บททั้งหมดของ アラフォーだって輝ける! 美しき不死チート女剣士の無双冒険譚 ~仲良しトリオと呪われた祝福~: บทที่ 21 - บทที่ 30

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21. 翠蛟仙

 セリオンはウキウキとしながら、物置から釣竿を二本取り出してくると肩に担いだ。「じゃぁ、しゅっぱーつ!」 セリオンは輝く笑顔でソリスの手を取り、お花畑の中を歩き出す。ナチュラルに手をつながれて一瞬焦ったソリスだったが、「しゅっぱーつ!」 と、ソリスも嬉しそうに真似をして、つないだ手を振り、歩き出した。 二人はお互いの顔を見つめあい、ニッコリと笑って同じ歩幅で歩いていく。「お日さま ぽっかぽか~♪ 手つなぐ ぼくときみ~♪」 上機嫌にセリオンが歌い出す。ちょっと調子っぱずれだが、のびやかな歌声にはワクワクとした楽しさがたくさん詰まっていた。「え? 何の歌なの?」「今、思いついたまま歌ってるんだよ。一緒に歌お?」 セリオンは小首をかしげてソリスの顔をのぞきこむ。その可愛らしさにソリスはクラクラしてしまう。「いいよ! お日さま ぽっかぽか~♪ 手つなぐ ぼくときみ~♪」「ぼくときみ~♪」「お花畑 乗り越えて~♪ 湖まで ぴょんぴょんぴょん~♪」「ぴょんぴょんぴょん~♪ きゃははは!」 温かい春の日差がさんさんと降り注ぐ花畑を、二人は即興の歌を歌いながら楽しく進んでいく。 孤児院を出てから不本意に冒険者をやり、命のやり取りをしながらギリギリの暮らしをしてきたソリスにとって、こんな楽しい時間は生まれて初めてだった。もちろん、フィリアやイヴィットとの時間も楽しかったが、それは大人の楽しさなのだ。こんな童心に帰って伸び伸びとした楽しさに触れるなんてことは全く記憶になかった。『あぁ、人生ってこんなに楽しいものだったのね!』 ソリスは心の底から湧き上がる喜びに身を任せ、セリオンとの笑顔が交わされるその瞬間を心から楽しんだ。  辛く厳しい時間の連続で凍り付き、ささくれだったソリスの心はこうしてゆっくりと溶かされていくのだった。     ◇ しばらく森を歩いた時だった。いきなりパアッと視界が開け、息を呑むほどの美しい湖が目の前に広がった――――。
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22. 最強の人質

 突如、青空が|掻《か》き曇り、不気味な黒い雲が空を包んでいく。「な、何なの……?」 その異様な事態にソリスは寒気を感じ、恐怖に引かれるように後ずさった。 直後、ピシャーン! という激しい稲妻が湖面に突き刺さり、水柱が天を|穿《うが》つように立ちのぼる――――。 キャァァァ! 思わず頭を抱えしゃがみ込んでしまうソリス。 湖面にはもうもうとした水煙があがっている。 セリオンは動じず、プリプリしながら水煙に向かって指をさした。「ちゃんと説明してよね!」 くふふふ……。 若い女性の笑う不気味な声が、水煙の中から響いてくる。 え……? ソリスが声の方を向くと、ぼうっと水煙の中で鋭い二つの黄金の光が輝いていた。「な、何……あれ……?」 水煙が徐々に晴れると、神秘的な半透明の乙女が姿を現す。彼女の肌はすりガラスのように美しく、内から漏れる青い光に照らされて幻想的に輝いている。その眼は黄金色に輝き、彼女の下半身は水面下に隠れていたが、長く大蛇のように見えた。これがセリオンの呼び出した|翠蛟仙《アクィネル》らしい。「あら、セリオンどうしたの? うふふふ……」 |翠蛟仙《アクィネル》は挑発するように楽しそうに笑った。「どうしたじゃないよ! オーロラトラウトを精霊たちが奪っていったんだ。返してよ!」 セリオンはブンブンとこぶしを振りながら怒りをぶつける。「ふぅん……、そんなの知らないって……言ったら?」 |翠蛟仙《アクィネル》は挑戦的な鋭い視線でセリオンを貫く。「僕らの大切な夕飯……、返さないって言うなら……怒るよ?」 セリオンはクリっとした可愛い目でにらみつけた。「おぉ、怖い怖い!」 |翠蛟仙《アクィネル》はブルっと身体を震わせると、バシャッと水中に潜ってしまう。「あっ! ちょっと待って! 返してよ!」 セリオンは身を隠した|翠蛟仙《アクィネル》にムッとして、水面をパシパシと叩いた。 ソリスはこんな可愛い少年の何が怖いのか分からず、首をひねった。もしかすると……、彼の背後には恐ろしい秘密を持つ両親がいるのかも……? そんな思いが頭をよぎり、ソリスは急に不安に駆られて眉をひそめた。 直後、青い光がスーっと水面下をソリスの方に一直線に迫ってくる。 え……? バシャァ! と水しぶきを上げながら|翠蛟仙《アクィネル》はソリスに襲い
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23. 説明できない幸せ

