All Chapters of 異世界に転生をしてバリアとアイテム生成スキルで幸せに生活をしたい。第二章: Chapter 21 - Chapter 30

56 Chapters

20話 皇女のキスと、甘い罰則の追加

♢甘い膝枕の邪魔者 幸せそうにしていた最中に邪魔をされ、ミリアが怒りに顔を染めて怒鳴った。その青く透き通ったキラキラした瞳は、まるで燃え盛る炎を宿したかのようにギラついている。「忙しくは無いでしょ」 俺はミリアの頭を優しく撫でて落ち着かせた。すると、ミリアは残念そうな表情を浮かべ、俺の胸にぐっと抱き着いてきた。ユウヤの体温が心地よく、彼女の頬をじんわりと温める。「ううぅ……忙しいのですわっ」 その声には、まだ不満がにじんでいる。せっかくの甘い時間が中断されたことに、彼女は不機嫌さを隠せない。「美味しい料理が冷めちゃうよ?」「むぅ~……でしたら……食事が終わったら続きを……お願いしますわ」「えぇ……」 俺はつい……ミリアが甘えてきて可愛かったので照れ隠しで、ほんの少し意地悪をしてしまった。彼女の反応が見たかったのだ。「ええ? な、何でですの? お嫌なのですか?」 ミリアは驚きに目を見開き、顔に「どうして?」という表情をありありと浮かべた。その瞬間、近くにいた使用人たちは一斉に青褪めた。そこまで皆が驚くと思っておらず、俺の方が驚いてしまう。ミリアにこんな冗談を言える者は、今までいなかったのだろうか。いや、使用人がミリアに冗談を言えるはずがないか、と勝手に一人で納得してしまう。「え? あぁ冗談だよ?」 冗談という事を伝えると、安心した表情になった。驚いて立ち上がっていたミリアは、力が抜けたようにへたり込むように座り込み、そのまま俺に抱きしめ返してきた。その体からは、深く、安堵の息遣いが伝わる。ユウヤの腕の中で、彼女の心臓がようやく落ち着きを取り戻し始める。「ユウヤ様の……ばかぁ♡ いじわるですわっ。むぅぅ……」 ミリアは顔を真っ赤に染め、甘えた声で俺の胸に顔を埋めた。その柔らかな髪が、俺の首筋をくすぐる。近くに
last updateLast Updated : 2025-10-05
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21話 賢いメイドの誘導と、ミリアの乙女心

♢浴室へ、賢いメイドの誘導 夕食を食べ終わり、膝枕の続きだと思っていたら、ミリアはお風呂だとメイドさんから言われている。「ミリア様、お風呂の時間でございます」「後にしてくださらない?」 ミリアは不満そうに答えた。ユウヤとの時間をもう少しだけ堪能したい、という気持ちが声ににじむ。「……膝枕を一時間とのことでございますね? もしよろしければ、先にお風呂へお入りいただいた方が、ユウヤ様に“良い香りですね”と仰っていただけるかと存じますが……」 メイドはさすがの切り返しだ。ミリアの意図を察し、巧みに誘導する。ユウヤに褒められたいというミリアの乙女心を正確に突いたのだ。「そうですね、そうですわよね……うふふ♡……お風呂に入ってきますわ。少しお待ちください」 ミリアの青く透き通った瞳が、輝いた。メイドの言葉に納得し、機嫌よく立ち上がった。さすが……ミリアのメイドさんだな。 ♢戦闘訓練の誘い、護衛の焦り 俺は、どうしようかな~リビングで一人じゃ暇だし、部屋に戻ろうかな……と考えていた。ソファーから立ち上がると、護衛とメイドさんが真剣な表情で近寄ってきた。「ユウヤ様……そこで、お座りになりミリア様をお待ち下さい」 ミリアが機嫌が悪くなるのが恐いのか? それとも……ミリアの事を思って? 彼らの顔には、微かな焦りと、義務感が入り混じっている。「えぇー……暇なんだけど……」 一人でソファーに座ってボーッとしてるのはツライんだけどな。「ミリア様とのお約束ですよね?」 護衛は毅然とした態度で俺を見つめる。その目は、少しも揺るがない。「約束は、したけどリビングで待ってるとは約束はしてないって。お風呂から戻ってきたら部屋に居るから、戻ってきたって教えてくれない?」 部屋で待ってても問題ないでしょ? といっても部屋に戻ってもベットでボーッとして待ってるのは同じか……。「ダメですよ」 メイドがぴしゃりと言い放った。その声には、一切の妥協を許さない響きがあった。
last updateLast Updated : 2025-10-06
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22話 圧倒的な9対1の「実戦」

