Todos os capítulos de 愛よりもお金をとるのならどうぞご自由に、さようなら: Capítulo 91 - Capítulo 100

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91.璃子の懇願

颯side璃子と玲央は、真相を突き止める道を選んだ。どんな結果であれ、事実を受け止めてその中で最善な関係を考えていくこと、そして両親たちの関係を自分たちだけで悩むことは解決にならないと判断し、玲央の父と璃子の母の当事者二人も交えて話し合いをするそうだ。「まだこれが正解か分からない。真実を知らない方が幸せなこともあるかもしれないけれど、ここまできたら知らないことも地獄だと思ったの」璃子の顔からは疲れが感じられるが、どこか吹っ切れたような清々しさもあった。何を考えているか分からなかった頃よりも、今の方が璃子の人間味を感じられる。彼女が自分自身の運命と向き合おうとしている姿を見て、俺は初めて璃子の美しさを知った。艶のある黒髪から覗く目鼻立ちがはっきりとした顔は、大人の色香を纏いながらも、笑うと少女のような可憐さも持ち合わせている。恋心とは違うが、玲央のいう可愛さがほんの少しだけ分かった気がする。「そうか、真実が明らかになってちゃんと話し合いが出来るといいね」「それで……」璃子は、俺の顔をまっすぐに見て何か話そうと口ごもっていた。どんなことかは察しがついていた。そして、それが俺にとっては、都合が悪いことだと直感していた。しかし、話を遮ることはせず、璃子の言葉を静かに待った。「颯にお願いがあるの。全てが分かるまでは、このまま婚約者のフリをしていてくれない。おじいちゃんには私から話をして、なんとか引き延ばすわ。それまでに決着をつけるから……」璃子は、今までのような横暴な態度ではなく、必死に頭を下げて頼んできている。俺が下を向いて俯いていると、更に言葉をつづけた。「玲央のお父さんと母の不倫の事実が明るみに出るのは絶対に避けたいの。この婚約が続いている間に全てを解決するから。だから、私たちに時間をください。」佐奈に伝えたいことがある―――――佐奈の誤解を解くには、まずこの婚約を解消しなければならない。だが、目の前の璃子の切実な願いを、俺は拒否することができなかった。
last updateÚltima atualização : 2025-12-02
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92.究極の問い

颯side「こんなことは言いたくないが、もし……もし二人が兄妹だったらどうするんだ?その時は俺と結婚するつもりなのか?」璃子にとって俺の問いは、最も残酷な現実を突きつけるものだった。璃子は顔をこわばらせて俺の方をじっと見つめている。兄妹ではないと願っている璃子に対して、この質問は残酷だということは分かっていたが、引き延ばした挙句に俺との強制的な結婚となると、俺は何もすることが出来ずにただただ拘束されたままになる。「颯とは……結婚しない。難しいかもしれないけれど、説得する。もし、おじいちゃんが怒って会社に居づらくなるようなら、本郷家の関連企業を紹介して今よりもいいポジションで迎え入れるようにすると玲央が言っているわ。だから、お願い。それまでは一緒にいて」「……そうか、分かった」璃子との婚約を破棄しようと決めていたが、まさかこんな悲劇的で複雑な形で終わりを迎えるとは思ってもいなかった。しかし、もう二年近く璃子といるというのに、こんな事態になって初めて璃子とまっすぐに向き合っているのだと実感していた。「来週、玲央とお互いの親も交えて四人で会う予定よ。その時に、母に全てを話してもらって今後の意向を伝えるつもり」「それなら俺は、その日、久々に実家にでも泊まってこようかな。だから気にせず行
last updateÚltima atualização : 2025-12-03
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94.思い出の場所

