「ふ〜いい運動になったわ」約10分かけて部屋に戻った私は少し部屋で休憩してから外出することにした。お気に入りのソファに座り、部屋の壁掛け時計を見ると時刻は午前10時を過ぎている。「もう10時過ぎていたのね……。この時間なら全ての商店が開いているわね」それにしても喉が乾いた。東塔と南塔を2往復、片道10分×4回で40分もウォーキングをしたことになる。よし、決めた。今度は例え呼び出されても絶対にこっちから行ってやるものか。大体呼び出した本人達が来るべきなのに、何故私一人が呼び出され、屋敷の端から端まで日に何往復もさせられなければならないのだろう? 全く理不尽な話だ。その時。――コンコン『奥様。お時間よろしいでしょうか?』ノックの主はブランカだった。ナイスタイミング! 彼女に何か飲み物を持ってきてもらおう。「どうぞ〜」ソファに座ったまま扉に向かって声をかけると、「失礼します」と言ってブランカが部屋の中に入ってきた。「丁度良かったわ。ねぇブランカ。何か飲み物を持ってきて貰える?」「かしこまりました。どのようなお飲み物がよろしいでしょうか?」「そうね〜本当ならスポーツドリンクかカロリーゼロのコーラが飲みたいところだけど……」「え? スポーツドリンク? コーラ? 一体何のことでしょう?」首を傾げるブランカ。うん、そうなんだよ。この世界ではスポーツドリンクもコーラも無いのが辛いところだ。「う〜ん……スポーツドリンクっていうのは運動や汗を掻いた時に飲む最適な飲み物で、コーラって言うのは……まぁいわゆる飲むと口の中でシュワシュワする味のついたジュース……みたいなものかなぁ……」「え? 口の中でシュワシュワする飲み物ですか? そう言えばこの間行商人の人が屋敷に来た時に言ってましたよ。最近町では子供でも飲めるシャンパンみたいなものが流行しているそうです。え~と、確か……あ、ソーダ水って言うそうです」「え!? ソーダ水があるの!?」知らなかった! この世界にあの炭酸水があるなんて! これは是非町に出掛けたら飲んでこないと !なら今は飲み物を諦めてすぐに出掛けよう。「それじゃブランカ、私出掛けてくるわ!」ソファから立ち上がるとブランカが慌てた。「あ! お待ち下さい! 実は今メッセンジャーが奥様に伝言があると言ってこちらに来ているんです」何だか果
Last Updated : 2025-10-02 Read more