「駄目!絶対に駄目!」と言い張った舞は春陽の腕を組み「飲み物何する?」とタッチパネルの注文画面を眺める。「私はレモネードにする」「じゃあ私もレモネードにしよう」ポンポンと画面をタップして注文をいれていく。「斉藤さんは?何飲みますか?」春陽は後ろに立つ慶司にきいた。「俺はアイスコーヒーで」「サイズはMでいいですか?」「大丈夫」ダンッとそんな会話を切るように舞は画面を叩くようにタップする。「じゃあ、支払いよろしくお願いします」目がまったく笑っていない笑顔で舞は画面前を慶司に譲った。「今日こそは私が払いますよ!」慌ててバッグから財布をだそうとした春陽の手を舞が握る。「年上の男性が女子高校生に払わせるなんてそんな恥知らずな事を春陽は斉藤さんにさせたくないでしょ?春陽はありがたく奢ってもらえばいいの」舞の言葉に慶司は苦笑いを浮かべるがポケットから財布を取り出し支払いをすませる。その姿を舞だけはひややかに眺めていた。「……」あからさまに睨みつける舞と睨みつけられている事がわかっていて流す慶司、それに挟まれる春陽の図はもうすでに5回目となっていた。高校3年になり大学進学について相談した相手がバイト中一緒にいる慶司だった。慶司が学んでいる学部などについて色々教えてもらっていた時最新の映画を沢山観る事も勉強だよ、とGWに映画に誘われたのだ。慶司と映画を観に行くと知った舞は自分も一緒に行く!と断固として言った。春陽は舞も一緒なのは嬉しかったし安心できたので快諾した。初めての時は舞もとても(?)おとなしかった。しかし夏休みに行った2度目にはもうすでに今の態度になっていた。普段でも春陽に「あんな得体の知れない奴を信じたら駄目よ!」と強く言ってきていた。得体の知れない奴。舞にとって斉藤慶司はそういう存在だった。良い印象はまったく無いと断言できた。はじめて会った昨年末のシネコンから今日までそれが変わる事はなく更に酷くなっているかもしれない。元々舞は服などのファッション関係全体が好きだった。なので小学生の頃から母親が買ってくるファッション誌はよくみていた。春休みに春陽が映画関係の仕事に就きたいからと大学進学を目標にした時舞も一大決心をした。舞も高校を出て何かをしたいなどの理由もなく、ただ母親がこの高校を卒業して銀行に勤めていたから真似てこの学校を
Huling Na-update : 2025-10-23 Magbasa pa