「そうだ。俺が兄を殺した。目障りだったからな。儂が悔い改めて自首すると言ったら付き添うと言って来たんだ。だから後ろからこれでドン、だ」 この銃は、父を殺した証拠品!! この男は美桜を殺すつもりだから最後にあれこれ教えてくれているのだ。 なんとか生き延び、この揺るがない決定的な証拠を手に入れたい。 「安心しろ。美桜との因縁は、今日で終わる」 康臣は京に近づき、持っていた銃をそのまま彼の手に持たせた。 「この男が、すべての罪を被って死ぬからな。密輸事件がバレそうになって、尋問に耐えかねて美桜を殺して自分も自害。どうだ? いい筋書きだろう。儂は巻き込まれたかわいそうな人間だ。世間の同情をかうように吹聴するさ」「な……ふざけんな! なんで俺がッ、ぐああああっ」 京の足を康臣が蹴り飛ばした。あまりの痛みが脳天を突き破り、京は涙と涎を垂らして悶絶した。「黙って大人しくしてろ、ゴミ」 康臣は京を見下し、彼の手を無理やり取って銃を握らせ、引き金に指をかけさせた。 「美桜を殺せ」 銃口が――美桜へ向けられる。 「さあ。撃て」「や……やめろ……!」 京の手は震え、汗と血で濡れている。「やるんだよ」 美桜は、真っ直ぐ銃口を見つめた。 逃げ場はない。 銃口の冷たさが、空気越しに伝わってくるようだったが、恐怖は感じなかった。(父の無念を、ここで終わらせるわけにはいかない! 私が逃げるわけにはいかないわ!!) 京の指が引き金にかけられたまま震えている。
Terakhir Diperbarui : 2025-12-24 Baca selengkapnya