佐奈side颯と再び付き合ってから、一年が過ぎた。「ただいま、佐奈。遅くなってごめん」 「おかえりなさい。今日も遅くまでお疲れ様」土曜日の夜、鍵を開ける音とともに颯の声が聞こえてきた。キッチンで料理をしながら玄関へ向けて声を掛けると、少し疲れた顔をした颯が靴を脱いで部屋に入ってきた。一年前、颯にあってお互いへの気持ちを確かめ合い復縁したわけだが、現実は魔法のようにすべてが解決したわけではなかった。颯はベンチャー企業のプロジェクト責任者として、相変わらず寝る間も惜しんで働いている。一方の私は、この春より部下を持つ立場になった。お互いが自分の居場所を必死に作るために仕事に奮闘する日々だ。「ただいま。結局、こんな時間になっちゃったよ。せっかくの土曜の夜なのに、待たせてごめんな……」「大丈夫、気にしないで。それより仕事は片付いた? 明日は、本当に大丈夫なの?」「ああ、万全だよ。明日は、俺にとっても大事な日だからね。チームのメンバーにも、明日は大切な予定がある日だからって念押ししてきた」颯は、そう自信満々に言うと腰に手を回してからおでこにそっとキスをした。最初に付き合っていた時はあまりくっついたり、自分からキスをしてこなかったが長い破局を経た後は、以前よりも甘えてきた
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