「お願いします!」 護衛が真剣な表情をして、両手で木刀を構えて俺を凝視し、一瞬たりともユウヤの動きを見逃さないようにしている。 ユウヤが軽く踏み込み屈んで懐へ入り、下から首に木のナイフで軽く突きつけた。シュ……ポスッ。「クソっ! 全然、反応が出来ないし……動きが見えない!」 護衛は悔しそうに唸った。他の護衛達が真剣に見ていたので声を掛けた。剣の稽古は出来ないけど……戦闘の練習なら付き合えるな。「剣術とかの稽古じゃないけど、戦闘の練習になるから他の人も参加してみる?」「はい。お願いします」 他の護衛たちも、待ちきれないとばかりに返事をした。その目には、ユウヤの圧倒的な強さへの驚きと、学ぶことへの熱意が混じっていた。♢護衛全員との実戦訓練、嵐の前の静けさ「え? 全員? ……意外とみんな、向上心があっていいねー」 俺が感心したようにそう呟くと、周囲に立っていた八人の護衛たちの瞳に熱が宿った。彼らの精悍な顔つきには迷いがなく、手に握られた木刀には確かな気迫が込められているのが見て取れる。 俺は《アイテム作成》で木刀を八本、音もなく床に出現させ、きれいに並べた。9対1――数の差は圧倒的だが、俺の心に臆する気持ちは微塵もない。 広々としたリビングの中央に立ち、俺はゆっくりと周囲を見渡した。天井は高いとは言えず、大きな跳躍をすれば頭をぶつけかねない――動きには注意が必要だ。「さ〜、どうやって攻めるか、相談しなくてもいいの?」 俺の言葉に誰も反応しない。だがその沈黙には、確かな意思が込められていた。護衛たちの間に無言の圧力が走る。彼らは獲物を追い詰める狩人のように、油断なく構えていた。その鋭い視線は、俺の一挙手一投足を見逃すまいとしている。「行くぞ!」「おうッ!」 低く響く咆哮のような掛け声とともに、護衛たちが一斉に踏み込んでくる。だが、その動きは決して無秩序ではない。長
last updateLast Updated : 2025-10-07
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23話 初めてのネグリジェと、甘い寝息

「じゃあ、はじめようか」 護衛たちが臨戦態勢に入るのを確認しながら、俺は昔の映画で見た双剣使いの動きを思い出していた。 手には、逆手に握った二本の木製ナイフ。 最小限の動きで、迫り来る護衛たちを迎え撃つ準備は整っている。バチンッ! バチンッ! ポスッ。 バチンッ! ポスッ。 ポスッ。 乾いた木刀の衝突音。そして、木製ナイフが護衛の身体に食い込む鈍い衝撃音。 広々としたリビングに、鋭く激しい音のリズムが響き渡る。 そのたびに、一人、また一人と地に伏していく護衛たち。 狙いは正確、動きは迷いなく――その軌道はまるで、計算された舞のようだ。 たった数十秒。 その短い時間で、すべてが終わった。 ――その時、お風呂から上がったミリアが、湯気を纏いながらリビングに戻ってきた。目の前の光景に息を呑み、目を丸くしている護衛たちを一瞥すると、不安と怒りが入り混じった声で叫んだ。彼女の青く透き通ったキラキラした瞳が、激しく揺れている。「貴方達! 何をやっているのですか! ユウヤ様……だ、大丈夫ですか!?」 その声には、俺を案じる切実な気持ちと、護衛たちの失態に対する強い憤りが込められていた。「あ。う、うん。暇だったんで……遊んでもらってただけだから」 俺がそう言うと、ミリアの表情が僅かに緩んだ。その瞳の奥に、安堵の色がほんの一瞬、覗いた。「そ、そうなのですね……皆、有難うございました。下がって良いですわよ」 ミリアは気を取り直して、護衛たちに労いの言葉をかけた。しかし、その声にはまだ、わずかな怒りが残っている。「はい。ご指導、有難うございました。ユウヤ様」 何故か護衛にお礼を言われた。遊んでもらっていたのは俺の方なのに。彼らの顔には、疲労の色と共に、得難い経験を積めたという充実感が滲み出ていた。♢お風呂上がりの膝枕、甘やかな時間と労いの言葉「ユウヤ様……膝枕ですわ」 湯気を纏ったミリアが、青
last updateLast Updated : 2025-10-08
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24話 お休みのキスと、メイドの夢見る瞳

