◇ 深夜。 ロッジ内は静まり返っていて、外も静かだ。 今は冬。夏と違い、虫の声も聞こえない。 「──変な時間に、目が覚めちゃった……」 私はぱちり、と目を開けると周囲を見回す。 ロッジは広く、人数分のベッドがきちんと揃っている。 お父様とお祖父様は、寝酒に飲んだ1杯のアルコールが良く効いているのか、すうすうと深い眠りに落ちているようで、私が起きた事にも気付く気配が無い。 そして、離れた場所で眠る苓さんと、苓さんのお兄様のベッドに視線を移した。 苓さんも、苓さんのお兄様──圭吾さんも、身長が高いから小さめのベッドはとても窮屈そう。 だけど、圭吾さんはぐっすり眠っているようで、身動ぎ1つしない。 私は変に冴えてしまったので、少し外でも散歩をしようか、と思って防寒着を羽織り、そっと静かにベッドから降りた。 「──茉莉花さん?どうしたんですか……?」 「苓さん」 どうしよう、私の身動ぎした音で、起こしてしまっただろうか。 私が慌てて苓さんの傍に向かうと、苓さんは寝起き独特のとろんとした目で、私を見つめている。 私は、他の皆を起こさないように小声で苓さんに告げる。 「目が冴えちゃったので、少しだけ外を散歩して来ますね?」 「──うん……、うん?」 とろり、とした苓さんの甘い声が、私の言葉を聞いた後、普段の芯のある声に変わる。 そして、バチリと目を開けた苓さんは、慌てたようにベッドから起き上がった。 「1人で外に出るなんて、危険です。俺も着いて行きますから、待ってください」 「──えっ、でも悪いです。すぐ近くを歩くだけなので、苓さんは気にせず──」 「参加している人達の素性は分かっていても、女性1人で外に出るのは危険です。それに、外は暗いんですから何かあったら大変です」 「苓さん──」 苓さんは、小声で話しつつ、防寒着を羽織るとベッドから降りた。 そして、私の手をしっかりと握ると笑って見せる。 「それに……深夜の散歩って何だか特別な感じがしませんか?俺と深夜のデートをしましょう」 少し悪戯っぽく笑う苓さんが、とても格好良くて。 私の胸はきゅんっと高鳴った。 手を繋いで、外に出る。 外に出ると、こんな時間だしもう殆どの人が寝ているのだろう、と思っていたけど意外とまだ起きている人も多いらしい。 設営されたテントから
Terakhir Diperbarui : 2026-01-27 Baca selengkapnya