両腕を束縛されたままベッドの上に押さえ込まれ、抵抗する術は何もなかった。「放せッ!」 そんな言葉がこの場合、役に立たないことはわかっていたけれど、それでも叫ばずにはいられなかった。「トーマって、女のコみたいに感じやすいんだね。初めてだなんて思えないくらい、反応イイじゃん」 ざらついた舌で乳首を舐め上げられて、思わず声を上げてしまう。「普通に喋ってる時も、トーマの声にはドキドキさせられたけど。今はもっとドキドキするよ。もっとたくさん感じさせてあげたくなる感じ」「や……めろって!」 どんなに声を荒げて叱責しても、迅はその行為をやめようとはしなかった。 そして、どれほど大きな声で叫んでも、助けが来ないことは、冬馬自身よくわかっていた。 都会からは遠く離れた、山あいのログハウス。 洒落た作りの外観を持つそのログハウスを、別荘代わりに買ったのだと、迅は言った。「俺、ココを買ったのトーマにしか教えてないんだ」 最初にここに連れてこられた時、気の優しい大型犬を思わせる懐こい笑みを浮かべ、そう言っていたのを覚えている。 交通の便が悪く、車がなければ動けないような土地だった。「だから、世間が煩わしいって思った時には絶好の隠れ場所になるだろ? この合い鍵、トーマに進呈するよ」 差し出されたちょっと旧式の錠前の鍵を受け取り、冬馬は怪訝な顔をして見せた。「なんで俺に? そりゃあ、そう言う場所があればイイって思ったことはあるけどさ」「俺が隠れてる時、トーマが黙っててくれるようにだよ。同じようにトーマがココを使えば、トーマだってココを他人に知られたくないって思うでしょ? 共犯者になって貰おうと思って」 いたずらっぽく笑った迅に、その時はそんなものかと思っただけだったが。 まさかその場所に、自分が監禁されるなんて想像もしていなかった。「テメェ……いい加減に……ッ!」 罵声を浴びせようと口を開いた時、迅はそれを待ちかまえていたかのように冬馬の感じやすい部分に歯を立てる。 瞬間、全身を駆け抜けた甘い衝撃に、開きかけた口から自分でも驚いてしまうような艶めかしい声が上がる。 冬馬は身を捩って、その場にあった羽毛の詰まった枕に顔を押し当てた。「声上げるの我慢すると、余計に感じちゃうよ?」 迅は、さも楽しそうにクスクスと笑う。「ほ
Last Updated : 2025-11-01 Read more