「うわ……氷室グループのロボット、完璧じゃない!私も一台欲しいわ!」「見た目がいいだけじゃ意味ないわよ。実際に動くところを見なきゃ」「氷室グループの製品にハズレなんてあるわけないでしょ。一昨年の電気自動車だって爆発的なヒットだったし、北川も佐久間も太刀打ちできてない。それが何よりの実力の証明よ!」この日、光一も佐久間グループが独自開発したロボットを持ち込んでいたが、どこか垢抜けないデザインは、氷室グループの機体とは大きな差があった。光一はブラック&ゴールドの機体を凝視し、思わず唸った。「雫ちゃん、このロボットのデザイナーは誰だ?センスが時代の先を行きすぎてるよ」雫が誇らしげに口元を綻ばせた瞬間、蒼真が横から口を開いた。「このモデルは、チップの開発から外装のデザインに至るまで、すべて雫が統括した」蒼真は雫を、隠そうともしない、心からの称賛を湛えた眼差しで見つめた。俺が見込んだ人間は、やはり期待を裏切らない――その瞳には、確かな誇りが満ちていた。「えっ、マジで!?この『金ピカ』、本当に自分でデザインしたのか?」「……ええ」雫はほんのりと頬を染め、小さく頷いた。「『金ピカ』と呼ぶな。製品の格が下がる」蒼真が不快そうに眉を寄せた。「雫ちゃんさ、時間がある時に佐久間グループへ来てくれないか?数日でいい、デザイン顧問としてアドバイスが欲しいんだ!」光一の笑い混じりの懇願に、雫はちらりと蒼真の顔を伺った。案の定、雫が答えるより先に、蒼真の拒絶が飛ぶ。「そっちも焼きが回ったな。自社にまともな人材がいないからと、うちの人間を引き抜こうとするとは」「うちの人間」。その響きだけで、雫の胸は歓喜に高鳴った。「雫は氷室グループの根幹を支える大切な戦力だ。俺に必要な人間を、他所へ貸し出すつもりはない」「一回くらい、いいじゃないか!」「一分たりとも許さん」蒼真と光一は幼馴染であり、兄弟同然の仲だった。かつて光一が投資に失敗し、百億近くの穴を開けた際も、蒼真は一言も文句を言わずに肩代わりした。借用書すら取らないほどの気前の良さだった。それほど気前の良い蒼真が、こと雫に関することとなると、途端に頑なになった。まるで宝物を奪われまいとする子供のように。「ケチ!」「六十億の利息、暇な時にでも振り込んでおけ」蒼真は
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