重なった影がわずかに揺れた。 一成は美桜の頬にそっと手を添え、愛おしそうに指でなぞった。 その触れ方は、まるで壊れ物に触れるように慎重で、それでいて離れがたい熱を帯びていた。 「……美桜。もう一度言って。さっきの言葉……夢じゃないって、確かめさせて」 囁きは甘く震え、喉の奥の熱がそのまま伝わってくる。 美桜は胸に手を当て、自分でも驚くほど静かに微笑んだ。 「愛しているの。一成くん……心から、あなたを」 その瞬間、一成の瞳がほっとほどけ、 次の瞬間には抑えきれない想いがあふれるように、美桜の身体を抱き寄せた。 ぎゅっと抱きしめられた拍子に、美桜の息がふわりと零れる。 「……嬉しい。美桜のその言葉だけで、今日までのすべてが報われる」 彼の声は掠れていて、胸の奥の深いところからこぼれていた。 いまだけは
最終更新日 : 2025-12-15 続きを読む