120. 第六話 ハッピー・バースデー ミサトはすぐに隣町に到着した。 思っていたよりも隣町は近かった。というか、隣も合わせてここら一帯はひとつの都市のようだった。東京都豊島区と板橋区みたいな。ちょっと都心から離れると民家しかなくなるが道は歩きやすいように整っているし、行き来する人も多い。 道はいくつもありその全ての先に看板があった。おそらく、世田谷区や港区といった具合の別の都市に繋がるのだろう。 「ねえ、もしかしてここら一帯はどっちに行っても都市なんじゃない。なのになんで『エル』さんが、さっきの所に来るって思ったの?」 「あー、あそこはエルの故郷だから。もうだいぶ前だけど、あの土地で生まれ育ったからね。来るならそこかなと思って張ってたんだけど、読みが外れたね。で、あそこに来ないならここかなって所が今から行くとこってわけ」 「なるほどね」 旧首都を探索するミサトたち。 「しかし異世界生活も慣れてきたわね。今日でもう1カ月くらいになったんじゃない?」「今日でちょうど30日経ったよ。1カ月というのはチキュウの単位だろ? この世界にはその数え方はないけど日数ならわかる」 へえ、1カ月とかないんだ。と思いながらふと目の前にある花屋が目に入る。 「きれー。地球にも似たような花があるけど同じものなのかな」「そう言えば転移する時も車内に黄色い花がありましたね」 「えっ、そうだっけ? ……ああ、あれは前日にお客さんからもらったもので……。あれ、待って、その次の日から30日経ったってことは! あっ、今日じゃん!」 「何が?」 「ユキ
Last Updated : 2026-01-13 Read more