♢甘い膝枕の邪魔者 幸せそうにしていた最中に邪魔をされ、ミリアが怒りに顔を染めて怒鳴った。その青く透き通ったキラキラした瞳は、まるで燃え盛る炎を宿したかのようにギラついている。「忙しくは無いでしょ」 俺はミリアの頭を優しく撫でて落ち着かせた。すると、ミリアは残念そうな表情を浮かべ、俺の胸にぐっと抱き着いてきた。ユウヤの体温が心地よく、彼女の頬をじんわりと温める。「ううぅ……忙しいのですわっ」 その声には、まだ不満がにじんでいる。せっかくの甘い時間が中断されたことに、彼女は不機嫌さを隠せない。「美味しい料理が冷めちゃうよ?」「むぅ~……でしたら……食事が終わったら続きを……お願いしますわ」「えぇ……」 俺はつい……ミリアが甘えてきて可愛かったので照れ隠しで、ほんの少し意地悪をしてしまった。彼女の反応が見たかったのだ。「ええ? な、何でですの? お嫌なのですか?」 ミリアは驚きに目を見開き、顔に「どうして?」という表情をありありと浮かべた。その瞬間、近くにいた使用人たちは一斉に青褪めた。そこまで皆が驚くと思っておらず、俺の方が驚いてしまう。ミリアにこんな冗談を言える者は、今までいなかったのだろうか。いや、使用人がミリアに冗談を言えるはずがないか、と勝手に一人で納得してしまう。「え? あぁ冗談だよ?」 冗談という事を伝えると、安心した表情になった。驚いて立ち上がっていたミリアは、力が抜けたようにへたり込むように座り込み、そのまま俺に抱きしめ返してきた。その体からは、深く、安堵の息遣いが伝わる。ユウヤの腕の中で、彼女の心臓がようやく落ち着きを取り戻し始める。「ユウヤ様の……ばかぁ♡ いじわるですわっ。むぅぅ……」 ミリアは顔を真っ赤に染め、甘えた声で俺の胸に顔を埋めた。その柔らかな髪が、俺の首筋をくすぐる。近くに
Last Updated : 2025-10-05 Read more