相手に無傷で数分で倒しましたからね……」 国王の言葉に、ギルマスは目を見開いた。「はい?そんな事があったのですか……それは是非、見たかったですなぁ……」 ギルマスが残念そうな表情で言ってきた。その目は、まるで宝物を見逃したかのように悔しそうだった。 「それと……もう一つ宜しいでしょうか……?」 国王が申し訳無さそうな表情をしながら、言い難そうにしているが、大体は察しがついた。治癒薬のことだろう。「はい」「治癒薬の販売を、お願いをしたいのですが……」 やっぱり、そっちの話もか。それなら交渉が得意なミリアと話をしてもらった方が早いし、間違いが無くて良いだろ。うん……面倒だし!「あぁ……それならミリアに任せてますので」 俺は、この世界の常識を知らないし、交渉が不得意なので、悪いけどミリアに丸投げをすることにした。それに事前にミリアに任せるとお願いもしてあるし。するとその言葉に、王様とギルマスが固まった。 そりゃそうだ。交渉相手が、自分の王国の仕える帝国の皇帝の娘の皇女を相手に、店を出してほしいとお願いというか、交渉をしなくてはいけなくなったので固まるだろう。不成立でも俺は、問題ないし……「ユウヤ様……相談じゃなかったのですか?」 ミリアの青く透き通った瞳が、わずかに不満げに俺を見つめる。あれ?相談って言ってたっけ……もう婚約者だし助けてくれても良いよね?「俺より、ミリアの方が交渉が得意そうだしさ」「……分かりましたわ。ユウヤ様のお役に立てるのでしたら、引き受けますわ。では、それでしたら冒険者ギルドの近くの店舗を用意をして下さい。それと王家の紋章の看板を掲げて頂けますか?それに王国軍の兵士の警護を二人を常駐させ
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4話 膝枕の誘惑と、心の疲れ
 うわ。ミリア凄いな……。ユウヤは、ただただ感心するばかりだった。アッサリと商談や交渉ではなく、指示を出した感じで終わったな。元々ミリアを相手にした時点で、それはもはや交渉や商談ではなかったのだ。ユウヤは、満足そうに微笑むミリアの横顔を眺めながら、心の中で、その有能さと、自分への深い愛情を改めて感じていた。 ギルドマスターが深く頭を下げ、心からの感謝を述べた。「治癒薬があれば、安心をして冒険者が活動できますので、冒険者ギルドとしては助かります」「軍の方も助かります」 国王もまた、安堵の表情で頷いた。「……それで……価格の方は……?」 ギルドマスターが恐る恐るといった様子で、最も重要な質問を口にした。「治癒薬でしたら、銀貨一枚で販売をしていますよ」 その言葉に、国王とギルドマスターは再び目を見開いた。「えっ!?……銀貨……一枚ですか?安すぎじゃないですか?銀貨二枚はすると思いますが……良いのですか?」 ユウヤは、治癒薬の効能と制限を説明し、価格の設定は医師の生活と冒険者の生活を考えてのものだと話した。「高くしても良いんですけど、駆け出しの冒険者が買えなくなりますしね」 その言葉に、ギルドマスターと国王は深く頷いた。「なるほど……それは助かります」「他の職種の人達と争いは避けたいので……それに医師にも頑張って欲しいのですね。俺が販売を止めた場合、医師がいないと王国が大変なことになりますから」 ユウヤは、何度も丁寧に説明をする。値段を高くしても売れるだろうが、一番必要な低級の冒険者が購入できなくなる。かといって値段を安くすれば、病院関係者や他の薬屋の需要がなくなり、恨まれるだろう。自分がこの国から撤退したり、薬を作らなくなったりした場合に、医療が崩壊してしまっては困る。「はい。医師の育成にも力を入れるように指示を出しておきます」 国王は、ユウヤの言葉に真剣な表情で頷いた。ユウヤの知っている物語では、ギルドは王国とは別物で国王の命令はきかない設定が多いが、この世界では命令や介入ができるようだ。 国王がそう返事をすると、話の区切りが付くのを待っていた兵士が、SSS級の認定証と勲章を国王に手渡した。その認定証は、豪華な装飾が施され、王国の最高位の証であることを示していた。 ♢勲章と一時帰宅「本来ならば、授与式を開き渡すのですが……」 
