All Chapters of 【牌神話】〜麻雀少女激闘戦記〜 通: Chapter 101 - Chapter 110

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第1部 四章【スノウドロップ】その1 第六話 ルール表作成

100. 第六話 ルール表作成  ――異世界転移2日目  サイコロ麻雀を理解したエルはこの遊びを共有したくて町の人たちに教えに出かけた。スノウは旅の疲れでぐっすりと寝ていたのでひとりで町をうろつくことにしたのだ。  エルは神様なだけあり様々な魔法を使える。なので物質コピーの魔法で自分用サイコロを作った。 (ついでだから少し大きいサイズに仕上げよう)  麻雀セットの中に入っているサイコロのサイズは小さすぎるのである。 (おなかすいた)  魔法の発動には体力を要する。サイコロのコピーで空腹になったエルは食堂へと向かうことにした。  ◆◇◆◇ 「……ふぁああ、よく寝た………?」(アレ? ここどこだっけ?) ふと自分が置かれている場面を忘れて一瞬焦るスノウ。「あっ、ああそうだ、異世界に来たんだっけ。ここ何日も車中泊してたからこんなにぐっすり寝たのは久しぶりかも……。エルー。おはよう。エルー?」 (いないな、どこ行ったんだろう。まあ、いいや。戻ってくるまで今後の計画でも考えておくか) 「よし、サイコロ麻雀のルール表を作ろう。紙とペンないかな」  部屋をよく見たらテーブルにペンと書き置きがあった。 “お外行ってくる。そのうち戻る。エル“ 「短っ! お外って。せめてどこ行くとかいつ帰るかくらい書いてよね。……まあ、これ使えるわ。短い文章
last updateLast Updated : 2025-12-22
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第1部 四章【スノウドロップ】その1 第七話 絵を描く

101. 第七話 絵を描く  異世界でひとりぽっちになった。  私はあまり無茶はしない性格なのでエルの帰宅を大人しく待った。知らない土地、というか、知らない世界を来たばかりで冒険するのは勇気とは言わないだろう。それこそ、モンスターがいるかもしれないし、異世界でおなじみ(?)のドラゴンが飛んでたって何の不思議もないわけだから。ここにひとりで待っているのだって本心を言えば不安だ。 「続きを書くか……」  私は不安を紛らわすためにルール表の作成に没頭した。が、やがて紙の余白が足りなくなった。 「あー、もう書けるところが無い。……この余白に…… いや、変か。どうしよう。……エルが帰るまで待つしかないか」 すると 「ただいマッ!」 「あ、エル。おかえり、ちょうどいいところで帰って来た。あのね、メモ用紙になる白い紙が1枚欲しいんだけど」 「メモ用紙ならいつもカバンに持ってますよ。1冊あげますネ」  メモ用紙を持ち歩く人は大抵が創作者である。どうやらエルは星の担当者としていつもマージをより良くしていけないかと創意工夫をしているようだった。 「ありがとう。あと、色ペンもありませんか。これは無ければ無いで大丈夫だけど」  出来れば重要な所や間違えそうな所は赤でアンダーラインを引きたかった。 「ありますよ。何色ですカ?」 「じゃあ、赤を」 「赤…… これでいいですか。ピンク色の蛍光マーカー」
last updateLast Updated : 2025-12-23
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第1部 四章【スノウドロップ】その2 第一話 ミサトの冒険

102. ここまでのあらすじ  飯田ユキはある日突然『マージ』という名の異世界へと連れてこられてしまう。ユキを連れ去った耳の長い女性『エル』によると、どうもこの世界に麻雀を広めてほしいとのこと。 ユキという名前はこちらの世界では珍しいので『スノウ』に改名。 スノウによる1から教える異世界麻雀教室作りが始まった。  【登場人物紹介】 飯田雪(スノウ)いいだゆき主人公。井川ミサトと旅をしている最中に気付けば異世界へと飛ばされていた。本作品内ではスノウと名乗る。 井川美沙都いがわみさと飯田雪の親友で麻雀の師匠。異世界のどこか遠くへ飛ばされてしまった。 エル異世界の神様。世界をもっと良くするために麻雀の伝道師となる人物を地球に探しに来た。      その2第一話 ミサトの冒険  スノウが麻雀教室を始めようとしている一方で、井川ミサトはひとりだった。 「いてててて…… ここは?」  近くに街がある。今日は式礼(ミサ)の日か何かのようで賑やかだった。 「私、ずいぶん小さいな…… これは現実なのか……」  ミサトもクリポン族の身体になっていた。クリポン族は大きくても1メートル程度の身長である。 (たしか、ユキと一緒に車で生活していたはずだが、どうしてこうなったんだろう。ユキは?)
last updateLast Updated : 2025-12-24
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第1部 四章【スノウドロップ】その2 第二話 キーボード