「おねぇちゃん、大丈夫!?」 セリオンが駆けてくる。「私は全然大丈夫。それより蛇女が……マズいかも?」 ソリスは、ピクリとも動かなくなってしまった、そのすりガラスのような幻想的なつくりの身体を不安げに見つめた。「このくらい大丈夫だよ。彼女は水の精霊王、水系の精霊の女王なんだ」「へっ!? 精霊王!? これが?」 ソリスは目を丸くする。精霊王と言えばこの世界の精霊の頂点に立つ魔法生物である。彼女の声が響くとき、精霊の大群が動き、時には天災さえ引き起こすという。確かに身体は神秘的で独特の質感を持ち、ただものではない造形をしているが、世界の頂点の一つと言われるとなんとも微妙な感じがした。「随分前にね『この湖が気に入ったから住まわせてくれ』っていうから『いいよ』って言ったんだよ。でも、段々我が物顔でふるまうようになって困ってたんだ」 セリオンはのびている|翠蛟仙《アクィネル》の|頬《ほほ》をパンパンと叩く。「おーい、起きろー」 しかし白目をむいてしまっている|翠蛟仙《アクィネル》は反応がない。「精霊王怒らしちゃったかも……。マズいかな……?」 ソリスは恐る恐る|翠蛟仙《アクィネル》の顔をのぞきこむ。「ははっ、大丈夫だよ。たまには痛い目に遭わせておかないと図に乗ってくるからね」「そ、そういうもん……なの……?」 ソリスが心配そうに様子を見ていると、|翠蛟仙《アクィネル》の目がうっすらと開いた。「気がついた? 悪さするからだよ? いつも言ってるでしょ?」 セリオンは子供をたしなめるように声をかける。 |翠蛟仙《アクィネル》はソリスの方を向くとビクッと身体を震わせ、セリオンの陰に隠れるように逃げた。「ははっ! おねぇちゃんはいい人だから悪さしなきゃ怖くないよ」 セリオンは陽気に笑った。「ちょっとやりすぎちゃっ
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24. 聖なる毒キノコ

 その後、しばらく釣りを続けたものの、浮きはピクリとも動かなくなってしまった。「今日はもうダメだね」 大物を釣れなかったセリオンは、ガックリしながら首を振った。「そろそろ帰る?」「そうだね。お家にお魚が届くのを待つかな……」 セリオンは大きくため息をつくと、浮きを引き上げ、帰り支度を始めた。「本当に持ってきてくれるかな?」「一応あれでも精霊王だからね。約束は守るでしょ。もし、守らなかったらおねぇちゃんがパンチ! してあげて」 セリオンは無邪気にパンチのジェスチャーをしながら笑う。「い、いや、暴力はちょっと……」 ソリスはマズいところを見られちゃったと、顔を赤くしながらうつむいた。「そう? なんだかすごく戦いなれてて僕ビックリしちゃった」「そ、そんなことないんだけどね。あははは……」 ソリスは冷汗をかきながら頭をかいた。      ◇ 話をしながら森の中を歩いていく二人。途中、セリオンは精霊王|翠蛟仙《アクィネル》がやったイタズラの話や、今までに釣り上げた大物の話をしてくれて、とても盛り上がった。「こんなのどかなところにも、いろいろ面白いことがあるのね」「そうなんだよ。毎日いろんなことが起こるんだ。でも、おねぇちゃんがいてくれた方がもっともっと楽しくなるね」 セリオンはまぶしい笑顔でソリスを見る。「そ、そう? 良かった……」 ソリスはその笑顔の輝きにドキッとしてしまう。いまだかつてここまで誰かに受け入れられたことがあっただろうか? もちろん仲間たちとは心を許し合ってはいたものの、それでも分別ある大人の距離感はあったと思う。セリオンの屈託のない無垢なる受容はあまりにストレートすぎて、アラフォーのソリスには眩しすぎる。 ソリスは思わず顔を背け、ギュッと目をつぶってしまう。 しかし――――
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25. 無言の陶酔