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5話 皇女の涙と、彼の優しい手
「ユウヤ様どうですか?寛げています?」 ミリアが、心配そうに俺の顔を覗き込んだ。「うん。ミリアの膝は柔らかいし、良い匂いで癒やされてるよ」 俺は、目を閉じたまま答えた。「わぁ♡ 良かったですわ。わたしも……癒やされていますわ」 ミリアは幸せそうに微笑んだ。その声は、心から満たされているように聞こえた。「ミリアも?」 俺は、少し目を開けてミリアの顔を見上げた。「はいっ♡ ユウヤ様の頭を膝に乗せて頂いて頭を撫でさせてもらって癒やされていますわ……幸せですわっ♪」 ミリアは心底嬉しそうな声でそう言った。その頬は、ほんのりピンク色に染まっている。「久し振りのミリアのお腹が柔らかくて良い匂いがして最高だね」 俺がそう言うと、ミリアの表情が少し曇った。「それは、イヤですわ……太っているみたいな言い方ですわね……」 ミリアの頬が少し膨らむ。不満げな眼差しが、俺に向けられた。「柔らかくて、女の子って感じの柔らかさって事なんだけど」 俺は慌てて補足した。「はい。それでしたら嬉しいですわ♪」 ミリアは、再びご機嫌そうな顔になった。その表情には、純粋な喜びが戻っている。「はぁ……ユウヤ様が戻ってきて安心しましたわ」 ミリアが、心底安心したようにため息をついた。「そうなの?」 俺は少し驚いて尋ねた。「そうなのですっ!もぉ。人の話を聞かないで出て行ってしまわれて、ずっと泣いてましたのよ……」 ミリアは、少し涙ぐんだような声で訴えた。周りの護衛や使用人達が深く頷いていた。彼らの顔には、ミリアと同じような安堵の表情が浮かんでいる。昨日は泣き疲れて寝ちゃってたしなぁ。皆の表情は、心底安堵しているように見える。「誤解だって説明されて分かったってば~」 俺は苦笑しながら言った。「はい。誤解が解けて良かったですわ。本気で出ていかれるつもりだったのですか?」 ミリアは真剣な眼
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6話 金貸しに追われている娘
♢街の散策と新たな出会い 翌朝…… あれ? もう朝になってる……寝ちゃったのか。寝不足ではないが、少し寝過ごしたような感覚だった。 リビングに入ると、いつものようにミリアがリビングでお茶を飲んでいた。目が合うと、満面の笑みで挨拶をしてきた。「おはようございます。ユウヤ様」「おはよ~」 俺も笑顔で返した。「昨日は、お休みの挨拶に向かったのですが……お休みになられていました……」 ミリアは少し残念そうに口元を膨らませる。その"青く透き通った瞳"が、わずかに潤んでいるように見えた。「そうだね。夕食を食べて、そのまま寝ちゃったみたいだね」「もう少しお話がしたかったですわ」 ミリアは、寂しそうにポツリと呟いた。「これから、ずっと一緒に居るんだから時間もあるし、いっぱい話ができるでしょ」 俺は、ミリアの頭を優しく撫でた。「そうですわね」 ミリアの"青く透き通った瞳"が、期待に輝く。その表情は、たちまち明るくなった。「ここにも、しばらく滞在しないとだしね」「あっ!お店の件ですわね」 ミリアは、何かを思い出したように声を上げた。「そうそう……いつになるんだろうね?」「国王が自分で言いだした事ですし、すぐに連絡は来ると思いますよ」 朝食を食べて……俺は、こっそりと屋敷を抜け出して、町の散策に出掛けてきた。ミリアが一緒だと護衛とか大事になっちゃうし……一人で行動できる開放的な気分で、王都の賑やかな通りを歩き始める。