御影さんの視線には、ぞっとするほどの何かを感じた。 それは、一緒に居た苓さんも同じようで。 苓さんはぽつりと「執拗いな」と呟くと、御影さんに向かって口を開く。 「御影専務、我々はここで失礼します。これ以上、茉莉花さんに纏わりつかないでください」 「──ふん」 苓さんの言葉に、御影さんは鼻で笑うと、私に顔を向けた。 「またすぐに会う事になる。茉莉花、それに小鳥遊部長、また」 ひらり、と余裕そうに片手を上げて機嫌良さげに商品に視線を戻す御影さん。 その態度が何だか不気味で。 「茉莉花さん、すみません。今日は一旦帰りましょう」 私の肩を抱いて退店を促す苓さんに頷いた。 ◇ お店を出た私たちは、足早に駐車場に戻り、車に乗り込む。 ようやく安心出来る場所に来れた、と言う安心感で私が息を吐き出すと、苓さんも同じように長い溜息を吐き出した。 「──彼は、一体何を考えているんだっ」 「苓さん、すみません。せっかく買い物に来たのに……」 まさか、御影さんと涼子と鉢合わせてしまうなんて。 それに、2回目なんて御影さんに嫌な絡まれ方をされてしまった。 私が苓さんに謝罪をすると、苓さんが慌てて私に顔を向けた。 「茉莉花さんが謝る事なんて1つもないです!俺が嫌な気持ちになったのは、御影専務に対してなので。茉莉花さんは何一つ悪い事はしていないですよ」 「ですが……私がもっと強く御影さんに言えていたら……」 「彼には何を言っても無駄だと思います……。自分の考えが正しいと、そう信じ込んでいる人は、周りの意見には聞く耳を持たないですから」 疲れたようにそう呟く苓さん。 苓さんの言う事は、尤もだ。 それにしても、どうしてあんなに傲慢な人になってしまったのだろう、と私は頭を抱える。 昔は、私と御影さんが仲の良かった頃は、あんな性格じゃなかった。 優しくて、人の気持ちを汲み取る事が上手で、頭の回転も早かったのに。 さっきの御影さんは、昔の面影なんて一つも無かった。 そこまで考えた私は、ふと疑問を口にした。 「だけど……涼子はどこに行ったんでしょうか?それに、御影さんが最後に口にしていた言葉って……」 「速水さんに関しては……分からないですね。……ただ、御影専務が最後に口にした言葉……またすぐに会うって……、嫌な予感しかしません」 「苓さんも
Last Updated : 2026-01-22 Read more