「俺は部屋に戻って休むから」「はい。お疲れ様でした」「あ。ミリアにお休みのキスをしておこうかな……」ちゅ♡ 俺はそう言って、寝ているミリアの頬に軽くキスをした。その瞬間、メイドさんが羨ましそうにこちらを見ていた。彼女の青く透き通った瞳が、夢見るようにキラキラと輝いている。「羨ましいです……私も彼氏に、そんな事をされたいですね」 へぇ~彼氏が居るんだ? 幼馴染の人とでも付き合ってるのかな? 職場で恋愛とか?「へぇ~……彼氏いるんだ?」 俺は素直に尋ねた。「え? おりませんけれど……?」 メイドは小首を傾げ、少し驚いたような顔をした。あれ? 居る雰囲気を出してたじゃん。「メイドさんは忙しいからね……出会いも無さそうだし」 俺は同情するように言った。「そうなんですよ! ううぅ……寂しいです」 メイドは肩を落としてため息をついた。その表情には、深い共感が滲んでいた。「彼氏が出来たら退職でしょ?」「そうなんですよね……」 メイドは力なく頷いた。その声には、少しの諦めと、それでも抗えない現実が混じっていた。「皆、住み込みなんでしょ?」「はい。そうです……三食付きなので、とても助かっておりますし。両親へお金も少し渡せてますし、自分の貯蓄も貯まりますから」 彼女の声には、今の生活への感謝が込められていた。「そっか~頑張ってね」「はい。有難う御座います」 部屋に戻ると、俺もベッドに横になると、すぐに深い眠りに落ちた。♢昨夜の反省とミリアのご機嫌 翌朝、ベッドの中で身を起こすと、昨夜の出来事が鮮明に脳裏に蘇った。うわぁ。昨日の俺は、随分とテンションが高かっ
last updateLast Updated : 2025-10-09
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25話 規格外の巨大店舗と、ミリアの困惑

 朝食を食べ終え、俺とミリアは馬車に揺られ、目的の場所へと向かった。ギシギシと揺れる車窓から見える景色は、活気に満ちている。やがて馬車が止まり、扉が開く。目の前にそびえ立つ建物を見て、俺は思わず息を呑んだ。 は? ……え? デカ過ぎじゃないか? これ……薬屋なのか? ユーテリア王国の店の五倍くらいあるんじゃないか?こんなにデカい必要はないんだけど。目の前に立ちはだかる巨大な建物は、まるで古城のようだ。重厚な石造りの壁が空に伸び、入り口の木製扉は、大人三人でも抱えきれないほどの大きさがある。周囲の建物が小さく見えるほどの威容に、俺は呆然とした。「うわっ。デカすぎ! これじゃ……従業員5倍くらい必要じゃん!」「ですわね……。何を考えているのでしょう……」 ミリアも呆れたように呟いた。その青く透き通った瞳には、困惑の色が浮かんでいる。だが、その巨大さを見た瞬間、ふと閃いた。そうだ! せっかく用意をしてくれたんだから、前々から販売を考えていたものを売るのに丁度良いかもしれない。薬だけじゃなく、武器やアクセサリーも一緒に売ってみようかな……。「なぁ……ミリア。武器とアクセサリーも売るのってどう?」「仕入先は、ございますか?」 ミリアは冷静に問い返した。その視線は、俺の顔に釘付けだ。「まぁ……大丈夫かな~」 俺は曖昧に答えた。詳細を説明するのは面倒だった。「それでしたら、わたくしから国王に伝えておきますわ」 ミリアは快諾してくれた。その表情は、俺の提案に乗り気なようだ。瞳の奥に、新たな事業への期待が宿るのがわかる。「あ、うん。助かる!」 ミリアは、懐から筆と紙を取り出し、流れるような筆致で手紙を書き始めた。空の店舗の護衛をしていた兵士が五人ほど近くに立っている。ミリアは、書き終えたばかりの手紙をその兵士の一人に手渡した。「今すぐに、
last updateLast Updated : 2025-10-10
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26話 武器の品質と、妥協なき品揃え