 お花畑へと戻ってきた二人は、家の裏にある家庭菜園でトマトとズッキーニ、ハーブを収穫して家へと戻る――――。「ふはぁ、疲れたねぇ……」 セリオンがドアを開けた時だった。「遅いじゃない、あんた達!」 ダイニングテーブルに座っていた若い女性が、不機嫌そうな声を出す。その手にはワイングラスを持ち、酔っぱらっているようだった。 へ? ソリスは焦る。二人が帰ってくることを知っている人物、一体誰だろうか? 見れば銀色に輝く美しい髪に透き通るような白い肌、瞳は氷のように澄んだ青色で、冷たく神秘的な輝きを放っていた。「勝手に上がらないでっていつも言ってるでしょ! もう! ワインまで飲んで!」 セリオンはプリプリと怒る。「あれを見てもそんなこと言えるかしら?」 女性はニヤッと笑うとキッチンを指さした。 え……? そこには虹色に輝く大きな鮭が横たわっていた。「おぉぉぉぉ! こ、これはまさか……ミスティックサーモン……?」 セリオンは駆け寄って、その美しく輝く魚体を眺めまわし、ほれぼれする。「うちの子たちに無理言って一番いい奴を探してもらったのよ。幻の魚よ、どう?」「いやぁ、最高だよ! ありがとう! 早速調理しよう」 セリオンは嬉々としてエプロンをかけ、ウロコ取りにとりかかる。「あのぉ……、もしかして……」 ソリスは恐る恐る女性に声をかける。「何よ? 私が分かんないの?」 女性はその碧い瞳でソリスをにらみ、ワインを一口含んだ。「せ、精霊王さん……ですよね?」「そうよ? あんたに痛めつけられたところ、まだ痛いんですケド?」 |翠蛟仙《アクィネル》はジト目で不満をこぼす。「ご、ごめんな
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26. 炙り出された矛盾

 まるで漫才のような|翠蛟仙《アクィネル》とセリオンの話で盛り上がった後、セリオンがトイレに中座した――――。 |翠蛟仙《アクィネル》はこの機を逃さず、ソリスに鋭い視線を投げかける。「あなた、何者なの?」「な、何者って、ただの人間ですよ! 人間!」 ソリスは冷汗をかきながらティーカップをとり、一口お茶を含んだ。「嘘言いなさい。ここはあなたのような人間の子供が来れるようなところじゃないのよ?」「人間じゃなかったら何だって言うんです?」 ソリスは逆に鋭い視線を|翠蛟仙《アクィネル》に向けた。「さっきも言ったじゃない、女神様の|眷属《けんぞく》。一体何を言われてここに来たのかしら?」 |翠蛟仙《アクィネル》は探るような上目づかいでソリスの瞳をのぞきこむ。「残念ながら外れです。逆に教えて欲しいの。女神様は何でもできるお方なの?」「ははっ! そりゃぁこの世界も、私もあなたも、女神様に作られてるんだから何でもできるんじゃないの?」 肩をすくめる|翠蛟仙《アクィネル》。「死んだ人を生き返らせたり……も?」 恐る恐る聞いてみる。「そりゃぁできるでしょうよ。でも、それって女神様に何のメリットがあるのかしら?」「メ、メリット……?」「女神様はお忙しいお方。生き返らせてくださーい、はーい! なんてことになる訳ないじゃない」「そ、そうよね……」 ソリスは鋭いツッコミにたじろいだ。確かに蘇生なんて気軽にやってくれるわけはないのだ。 でも……。それでも女神様に頼まずにはおれない。「どう……やったら会えるんですか?」「ははっ! そんなの私の方が知りたいわよ!」 |翠蛟仙《アクィネル》は鼻で嗤うとワイングラスをグッとあおった。「精霊王でも会えないんですね…&hel
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27. イジられる喜び