活気あふれる声や、焼きたてのパンの香りが、俺の気分をさらに高めてくれた。 一人で町をブラブラと歩いていると、人相の悪い男たちに追われている、同じ歳くらいの娘がいた。その娘は、顔を青ざめさせ、必死に路地を駆け抜けている。彼女の呼吸は荒く、恐怖で瞳が揺れていた。どこの町にも悪そうなヤツはいるんだなぁ……助けた方が良いよな?明らかに悪党に追われているっぽいし……俺は、迷うことなく彼女を助けるために行動を起こした。♢逃走する娘との出会い 町の賑やかな通りを歩いていると、人相の悪い男たちに追われている娘の姿が目に入った。彼女の顔は青ざめ、恐怖に歪んでいた。必死に逃げているその姿は、まるで獲物に追われる小動物のようだった。俺は、迷うことなく彼女を助けるため、逃げて走っている娘の腕を掴み、力強く引き寄せて近くの店の中に隠れた。土埃をまとった
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7話 彼女の絶望と、彼の決意
「え? 何でよ!?」 娘は目を丸くして驚く。その表情は、まるで初めて危険を知った子供のようだった。彼女の顔からは、今までの必死さとは違う、純粋な驚きが読み取れた。「町の外はモンスターや盗賊が居るし、出会ったら終わるんじゃない?」 俺の言葉に、娘の顔から血の気が引いていく。その唇は、わずかに震えていた。全身から、冷たい空気が流れ出すような錯覚を覚えた。「うわ。そうね……どうしよう?」 娘は、途方に暮れたように呟いた。その声には、絶望の色が混じっていた。「事情が分からないけどさ、この町で暮らしていたんだよね?」 俺は、彼女の状況を理解しようと努めた。「そうよ」「で、追われてるんだよね?」「うん」「何で追われてるの?」 俺は、核心に触れる質問を重ねた。娘の目には、諦めの色が深まっていった。「はぁ……うちの親がお金を借りて返せなくなったのよ。それで、わたしが売られそうになっているのよ……」 娘はため息をつきながら、重い口を開いた。その声には、諦めと絶望が混じっていた。その瞳には、諦めにも似た影が宿っている。彼女の肩が、わずかに震えていた。「それは……そういう契約だったんじゃないの?」 助けてあげたい気持ちは山々だが……そういう契約だったのなら、いくら人相が悪く見える人だとしても、その "悪そうな人相の人" にも家族がいるだろうし、彼らが悪人とは限らない。もしかしたら、見た目が悪いだけで、実は善良な人間かもしれない。俺の心は、法と道徳の間で揺れ動いた。 この王国では奴隷は禁止されていないし、合法的な人身売買があることも知っている。お金が払えずに最終手段として奴隷として売られる契約をしていたんじゃないだろうか? 金貸しが需要があって商売として成り立っているのだから……俺が邪魔をするわけにはいかないな……。それは、お金がないのに買い物や食事をして店の人に支払いを請求されるから助けてください!って泣きついてくる人を助けるようなものだし。 人を拐って売るのは違法で、それなら助ける。だが今回は合法
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8話 不正な金貸しの調査に向かった。
♢ミリアとの合流と計画 娘を連れてミリアの屋敷に連れてきた。門の前に立つ屋敷は、その規模と豪華さで娘を圧倒した。娘の目は、驚きと警戒心で大きく見開かれている。きらびやかな装飾や、門番の厳めしい姿に、彼女は息をのんだ。「どこに連れて行くのよ……」 娘は、不安そうに俺を見上げた。声には、わずかな怯えが混じっていた。「この屋敷だけど」「は? もしかして……貴方も、わたしをこの屋敷の主に売るつもりなの!?」 娘は怯えたように目を丸くし、声が上ずる。その体は、恐怖で小刻みに震えていた。