篠井由美(ささい よしみ)は家の「いい子」。この人生で犯した最も馬鹿げたことは、姉の宿敵を愛してしまったことだ。浮気性で多情な彼を満足させるため、由美は多くの場所での恥ずかしいプレイに付き合ってきた。「野外は刺激的だって……着替え、手伝おうか?」キャンプ用のテントの中。浅沼雅彦(あさぬま まさひこ)はシャツをはだけさせ、くっきりと割れた胸筋には、艶めかしい紅い痕が散らばっている。さっき、由美を誘って付けさせたものだ。由美は伏し目がちに呟く。「雅彦、今日は……やめにしない?」男は一瞬動きを止め、目を見開く。「生理か?」「ううん」雅彦はいつも激しく、物音も大きい。今日は彼の友人も一緒にキャンプに来ている。由美は恥ずかしそうに囁く。「外は……音が漏れるから」そして、もう一つ、もっと重要な理由がある。彼女は妊娠している。「優しくするから。あまり声を出すな。テントは離れてるし、あいつらには聞こえないさ」男は由美の柔らかな髪を指先で弄び、額をこつんと合わせる。蠱惑的な声で、甘く囁く。「やろうよ……由美も、ほしいだろ?」ベッドの上での雅彦は、甘やかすのも誘うのも上手い。由美はすぐに抗えなくなる。テントの中は暖色のムードランプで満たされ、雅彦はロマンチックな雰囲気を作るため、わざわざプラネタリウムライトまで持ち込んでいる。今、テントの天井には、満天の星が揺らめいている。雅彦の蕩けるような甘いキスと共に、テントが揺れ始める……由美が着ていたピンクのバニースーツが、引き裂かれていく。事後、すぐにスーツをきっちりと着こなした男が、由美の瞼にキスを落とした。「一服してくる。うろつくなよ。後でキャンピングカーに洗ってやる」由美は甘さと恥ずかしさを感じている。彼はいつもこんなに優しい。後始末まで手伝ってくれる。雅彦が出て行った後、由美は見知らぬ相手から友達申請のメッセージを受け取る。申請メッセージにはこうある。【篠井由美さん、大事な話があります】相手は自分の名前を知っている。由美は「承認」をタップする。次の瞬間、送られてきた写真。それはなんと、雅彦との婚姻届受理証明書。女性側の情報は落書きで隠されているが、日付は一ヶ月半前になっている。篠井家の家規は厳格で、浅沼家とは深い確執
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