 その晩、ソリスはなかなか寝付けなかった。身体は疲れていたが、二人を生き返らせられるかもしれないという話が脳裏をちらついて、気持ちが高ぶってしまうのだ。「あぁ女神様……」 窓の向こうの傾き始めた満月をじっと見つめ、ソリスは物思いにふける。女神様になんとかして直談判したい。自分の想いを全てぶつけ、頼み込んでなんとか許可をもぎ取りたい……。ソリスはギュッとこぶしを握る。 ただ、女神様に会う方法も分からなければ、説得できるポイントもよく分からない。想いをぶつけるといっても、そもそも全知全能の女神様にとって、自分の想いなどどんな意味があるのかすら分からないのだ。 はぁ……。 ソリスは頭を抱え、毛布に潜り込む。「どうやったら会えるか……」 いろいろと考えてみたが、今自分が知っている女神様に会う方法は毒キノコだけだった。ベニテングダケ、あの白いイボイボの付いた真っ赤で立派なキノコ。あれで女神様に会った人がいるというのなら試さざるを得ない。 セリオンは『幻覚』だと言っていたのだが、本当に会えてしまう可能性がゼロだと言っているわけじゃない。そのわずかな可能性を狙う……、本当に?  毒キノコを食べるというのはほぼ自殺行為である。死ななくても毒で苦しくなって七転八倒することは避けられない。それでも……、やる? くぅぅぅぅ……。 しばらく毛布の中で震えていたソリスだったが、キュッと口を結ぶと覚悟を決め、ガバっと起き上がる。 苦しくても可能性がほぼ無くても、ソリスにはもう毒キノコしかなかったのだ。 ソリスは抜き足差し足、そーっとキッチンへと行くと下の戸棚を開ける。夕方にセリオンが|瓶《ビン》に塩漬けにして、ここにしまっていたのをちゃんとチェックしておいたのだ。 そっと取り出したベニテングダケ――――。 これだ……。
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28. 人生の分水嶺

「セリオンちゃんには手を出しちゃダメでゴザルよ?」 クイッと丸眼鏡を上げると、ジト目でソリスを見るフィリア。「だっ! 出さないわよ! な、何言ってんの!!」 ソリスは真っ赤になって怒る。「嘘、嘘、冗談でゴザルよ。ソリス殿は辛い中よく頑張ったでゴザルな……」 フィリアはそう言うとそっと近づき、ソリスに優しくハグをした。 えっ……? ソリスはその甘く懐かしい香りに包まれて思わず涙が込み上げる。思えば|華年絆姫《プリムローズ》のために無理をして、こんなになってしまったことをいたわられたのは初めてだった。一人で何とか解決するのだとずっと頑張ってきたが、心は悲鳴を上げていたのだ。「そ、そうよ! 必死に頑張ったんだからぁ!!」 思わずギュッと抱き返すソリス。 うっ……うっ……う……。 ソリスの|嗚咽《おえつ》が部屋に響いた。 イヴィットは優しくソリスの金髪をなでる。 しばらく暖かい時間が流れた。 三人の友情を祝うようにパチッ! と、薪が爆ぜる音が響く――――。 と、その時、ソリスは抱きしめているフィリアの身体が徐々にふんわりと柔らかくなっていくことに気づいた。見れば後ろが透けて見えてしまっている。「えっ!? フィ、フィリア……?」「あれ……? やっぱりあたしらは死んでたみたいでゴザルな……」 フィリアとイヴィットはひどく寂しそうな顔で笑った。「そ、そんな……」 ソリスはようやくここで思い出す。そう、自分は二人を生き返らせようと毒キノコを食べたのだった。「そうだ! 女神様! 女神様に頼んで生き返らせてあげる。どうやったら会えるか知らない?」 ソリスは真っ青になって叫ぶ。
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29. 聖約