103. 第二話 キーボード 「きゅっきゅっ♪」 「キュキュ、なんだか嬉しそうね。美味しそうなパン(らしきもの)の匂いがするからかな」(でもごめんね、それを買うことはできないの。なんとかしなきゃ、せめてこの子の餌くらいなんとかしてあげたい。なにを食べるのか分かんないけど) ~~♪~  すると遠くから微かに音楽が聴こえることに気づいた。ミサトは耳を澄ませて音の方向に進む。すると……。 「あれは…… キーボードだ。なんでこんな所に? ここ、異世界よね?」  商店街のような所の一角にステージがありキーボードが置いてあった。それは誰でも自由に弾いていいもののようで、数名が並んでいた。 観客席もあり、演奏が終わると拍手されていた。その演奏者の中に上手な人がひとりいて、思わずミサトも拍手をしていた。何という曲かは分からないが。上手い。 パチパチパチパチパチパチ  すると、その演奏者は数名から投げ銭をされていた。(これだ!)  実はミサトは一人っ子の家庭だったのもあり普通のサラリーマンの父だったがミサトに習い事をたくさんやらせる余裕くらいはあった。要するにちょっとしたお嬢様育ちで、子供の頃はピアノを習っていたのである。 (曲は…… マナミが好きだったあれにするか)  現世にいた頃の仲間を思い出してミサトは『芸術家の生涯』を弾いた。心に届け! いい曲でしょう、この感動よ届け! と。 ~~♪ 「ありがとうございました」そうお辞儀をした瞬間、ワッ! とギャラリーが大騒ぎして
last updateLast Updated : 2025-12-25
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第1部 四章【スノウドロップ】その2 第三話 器を入手

104. 第三話 器を入手  ミサトが人生初のスタンディングオベーションを思わぬ所で経験していた時、スノウ(ユキ)はミサトのことを考えていた。 「ミサトは大丈夫かなあ」 チュルチュル、ズズッ  スノウはお腹が空いたので宿の自販機で買えるうどん(らしきもの)を食べてひとまず腹を満たすことにした。 「心配ですカ、彼女ガ」「まあ、少し。ミサトに限って異世界だから怯むとかモンスターにやられるとかは無いと思うけど、でもミサトの身体もクリポン族にしてるのよね?」 チュルッ! 「そうデス」「人間の時はかなりの力を有していたアスリート気質のミサトだけど、クリポン体で苦戦してないかそれだけが不安かな」 ズズッ! 「そうなんですネ。でも、心配は要らないですよ。私の相棒をミサトの方に一緒に行かせたので。まあ、意図したわけではなかったんですが。一緒に吹っ飛びましタ」 「エルに吹っ飛ばされちゃうような相棒ってどんななのよ。頼れるのそれ?」 「んー、まあ確かにサイズ的には小さくて弱いですけど。でも、博識で頼れるヤツですから。私よりも物知りで、だから私としてもミサトを見つけたいんですよね。相棒とセットで投げちゃったのデ」 「どんな人なの?」 「人って言うか…… 基本的に小動物です。人型にもなれますけど、普段はリスみたいな姿してるんですよ。一応10万日くらい生きてる仙人なんですけどネ」 「10万日? ……えっ、約270年?!」 「チキュウだとそう
last updateLast Updated : 2025-12-26
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第1部 四章【スノウドロップ】その2 第四話 運と選択のゲーム