 俺は少し困惑した。ミリアの方を見ると、案の定、不機嫌そうな顔をしていた。その青く透き通った瞳は、じとっと俺とレニアを交互に見つめている。あぁ~昨日の夜にもヤキモチを妬いていたな……。 ミリアの耳元にそっと顔を寄せ、小さな声で話し掛けた。「俺は、ミリアの旦那になるんだよね?旦那になる人が困ってるのにヤキモチで協力してくれないの? 後で膝枕をしてあげようかなって思ってたけど……」 俺がそう囁くと、ミリアの頬が、フワリと赤く染まった。その表情は、たちまち柔らかくなった。ヤキモチを妬いていたのが嘘のように、彼女の青く透き通った瞳が、俺を見つめ返してきた。その瞳には、抗いがたい魅惑が宿っている。「そ、そうですわね……下級貴族ですし、次女なので問題ないのでは? 国王の事業ですし、国王の為に働いているので文句を言う方がおかしいですわね……それで変な噂や嫌がらせを受けるのでしたら、直接、国王に言って下さい。あとで国王に問題があるようなら解決をするようにと伝えておきますわ」 ミリアは急に態度を変え、レニアを手伝うことに前向きになった。その変わり身の早さに、俺は少し笑ってしまった。まるで手のひらを返すような態度だ。「だそうなので……レニア、協力してもらおうかな!」 俺はレニアに声をかけた。「はい! もちろんです!」 レニアは満面の笑みで力強く頷いた。その瞳は、喜びで輝いている。彼女の純粋な熱意が伝わってくるようだ。「じゃあ……レニアには、薬屋の会計を任せようかな」「はい! 計算は得意なのでお任せ下さい」 レニアは自信満々に胸を張った。その姿勢は、やる気に満ち溢れている。「計算もだけど、治癒薬、体力回復薬、美容薬で小瓶、大瓶があるから種類を覚えるのと価格を覚えてくれるかな」 カウンターに、実物と値段を書いた紙を並べて説明をした。覚えるのも得意そうで助かる。笑顔も可愛いし我慢強かったし、良い看板娘
last updateLast Updated : 2025-10-11
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27話 王とギルマスの登場と、抜剣の緊張

 ゆっくりと振り向くと、そこに立っていたのは国王とギルドマスター(ギルマス)だった。ああ~、兵士が慌てていたのは国王が来たからか。国王の前で、鞘から抜いた剣を持っていたらまずいよな……。だが、俺はそのまま抜剣した剣を手に持っている。見逃してくれ!王様の護衛が、俺に対して凄く警戒しているのが分かるが、まあ護衛の仕事だから仕方ないだろう。彼らの視線が、まるで獲物を狙う鷹のように鋭く、俺の動きを捉えようとしている。「武器屋も出そうと思ってるんだけど……それが、これなんだけど」 俺は手に持っていた剣を、国王に差し出した。ずっしりとした鋼の重みが、国王の手に確かな感触として伝わる。「ほぉ~……剣には詳しくは無いのですが……これは、良い剣だと言う事は分かりますぞ。ギルマスならば更に分かるのではないのか?」 国王は感心したように剣を眺め、その瞳の奥には微かな好奇心が宿っている。そして、後ろに控えていたギルマスに剣を手渡した。「おおぉ。これは……凄い剣ですな!ぜひ欲しいですな。価格は……?」 ギルマスは剣を手に取り、その品質に驚きを隠せない様子だ。刃文を真剣な眼差しで見つめ、指先で刀身の肌理(きめ)を確かめている。瞳は真剣そのもので、その輝きは本物の鑑定士のようだ。剣の持つ精緻な美しさに、完全に魅入られている。「あ、王国での標準装備の二倍の価格ですけど……」「そ、そうですか……二倍ですか」 ギルマスは提示された価格に、少し躊躇した。その顔には、欲しいという強い気持ちと、価格への戸惑いが半々で浮かんでいる。価値は理解しつつも、即決できない葛藤が見て取れる。「高いと思われてると思いますけど……品質と切れ味、耐久性を見てもらえれば納得できると思いますよ」 俺はそう言って、コッソリと兵士に用意させておいた木の人型の的を運んでもらった。的は、分厚い甲冑で全身を覆われ
last updateLast Updated : 2025-10-12
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28話 神速の試し斬りと、甲冑の崩壊

