薫子が取り押さえられる中、屋敷の外が突然ざわつき始めた。「帝都警務局より、邏卒(らそつ)※警察の前身 が参りました!!」 使用人の叫びが、さらに場の空気を引き締める。 一成は険しい表情で言い放った。「薫子の罪は浅野家の子供誘拐したことだ。虚偽の行いも含めて、我が妻に危害も加えようとした。これは重罪だ」「いや……いやぁ……一成……助けて……! わたくしじゃないの! これは……なにかの間違いでっ」 泣き崩れながら手を伸ばしてくる薫子。しかし、一成は迷いなくその手を払いのけた。「間違いなんかあるわけないだろう! 僕の家族を傷つけた姉さんのこと、ぜったい許さない。さっさと罪を認めたらどうだ」 薫子は呆然とその場に崩れ落ち、手錠をかけられた。 玄関にはすでに数十名の邏卒が整列していた。「浅野家のご子息誘拐事件! 容疑者確保を確認!」「桐島京も関係者として連行します」「なっ……!? お、俺は関係ないっ!!」 京は驚きの声を上げるも、完全に抵抗できる状況ではなかった。 一成が鋭い眼差しを向ける。「桐島京にも聞きたいことがたくさんある。薫子を巻き込み、何を企んでいた?」 京は唇を噛み、悔しさを押し殺す。「俺はなにもしていない!!」(くそ……浅野家の権力はやっぱり桁違いだな……だが……まだ終わらない……! 俺はなにもやってないんだ。潔白を証明すれば、逮捕は免れる……!! まずはこの状況を乗り切らないと!)「なにもしていないなら、詳しく話せるだろう。連れて行ってくれ」 騒がしい京も連行された。 巡査たちの騒音や激しい足音に驚いて、咲良と咲真は泣き出してしまった。「大丈夫。もう怖くないわよ」 美桜はそっと体を揺らしながら背中をトントンと叩いた。様子を見ていた一成が、美桜の肩を優しく抱いた。「美桜、お手柄だね。君のおかげでふたりは救われた。それに、姉さんの悪事も暴くことができた。これはもう言い逃れできない」「ありがとう。でも、あの子たちが……私を呼んでくれたのよ……」「そうかもしれないな。だが聞きつけられたのは母である君だけだ。間違いなく美桜が子供たちを救ったんだよ」 美桜は涙の中でかすかに微笑んだ。 巡査に両腕を押さえられながら、薫子は美桜を睨みつけた。「どうして……どうしてあなたばかり……! 私は……私は京様に必要とされ
最終更新日 : 2025-12-05 続きを読む