105. 第四話 運と選択のゲーム 「じゃあ早速この器で遊びましょうか。まずはエルにマスターしてもらわないといけないしね」「私なら大丈夫ですよゥ。ダテにカミサマじゃありませんからネ! 勝負してみまスカ?」「いいのね? 言っとくけど私は運がいいのよ。麻雀部の爆運最終兵器とは私のことよ(そんなこと誰も言ってない)」 勝負開始 「先攻はエルでいいわよ」「じゃあお先に…… ソレッ!」 コンコロコン! コンコンコロロ…… 1466 「……目無しカ」「こういう時は3つだけ固定して器の外に避けておくの。問題はどの3つを固定するか」「あ、そういうルールなの? てっきり4つ全部振り直すんだと思っテタ。ふうん、1つ振り直すのか。とりあえずなんでもいいんじゃないの? どれだって1つ変わればテンパイ形になるんだカラ」「おっ! すごい! それに気付いているのはすごく賢いです」「でへへ、アリガト」「……うん、でもね、不正解なの」「エッ?」「例えば146を残して1つ振るとしたらどの目だといい?」「んと、1か5でテンパイね。6面のうちの2面がテンパイなわけだから確率3分の1だワ」「すごいすごい。エルは数学もわかるのね!」「えへ。こんなのはマージ担当者試験を受けた人ならみんなできるヨ」「じゃあ、166を残して振ったとしたら?」「そうすると…… 1236でテンパイだから確率3分の2。あれ? とんでもなく違うワ! これが正解だったのね」「ね? 差があるでしょ。でもね、これも不正解なの」「エエエ!?」
last updateLast Updated : 2025-12-27
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第1部 四章【スノウドロップ】その2 第伍話 ミサト、状況を把握する

106. 第伍話 ミサト、状況を把握する  スノウとエルがのんきに遊んで1日を過ごしている頃、ミサトは心底驚いていた。 「キュキュが…… 男の子になっちゃった……!?」  リスっぽい小動物『キュキュ』にパンを分け与えたら何という事か、リスが13歳くらいの少年に変身した。大抵のことには動じない冷静なミサトでもこれには驚き腰を抜かした。 (あ、美少年かも…… じゃなくて、えっとこれどうなってるの??) 「井川ミサトさん。おいしいパンをありがとう。僕はこの星を統治、管理する『担当者』を補佐する者です。ちょっとはぐれちゃって『担当者』がどこにいるかは分かんないんだけど。でも、この星のことならなんでも僕に聞いて。こう見えて博識だから、ほらこの通りニホンゴも話せるし」 「あっ……はい、どういたしまして。私のこと知っているのね……(リスがまさか少年になるとは…… さっきからぼんやり理解はしてたけど、やっぱり異世界なのね)」 「知ってるもなにも、ミサトさんはこの世界に必要とされて選ばれた人だからね。それなのに見つけた時には交通事故寸前なんだもん。だから僕の相棒が慌てて助けに行ったら勢い余って吹っ飛ばしちゃってね……僕ごと……。そんなわけで今、相棒とは離れ離れでどこに行ったらいいのか分からないんだ」 「交通事故寸前? そうだったっけ、あ……あー、バス!? あのバス動きが変だった所までは記憶あるけど、突っ込んできたのか! 危ないなあ。……じゃあなに? 私ってこれ死んで転生したのかな?」 「いや
last updateLast Updated : 2025-12-28
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第1部 四章【スノウドロップ】その2 第六話 繰り返し繰り返し

107. 第六話 繰り返し繰り返し  ミサトは弾きながら思った。地球にいた頃の仲間たちのことを。親友で相棒のユキ。一緒に麻雀を研究して高めあったカオリや初代部長のマナミ。麻雀部のみんな。今頃どうしてるだろう。 (私たちは何回も何回も繰り返し麻雀の練習をした……そう、このキーボードの演奏が子供の頃のピアノの練習によって今でもノータイムノーミスで何曲も弾けるようになっているように、私たちは麻雀の練習を繰り返したわ。正解を知るで終わりにはせず、繰り返し繰り返しを重ねて指に正解を覚えさせた。そういう点では演奏も麻雀も同じことのような気がする) ~~♪♪~ (ああ、麻雀が打ちたいなぁ……) ♪ジャン!   演奏が終わるとお客さんは一斉に拍手して、その後投げ銭をしていった。中には明らかにお金持ちと思われる紳士もいた。  ミサトのスター性は持って生まれたものであった。 その人気は異世界でも別種族になろうとも変わることなく商店街のほんの一角のステージがミサトが演奏者にいる時だけはあっという間に満席になってしまう程だった。 「ありがとうございます。ありがとうございます」 「ミサト、今日の演奏も良かったよ。もう音楽家として連れて来たってことでいいかと思えるくらい」「まさか! 褒めてくれるのは嬉しいけど。でも、私のいた世界だとこの程度では賞も獲れないわよ。この姿だと指が短くてうまく弾けないし。音楽文化が発展途上のこの世界だとみんな感動してくれるけどね」「そうなんだ。チキュウ人は本当にすごいね。あのキーボードは僕が前にチキュウから拝借したものなんだ。歌っていう文化に興味があったからさ。それまでここには娯楽なんて無かったんだよ。」
last updateLast Updated : 2025-12-29
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第1部 四章【スノウドロップ】その2 第七話 サイコロを入手