「じゃあ……実演販売ってことで……いきますよ」 俺は剣を受け取り、軽く構えた。剣の重みが掌に心地よく馴染む。まるで、俺の一部であるかのように、自然に収まった。シュシュシュ…… 流れるような剣捌きで、甲冑を正確に、そして素早く斬り刻んでいく。一振りごとに、甲冑の表面に閃光が走り、金属の破片が飛び散る。まるで、バターでも切るかのように、剣は甲冑を貫通し、次々とパーツが分離していく。その動きには一切の無駄がなく、流麗でさえあった。ガラガラ……ガッシャーン! 甲冑は原型を留めないほどにバラバラに斬り刻まれ、金属の残骸が音を立てて地面に崩れ落ちた。周囲からは、どよめきと感嘆の声、そして割れんばかりの歓声が上がった。冒険者や兵士たちは、その光景に息を呑み、まるで魔法でも見たかのように目を輝かせている。彼らの顔には、信じられないものを見たという驚きと、興奮が入り混じっていた。「価格は高いですけど、見てもらえれば分かると思いますが、甲冑を斬っても刃は欠けていませんし、この様に甲冑も斬れる剣です。耐久性もあるので、モンスターと戦闘してて刃が欠けて命を落とすことも減りますよ」 俺は剣を掲げ、その性能をアピールした。刀身は、先ほど甲冑を斬ったとは思えないほど、完璧な輝きを保っている。まるで、何事もなかったかのように、光を反射していた。「俺は買うぞ!売ってくれ!」 ギルマスが即座に購入を申し出た。その目には、本物の剣士の輝きが宿っている。彼の手は、剣を掴むように、震えていた。関係のない国王も数本買ってくれた。近衛兵のために買ってくれたのだろう。冒険者も数人買ってくれて、その表情は心底嬉しそうだ。上級の冒険者は、今まで満足する剣に出会えなかったのかもしれない。上級になれば、中級や上級のモンスター討伐の依頼が多くなるし、硬い装甲のモンスターも増える。お金は稼げていても、すぐに剣の刃が欠けたり折れたりして困っていたのだろう。「ユウヤ様は、さすがですわねっ♪」 ミリアは青く透き通ったキラキラした瞳で俺を見上げ
last updateLast Updated : 2025-10-13
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29話 ミリアの冷徹な制裁と、膝を折った国王

「人数合わせで用意されては困りますからね?ユウヤ様がお作りになるお薬を販売するのですから。大金を扱うのはもちろんですが、重要な秘密を取り扱うと思ってくださいませ。手配した従業員は専属とさせていただきますわ」 ミリアの言葉が響くと、国王ははっと背筋を伸ばし、その顔に緊張の色を走らせた。秘密?そんなものはないはずだが……ああ、もしかして「異次元収納」のことだろうか。あれは絶対にバレたくない。だからこそ、ミリアが紹介してくれる信用できる従業員に任せるつもりだ。「もちろんでございます」 国王は深々と頭を下げた。その声は、命令を下された臣下のように、ひどく恭しい。「その代わり、莫大な税金が王国に入り、治癒の薬で冒険者たちや兵が安全に活動できるようになります。王国も平和に暮らせるようになるのですから」 ミリアは、国王に与える恩恵を強調した。その言葉は、まるで鋭い刃のように国王の心臓に突き刺さる。「多大な恩恵を受けることを理解しております」 国王は、その顔に深い感謝と、同時に重い責任感を滲ませながら答えた。なるほど、ミリアは本当にいいことを言ってくれる。税金も納めているし、何よりこの即効性のある治療薬は、効能の割には破格の安さだ。国王が皆の前で効果を認めたことで、その信頼性は揺るぎないものになっただろう。何より、モンスター討伐に参加して負傷した冒険者たちが、その効果を身をもって実感し、最高の宣伝をしてくれているはずだ。「信頼を裏切れば許しませんわよ。すぐに店は閉めますし、お父様に代わり、わたくしが制裁をします。」 ミリアの青く透き通った瞳が、一瞬、恐ろしいほどに鋭く光った。その言葉に、国王は「ビクッ!」と全身を震わせ、まるで糸の切れた人形のようにその場に跪き、頭を下げて返事をした。娘のミリアで、国王が怯えている。では、皇帝とは、そこまで恐れられている存在なのか……?「期待と信頼を裏切らぬよう務めさせていただきます」 国王の声は震え、その全身から冷たい汗が噴き出しているのが見て取れた。近くにいたギルマスや兵士たちも皆、まるで一斉に膝を折るようにミリ
last updateLast Updated : 2025-10-14
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