颯side「気分転換に買い物でも行こうかな……」服を着替え髪を整えてから、午前十時半過ぎに俺は家を出ていった。昼は、普段食べないものにしようと思い浮かんだのは、インドカレーの店だ。辛い物が苦手な璃子は、カレーも甘口しか食べず香辛料が効いた料理も苦手だった。佐奈は、嫌いなものがなく何でも食べられた。むしろ、俺と同じで辛い物が好きな方で、付き合っていた頃は、週末になるとインドカレーの店を巡ってお気に入りを探していた。(あのほうれん草と豆のカレー、美味しかったな……。久々に行ってみるか)以前住んでいた場所の近くにある古びたビルに入っている本場のインドカレーの店に行くために地下鉄を乗り継いでいく。今のマンションに住み始めてから、前住んでいた場所に足を運ぶのは久しぶりだった。あの場所には、佐奈との思い出が多すぎる。東京では珍しい小さな商店街通りを歩き、アパート前のコンビニとカフェを通り過ぎてお目当ての店へと向かって歩いていると佐奈と付き合っていた頃の思い出が蘇ってきた。(佐奈が泊まりにきた時は、夕飯を食べ終わった後にお酒とお菓子を買い足しに、よく二人であのコンビニに行っていたな……)璃子と一緒になってからコンビニに行く機会は激減している。俺たちが仕事に行っている間にハウスキーパーが部屋の
last updateÚltima atualização : 2025-12-04
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95.思い出の場所②

颯side古い雑居ビルの二階、目印は一階の建物入口にある小さな看板のみ。エレベーターの扉が開くと目の前に入口があり、店員が待ち構えているこの店に初めて行ったときはとても緊張した。「ここからだと店の雰囲気が分からないけど、大丈夫かな?」「ちょっと緊張するよな。でも、口コミもいいし行ってみようよ」ネットで事前に調べた情報だと、料理以外の情報はなく店の様子が分からなかった。グルメサイトに唯一掲載されていた内装の写真には、象の描かれた布やビーズの刺繍や置物など所狭しと置かれていて、異国情緒あふれた空間になっている。意を決して二人でエレベーターに乗り「閉」のボタンを押すと、ガタンと大きく縦に揺れてからエレベーターが動き出した。その揺れに、もう外に出れないのではないかと一抹の不安を感じて、互いに目を合わせて手をギュッと握りしめていた。(もう何年前のことだよ。そんな昔のことまで思い出すなんて……)苦笑しながら、慣れた様子でエレベーターに乗り込み「閉」のボタンを押す。扉が開くとスパイスのいい香りが入口付近まで漂ってきて、その懐かしい匂いに胸が弾んだ。「イラッシャイマセー」昔と変わらず流暢な日
last updateÚltima atualização : 2025-12-05
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96.思い出の場所③

颯side「ほうれん草と豆のカレーをナンでお願いします」窓際の席に案内され、景色が見えるように入口に背中を向けるような形で座ってから食べたかった品を注文すると、店員は指でOKのサインをしてから厨房へと入っていった。しばらくすると、籠にはみだすくらい大きなナンと鮮やかな緑色のカレーの中に数種類のマメが入ったカレーが到着した。熱々のナンを手でちぎりながら、カレーにつけて食べると懐かしい味がして俺の手はどんどん進んでいく。食べているうちに、次々と人が訪れて店内は賑やかになっていった。「えーどれがいいかな。バターチキンカレーもおいしそう」メニューを見ながら楽しそうに会話する女性二人組や、俺と同じようにメニューを見ずにお気に入りを注文する常連の男性など客層はさまざまだったが、店内の賑わいの中に、ふと後ろから聞き慣れた声がしてきた。「ここね、すっごく美味しいの。私のオススメはほうれん草と豆のカレーと、ベジタブルカレーかな」(え、このメニューとこの声は……)すぐさま振り返ったが、パーテーションで仕切られていてどこから声がするか分からない。しかし、あの声と、ここに来ていた時に俺たち二人が必ず頼んでいたメニューと同じものをオススメしていることで、佐奈が来てい
last updateÚltima atualização : 2025-12-05
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