108. 第七話 サイコロを入手 「あの記念硬貨は何の記念なの?」 カリッ、カリッ  投げ銭の中にオヤツもあったのでそのオヤツのビスケット的なものをかじりながらキュキュと一緒に歩くミサト。 「これはキーボードがこの世界に持ち込まれてから次第に演奏者が増えていって何十日か経った頃に第1回音楽会が開かれたんだ。その時のやつだね。それはそれはすごい盛り上がりだったんだよ」 「へぇ。しかし、聞いてた以上の金額になったね。これでユキを探しに行ける」  記念硬貨はさっそく質に入れた。店主が腰を抜かして驚いていた。それほど価値が高く希少なものだったようだ。 (記念硬貨をくれたのはあの明らかにお金持ちな感じの紳士だろう。音楽会記念硬貨をあげるに相応しいと思ってくれたってことかな。そこまで感動してくれたなら、良かったな。ピアノ習ってて本当に良かった) 「――で。ミサトにはさ、これからこの世界のみんなに麻雀を教えていって欲しいわけだけど肝心の麻雀牌がないんじゃどうする? まずはそこからだと思うんだけど」 「うん、紙とペン。それとサイコロが5個欲しいかな。この街にあるかな、サイコロ」 「サイコロね。この世界には娯楽がほぼないので売ってる所はないかも……。そうだ! 僕が魔法で生成しようか。そのくらいならたいした魔力は必要ないし」  そう言うとキュキュはポポポポポとサイコロを生成した。が、そのあと「やっぱり疲れちゃった」と言い残し、シュルシュルシュルと縮んでいきリスに戻ってしまった。 (なるほど、ファンタジー世界は魔法で便利ねとか思ったけど使うのに膨大な力を必要とするのね。これは思ってたような便利なものとは違うのかも)
last updateLast Updated : 2026-01-01
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第1部 四章【スノウドロップ】その3 第一話 4枚麻雀

109. ここまでのあらすじ  ユキ(スノウ)は自分の使命を果たすため異世界でサイコロ麻雀を流行らせた。サイコロを振るだけの単純なゲームなのでそれは簡単に普及させることが出来た。同時期にミサトもまたサイコロ麻雀を別の所で流行らせていた。  【登場人物紹介】 飯田雪(スノウ)いいだゆき主人公。井川ミサトと旅をしている最中に気付けば異世界へと飛ばされていた。本作品内ではスノウと名乗る。 井川美沙都いがわみさと飯田雪の親友で麻雀の師匠。異世界に飛ばされてしまった。頼れるリスを相棒にしてユキを探す旅に出る。 エル異世界の神様。世界をもっと良くするために麻雀の伝道師となる人物を地球から連れてきた。 キュキュ異世界の仙人。知識豊富で使える魔法も多い少年。だが魔力を使い過ぎるとたちまち少年からリスになってしまうという欠点がある。ミサトの肩に乗りながら旅に同行する。    その3第一話 4枚麻雀  スノウたちは町の食堂でサイコロ麻雀を流行らせることに成功して、次の段階へと進めていた。 「さてと、サイコロ麻雀で基礎固めをしたのでそろそろ頃合いかな」「ということハ?」「そう、次は牌を使うってことっ!」  そう言ってスノウはピンズとソーズと三元牌の計84枚だけ取り出した。 「このトリさんは竹の1。『イーソー』だからね。あとはデザインから数を数えたらわかるでしょ」 「へぇ、これが麻雀
last updateLast Updated : 2026-01-02
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