「そ、そこを何とか! 私は彼らあっての存在なのです!」「少年と楽しく暮らせばよかろう。過去に囚われるでないぞ」 女神はたしなめるようにソリスを諭す。「か、彼らは過去なんかじゃないんです! 自分にとっては未来なんです!」「ほぅ? 未来とな? 行き詰ったアラフォートリオに未来を見るか?」 ソリスは女神の辛らつな言葉にギリッと奥歯を鳴らした。確かに行き詰っていたし、未来に不安を抱えていたが、それでもそれが自分たちの生きざまであり、誇りなのだ。どんなに崇高な存在でも、侮辱されることは許しがたかった。「恐れながら申し上げます。人は困難に立ち向かうからこそ輝くのです。確かに行き詰っていたかもしれませんが、私たちはそこでは終わりません!」 鋭い視線で女神を見つめるソリス。「ほう……? 面白い! では、お主の言う困難に輝く生きざまとやらを見せてみよ! その言葉に|違《たが》わねば……願い叶えてやろう!」 女神は|琥珀《こはく》色の瞳をギラリと輝かせると、ぶわっと全身から黄金色のオーラを放ち、光り輝く微粒子が舞い上がった。「ほ、本当にございますか!?」 ついに得られた約束。ソリスは目を輝かせ、ぐっと身を乗り出す。「我はこの百万年、約束を破ったことなどないぞよ」 女神はゆったりとほほ笑み、優しい目でソリスを見た。「ありがとうございます! このソリス、必ずや|御眼鏡《おめがね》に|適《かな》ってみせます。」「うむ、失望させるなよ? ふふっ」 女神が嬉しそうに微笑んだ直後、黄金色の激しい閃光が部屋を満たし、ソリスは何も見えなくなった。 うわぁぁぁ! ソリスはまばゆい輝きの中意識を失い、ゆっくりと倒れていった――――。      ◇「おねぇちゃん! ねぇ、おねぇちゃんってば!」 気がつくとソファーに横たわっており、セリオンがソリスの手を握って涙をこぼしている。 
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30. 脳髄も揺れる生ハム

 昼過ぎにカチャカチャという物音で目が覚めたソリス。セリオンがキッチンで甲斐甲斐しくランチを準備している。「あ、ごめんなさい……」 慌ててダイニングテーブルの方へ行くと、何やら巨大な材木みたいなものがデンとテーブルの上に載っている。「あ、起こしちゃった? ゴメンね」「いや、もう起きないと……。これ……何?」「ふふっ。タマゴタケが思ったより高く売れたから、奮発して買ってきちゃった。生ハムの原木だよ」 セリオンは豚の足を丸々一本塩漬けにした原木を持ち上げ、ナイフで表面から一切れその身を削り取った。「ほぅら。どうぞ……」 ソリスに差し出された薄く切られた生ハムは、ピンク色に鮮やかに輝き、ソリスは思わずゴクリと唾をのんだ。「い、いいの?」 ソリスは|躊躇《ちゅうちょ》した。今まで倹約生活を続けてきたソリスは、生ハムなんて食べたこともなかったのだ。憧れて、でも見ないようにしていた生ハムが今、目の前で煌めいている。ソリスは手が震えた。「タマゴタケ見つけたのはおねぇちゃんだからね」 セリオンはニッコリと笑う。「では、ありがたく……」 ソリスは生ハムを受け取ると、|端《はじ》を慎重にパクリとかじった――――。 刹那、ぶわっと芳醇な旨味が口いっぱいに広がっていく。 うほぉ……。 我慢できずにすべてを口にほおばったソリス。旨辛い生ハムの信じられないほどの美味しさが口の中で炸裂し、その味に完全に心を奪われた。 我慢できずに全部口にほうり込んだソリスは、口の中で爆発するその旨辛い生ハムの桁違いの美味しさに心を奪われた。 なんという深い旨味、生ハムとはこんなに美味いものだったのか……。ソリスはその味に酔いしれ、恍惚とした表情で思わず宙を見上げた。 森でキノコを見つけただけでこんな
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