その表情は、絶望に打ちひしがれているようだった。「違うっての……」 俺は、呆れたようにため息をついた。「じゃあ何で、こんなデカくて立派な屋敷に連れてきたのよ!嘘つき!ばか!人拐いだって町の警備兵に言うからねっ!」 逃げようとするので腕を掴んで引き止めて説明をした。彼女は、じたばたと暴れようとしたが、俺の力には敵わなかった。その抵抗は、まるで子供の駄々っ子のようだった。「ここで保護してもらうから少し待っててよ。中に入るのが恐かったら、屋敷に入らなくても良いけど門の外には出ないでよ?拐われても困るし」「……それなら良いわ」 娘は渋々ながらも納得したようだ。屋敷の門の護衛の兵士を見ると……「あれ? 王国の兵士が何でいるの?」 娘は兵士たちの堂々とした姿に驚いている。その瞳は、純粋な疑問で満ちていた。彼女の顔には、混乱と戸惑いが浮かんでいた。「あ~国王と知り合いだから」 俺は、適当に答えた。「え? 知り合いなの? なんで?」 うわ。面倒……。どう説明したものか、一瞬言葉に詰まった。彼女の好奇心旺盛な瞳が、俺の返事を待っていた。「時間がないから後でで良い?」「ううぅ……分かったけど、少し安心したわ」 信用してもらえたらしくて、娘は俺と一緒に屋敷に入った。中に入ると、娘はキョロキョロと目を輝かせて屋敷の中を見回していた。その表情からは、今までの不安が少し薄れているのが見て取れる。まるで、初めて見るおもちゃに夢中になった子供のようだ。壁に飾られた絵画や、磨き上げられた床に、彼女の視線は釘付けになっていた。「ユウヤ様! どちらに……ううぅ……そちらは? どちら様ですの?」 リビングから降りてきたミリアが、俺を見ると嬉しそうに駆け寄ってきたが、娘の姿を見ると途端に
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9話 訓練された兵士と、親代わりの役
 偉そうな兵士が近寄ってきた。その兵士は、普段見慣れない平民服の俺たちに警戒の色を滲ませている。その顔には、職務に対する真剣さが表れていた。「今日は、どの様な御用でしょうか?」 兵士は、恭しく頭を下げて尋ねた。「軍の偉い人と会いたいんだけど大丈夫?」 俺は単刀直入に尋ねた。「少しお待ち下さい」 兵士は慌てたように踵を返し、走って呼びに行ってくれた。その慌てぶりから、俺たちがただの平民ではないことを察したようだった。「失礼ですわ……まったく。ここで待たせるのかしら……」 ミリアは不満そうに腕を組み、口元を尖らせる。その"青く透き通った瞳"は、兵士の去った方向を睨んでいる。「すぐに来るんじゃないの?」 俺はミリアをなだめるように言った。「ですけど……お話をするのですよ? 立ち話をさせるおつもりなのかしら?」 ミリアは王族らしい気品を失わないまま、小声で不平を漏らす。その声には、彼女のプライドがにじみ出ていた。 すぐに軍のお偉方さんがやってきた。その顔には、急な呼び出しへの困惑と、ミリアの姿への戸惑いが浮かんでいる。彼は、額に汗を浮かべ、息を切らしていた。「ちょっと! 失礼ですわよ! ここで待たせるなんて教育がなっていませんわね」 ミリアは容赦なく言い放った。その声には、皇女としての威厳がにじんでいる。彼女の"青く透き通った瞳"は、お偉いさんを射抜くように見つめていた。「失礼しました……きちんと教育をさせて頂きますのでお許しください」 お偉いさんは平伏するように頭を下げた。その姿は、まるで土下座でもしているかのようだった。呼びに行ってくれた偉そうな兵士が、お偉いさんに睨まれていた。偉そうなだけで、お偉いさんじゃ無かったのね……兵士は青ざめた顔で立ち尽くしている。その顔には、絶望の色が浮かんでいた。「では、改めましてお話をお聞きしますので、ご案内を
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